表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第5章 アンクイン
525/545

520話 第7回 ミオ先生による魔法授業(第二編)


「えぇえ、体に飛行魔法をかけても飛べるじゃないですか。でも飛行魔法は、1回かけたっきりじゃないですか。やっぱり、無意識に魔力を使ってるのって変じゃないですか?」


 アリスの中では、飛行魔法を1回かければずっと飛べると思ってるみたい。

 もしそうだったら、飛行魔法って本当に最強の魔法になるんだけどね。


「でもアリスって飛行魔法ずっと使ってられないでしょ?」

「はい、魔力切れになっちゃいます。あれ、ずっと飛べませんね?あれ?」

「それも徐々にじゃない?」

「はい、少しずつ疲れてきますね」

「つ、つまり、ひ、飛行魔法の魔力の、消費の仕方は……?」


 今、アリスが気付いてないことって、私とマリンの中では当たり前だけど、アリスの中では当たり前じゃないという事。

 この辺りは、小学理科から学べるエネルギーの話を学べばね、すぐになるほどって思ってくれるはず。


「でもですよ、頭の中ではずーっと飛ぶことをイメージしてないじゃないですか。魔法を使うってイメージして魔力を使うじゃないですか!」


 アリスは一生懸命、自分の思ってることを伝えてくれている。


 アリスの言ってることを要約すると、魔法とはイメージした瞬間にのみ働くものであり、その時に魔力が消費されるはず。

 だってその時しか自分は行動を起こしてないからね?

 じゃないと、変な所で魔力使い続けちゃうかもしれない。


 確かにアリスの考え方が徹底されれば、すごいエコな魔力消費が出来るから、いい考え方ではある。

 これを徹底して百歩譲れば飛べるかなって方法が、一気に魔力を箒に付与することで、ガソリンを使って走るみたいに、魔力が箒の中で消費され続けて飛べるていると。

 徐々に自分から魔力が減る、結局イメージは最初だけって矛盾点を譲っての考え方だけど。


「そ、それは、そうかも、しれませんが……」

「じゃあどうして飛べてるんだろうね?」


 疑問の原点に帰らせる。


 今まで無意識に出来ていたこと、それを改めて深く考えてから、なぜ無意識に出来ていたかって説明するには、知識が要求される。

 数学の計算で、こういう処理をすれば答えは出るって分かるけど、この処理をして答えが出る理屈は分からないっていう状態。

 そこからその処理についてしっかり学べば、それは確実でより良いものになる。


「どうして、どうしてなんですか?本当に無意識で使ってるからなんですかね?」

「どうしてかは分からない、でもそうじゃないと説明がつけられない。じゃない?」

「それしかないですね、もう」


 パッと腑に落ちないのは分かるよ。

 だって今までアリスには、魔法はイメージして使う物って教えてきたからね。


「それじゃあ一旦知識として、無意識に魔力を払って魔法を使ってるっていうことを覚えておこっか」

「分かりました、無意識でも魔法は使える、ですね」

「そう。後になって無意識に使える理屈が直感で分かるかもしれないからね」


 とりあえず納得してもらって、本題。


「話を戻すよ。アリスは飛行魔法を無意識で魔力を払って使っているっていうのは理解したでしょ?」

「はい、とりあえずは」

「そしたら、強化魔法も無意識で魔力を払って、イメージしなくても強化し続けられるんじゃない?」

「うーん…」


 アリスは首を傾げ自分の右手に視線を向けて、立ち上がる。

 適当に落ちてる朽木を拾って、右手で握りしめる。

 私の腕ぐらいの太さで、到底片手で握り潰せる物じゃない。


「今から強化魔法を使いますね……」

「うん、頑張って」


 アリスはじっと手を見つめ、しばらく時間が流れる。


「あれ、あれ?どうやって強化魔法をかけるんでしたっけ?」

「そっか、アリスってそっち派だったね。グッて力を入れた時に強化魔法をかけるんだよね」

「そうですそうです。強化魔法をかけたら、それで手を握っちゃいますもん」


 つまり、アリスの場合は魔力をパワーに変えてるって事だね。

 私の場合、筋繊維とか筋肉の補助、イメージっぽくするなら筋肉にバネを内蔵させる感じで魔力を変えるから、魔力を無意識に払い続けても、筋肉が伸縮してパワーを発揮させる必要がなくなる。


 この辺って面白くて好きなんだよね。

 同じ種類の魔法なのに、イメージの仕方でこうも働き方が変わって、出来ることが変わる。

 それにどっちがいいとかじゃなくて、どっちも出来た方がいいっていうのポイントだね。


「本当は身体強化以外の内容に触れたかったけど、先に身体強化をつめちゃおっか」


 辺に他の知識を与えて、混乱させるのもかわいそうだからね。


「強化魔法って、ギュッてするとギュッて強く握れる魔法?」

「はい、そうじゃないんですか?」

「じゃあ、走る時に強化魔法を使う時、地面を蹴る時に毎回魔法をかけるってこと?」

「えっ、違うんですか?」


 よしよし、アリスの強化魔法が無意識で使えないって思い込んでる理由が分かるね。

 というか、全ての魔法に共通して無意識で使えないって思い込んでるのかもしれない。

 ゴーレム魔術が難しいってされてる理由がこれな気もしてきた。


 というかもしかしなくても、魔術と真魔法の分類され方、長く無意識に魔力を使い続ける魔法は問答無用で真魔法の方に分類されてない?

 今まで気付いてなかったけど、この世界の魔法の使い方の常識って、パッとイメージしてパッと使うもの?

 プラスに魔力の流れが感覚で掴めない、無意識での行使が出来ない人は、真魔法が使えないのかな?


「よし、まずは筋肉の補助の使い方を解説するよ。これのイメージを理解出来れば、誰でも身体強化!」

「おぉー!」

「ほ、本当なの、ですか……?」

「本当だって」


 疑ってかかるマリンに真っ正面から答える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ