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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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46話 ケモ耳魔法姫騎士 レイ


 私はご飯を食べ終わり、お姉ちゃん達と遊んでから自室に戻った。

 ゲームでもしようかなと思ってパソコンを立ち上げる。

 あれ待って、そういえば私のアカウント使えないじゃん。

 ちょっと待って、擬似的にアカウントBAN(永久停止)された?

 あれ、私の1年間…

 私の1年間のデータは異世界への定期券になった。

 良いのか悪いのか分からない…


 どうしよう、特にすることがない。


 ひとまずはレイがいつ報酬を受け取るかなんだよね。

 普通だったらこれだけ時間が経てば受け取ってると思うけど、目の前で私が報酬を受け取った瞬間にログアウトしたかアカウントBANされた所を見たと思うんだよね。

 それで報酬を受け取らない可能性もある。


 時間を置いてからの方が確実だよね。

 とりあえず一旦寝てから、明日の朝にログインしてみようかな。


 私は寝る準備をしてベッドに飛び込む。

 ふわふわじゃない…

 いや、贅沢なことは言えない。

 さっさと寝よう。

 私は意識をだんだんと手放していく…




 気がつくと私は廃棄場にいた。

 何でここにいるの?

 現実世界にいたはずだよね?

 とりあえず、いつも通り偽神の元に向かう。


「現実世界にいても、ここに来るんだね」

「言っただろう。寝たら会うことになると」


 言ってたけど…


「それはよくて、どう?レイは来た?」

「ついさっき来た」

「本当!?」

「本当だ」


 良かった。


「今、レイはどこにいるの?」

「君が最初にいた森と同じ場所だ」


 あの場所だと、平原に出るのが難しいから迎えに行かないといけない。

 ただ宿から森が遠い、私が迎えに行く間に移動するかもしれない。


「私をそっちの世界に連れてって」

「すまないが、私が直接連れていくと不備が出る。アカウントにログインして来てくれ」


 そう言うと視界が暗転し、すぐに目が覚める。

 私の部屋だ。

 寝始めてから10分ぐらいしか経っていない。

 私は急いでパソコンを立ち上げると、VRセットをつける。

 そして私はミオという名前のアカウントでログインする。

 そうすると視界が真っ白になり、思わず目を瞑る。


 次第に眩しさがなくなっていくのを感じ、目を開いた。

 そこは宿のベッドの中。

 ケモ耳を触って確認する。


 異世界に来てる。


 私は飛び上がると、急いで外に出かける準備を始める。

 お腹が空いてるけど、呑気に食べてる暇はない。

 外へ向かうとマリアに声にかけられる。


「あれ、ミオさん。まだお出かけしてなかったんですか?」

「うん、今から出るところだよ」

「よろしければ朝ご飯食べていきますか?」

「ごめん、急いでるんだ。夜ご飯はお願いね」

「かしこまりました。行ってらっしゃいませ」

「行ってくるよ」


 私は街の中を走って南門へ向かう。

 今日は一段と見られるけど気にしていられない。


 南門に着くと個人カードを見せて森へ向かう。

 ここまで全速力で来たけど、一切疲れていない。


 私はいざという時のためにアイテムボックスからナイフを取り出す。

 するとさっきよりも速く走れるようになる。

 そういえば筋力が上がるんだっけ?

 それにしても本当に速い。

 今なら人類最速かも。

 そんなことを考えながら森の中へ入る。


 ひとまずアリスと出会った場所に向かおう。

 方角とどれほど深い場所にいたかは覚えている。

 多分、この辺なんだけど…

 一切の人影は見えない。


「レイー!レイー!」


 大きな声でレイを呼ぶ。

 けれど返事はない。

 どうやって探そう…


 悩んでいると足元にゴーレムにゃんこがいた。

 そういえばいつの間にかいなくなってたけど、こんな場所にいたの?

 そう思ってゴーレムにゃんこを抱えようとすると、逃げてどこかへ行こうとする。

 ゴーレムにゃんこはこちらの方を度々確認しながら、どんどんと森の奥は入っていく。


 ついて来いってことかな?


 私はゴーレムにゃんこを追いかける。

 かなり森の深いところまで入っただろう頃、遠くに森の色とそぐわないピンク色が見える。

 ゴーレムにゃんこはそれに目掛けて走って行く。

 私もそれについていく。


 ピンク色に近づくと分かる。

 それは髪の色だった。

 鎧の周りには煌びやかな装飾が多くあり、戦闘には不向きと言えるであろうピンク色のロングスカートを履いていることも分かる。

 私はその姫とも騎士とも形容出来る姿の少女を知っている。


「レイー!」


 そう言うと、ピンク色のロングヘアをなびかせながら少女が振り返る。


「ミオちゃん?」


 少女にはケモ耳が生えており、私よりは小さく、アリスよりは少し大きいぐらい身長だった。

 間違いなくレイだ。

 私はレイの目の前に来ると止まる。


「見つけられて良かった」

「ミオちゃん、迎えに来てくれたの?」

「うん、そうだよ」


 そこにいたのはレイだけど、今までのレイと少し違う。

 少し顔が幼いかな?


「異世界のミオちゃんはゲームのミオちゃんよりかわいいね」

「そう?レイもかわいいよ」

「本当〜?ありがとう」


 レイが笑う。

 おぉ、かわいい。

 ゲームの時よりもかわいらしい。

 それにしてもこの装備、すごいね…

 この装備で街に入ると、目立つとかそういった次元ではない。


「悪いんだけど、私が持ってる服に着替えてくれる?」

「着替えるの?どうして?」

「いや、その格好で街に入ると目立つから」

「え〜、かわいくない?」


 かわいいし似合ってるけど、絶対に目立つ。


「かわいいんだけど、この世界では獣人族ってものすごく珍しいみたいで、ケモ耳が生えているだけで注目が集まるの」

「私、みんなに見られても平気だよ〜」


 レイが大丈夫なら大丈夫ではあるんだけど、隣を歩く私が大丈夫じゃない。

 でも強制は出来ないし、仕方ないか。

 時期に街の人も慣れてくれるよね。


「分かった。それじゃあ私が住んでるユスティアって街に向かうけど、それでいい?」

「うん、いいよ〜」


 ゴーレムにゃんこが私の肩に乗る。


「そのネコちゃん、土魔法で作ったの?」

「作ったんだ、よく出来てるでしょ」

「そうだね〜」


 レイがゴーレムにゃんこを撫でると、レイの手に頭を押し付ける。


「固い…」

「土魔法だから…」


 私は来た道を戻ると、レイがついてくる。



 ということで、レイが合流しました。

 もっと早くに来る予定だったんですけど遅くなってしまいました。

 ついでに身長の設定も置いておきますね。


・ミオ 16歳 142cm

・アリス 10歳 127cm

・レイ 12歳 135cm


 私が低身長の女の子が好きなだけなんです!

 みんなちゃんとご飯は食べてます!

 大丈夫です!

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