表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第5章 アンクイン
513/545

508話 これから向かう先


 謎の集会、魚人族の群衆に対して多くを語りかけたセリア。

 その内容には私達パーティの紹介、そして当分は開花の為に時間を割くというもの。

 そもそもセリアぐらいの子が統治者なんて無理な話だからね。


 そこでルールエでは商業者ギルドマスターだった、恩寵派の幹部であるラムラッドが前に出る。


「ご紹介に預かりました、恩寵派幹部のラムラッドです。本日より教祖補佐を勤めさせて頂きます。また今日は欠席しております、象牙派、ダゴン教団の幹部ベリオンも同じく教祖補佐となります」


 知らない名前だね。


 恩寵派も象牙派もしっかり政治のトップの補佐に入るの、帝国主義とか絶対王政とかにはならなそうで、個人的にはいいねって思える。

 ただ対抗派閥がどっちも政治のトップに干渉出来るっていうのも、怖いものは怖い。

 内戦とか起きてもおかしくなさそう。


 ただまぁ、政治とか詳しくないですし!

 16歳の娘から言えることはありませんよ!

 セリアが絶対的な力を持ってるから、操り人形になるみたいなことはないだろうし。


「どうしたお主、そう目を見開いて」

「いや?何でもないよ」


 ふざけてラムラッドの事を見てるのをカミラに見られてた。

 皆そっちに注目してると思ったのに。


「セリア様に代わり全体方針の方を。教祖側からはありません。恩寵派は生活圏のインフラを整えて下さい。象牙派は後にベリオンから達しが来るかと存じますが、ルルイエを守るため、ダゴンとハイドラの再召喚の方をお願い致します」


 あぁー、そういえば片方は倒したよね?


 言い終えたラムラッドが下がる。


「そういえば、怪異のもう片方はどうなったの?」

「お主が不死性を取り除いたのはダゴンだ。片割れはハイドラだが、あれは何者かの爆裂魔法に巻き込まれ粉微塵となった。妾だけ不死性が残り、ハイドラの不死性が取り除かれた理由は妾でも知り得ない範疇だ」


 爆発だから、多分だけど私が塔で戦ったアレなんだろうね。


「イクスはいたよね?」

「俺も知らん」


 一蹴されてしまう。


「えーっと、ヴァリアントも?」

「あれは自分を模写しただけの存在です。記憶は共有出来てません」


 そういえばヴァリアントって生体模写の魔法を使うんだっけ。

 言われてみれば、その魔法があるなら自分からあの場所に来る理由ないもんね。


「ザ・カラーは?」

「僕はその爆発に少しばかり巻き込まれはしましたが、爆発が持つ魔法的性質を見抜くというのは、流石にですね……」


 ザ・カラーでも厳しいと。

 うーん、結局あの爆発の術者が誰で、どういう効果があったのか、何も分からないっていうのは、本当に謎しか残らない。

 第三勢力と考えれば、ブラックビースト関連なのかなって思うけど……


「ではこれにて、緊急集会を終わります」


 ラムラッドがそう号令すれば、魚人族の群衆が動き始める。


「ルシフェル、話がある」

「おや、原初の吸血鬼様にご指名とは」

「黙れ、ミオの話だ。お主も来い」

「手厳しいねぇカミラ君。ではセリア君、近くの準備部屋、借りてもいいかな?」

「はい、かみゃ、構いませんよ!」


 こうしてカミラに連れられ、3人で別室に移動する。

 準備部屋というだけあって、衣装タンスとか姿見とか、身なりを整える為に使われてる部屋だね、真っ黒だけど。


「話とはなんだい?」

「妾ら、正確には『MaS』は『ブラックビースト討伐』から席を外す」

「ほーう、ほうほう、なるほどなるほど……」


 待って、私も聞いてないよ?

 でもすぐに思い付く、私の療養をするためなんだろうね。


「まさかカミラ君からその言葉が出るとは」

「妾とてリヴァイアサンで胃がもたれているとでも言えようか。復讐は忘れてはいない。しかしそれで盲目となる程に阿呆ではない」


 カミラは淡々と言い放つ。

 その言葉から、どうしてか私を庇っているように聞こえた。

 カミラがそこまで考えるとは思えにくいけど、もしそうだったなら感謝しなきゃいけない。


「そも10代の娘らに狂気へ立ち向かえというのが酷な話だ」

「それはカミラ君、君が最も理解していることだから、君がそう言うならそうなのだろう」


 勝手に話が進んでいく。


「ちょっと待って、これってずっとの話?」

「あぁ、そうだ。マリンの奴も邪神の影響下にある。妾らは深淵に足を踏み込んでいる。引き返すなら今だ」


 いや、うん。

 マリンとアリスは分かる。

 2人を巻き込んだ所でいいことは何1つないからね。


 でも私とレイは違う。

 私とレイの影には永遠とブラックビーストが忍び寄る。

 それは偽神を介してこの世界に来ている以上は。


 あの赤い目の邪神を倒し切るまで、私とレイは安心してこの世界を楽しめない。


「私も療養が終わったらまた参加するから」

「それはミオ君がしっかりと休んだら判断して欲しい。それ次第で対応を考えても、まっ、遅くはないさ」


 私が気負いしないようにか、笑いかけてくる。

 逆にってあるよね……


「この事はーだね、他のグレートセブンにも伝えた方がいいってことかい?」

「あぁ、頼んだぞ?妾ら込みで考えたら、いずれ綻びが出るのは分かっていたであろう?」

「まっ、それに関してはね?2000年の争は10代の子達に荷が重い」


 うーん……

 何かモヤモヤする。


「話を変える。竜人スタラの話だが……」


 と、カミラが今度は探し人について話し始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ