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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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41話 ベッドは大事


 乾かし終わるともう1度家に戻って乾かし残しがないか確認する。

 問題はなさそうなので窓を閉めていく。


「この後はお昼ご飯ですか?」

「アリスはお腹空いてる?」

「あんまり空いてないです」


 私もケバブを食べてからあまり時間は経ってないしお腹は空いていない。


「私は商業者ギルドに用があるけど、どうする?」

「なら家に帰ってお母さんにミオお姉ちゃんと住んでいいか聞いてきます」

「じゃあ用が終わったらアリスの家に挨拶に行くね」

「分かりました」


 私はアリスと別れると商業者ギルドに向かう。

 それにしても、街の人にはいい加減ケモ耳に慣れて欲しい。

 4日目だよ?

 現実の世界ならケモ耳少女が街を歩いていても4日目ならもう興味なくしてるよ。

 いや、そんなことはないか。

 私だったら見る。

 私だって見るけど、けどそんなずっとは見ないじゃん。

 やめてよ。

 私は足早に商業者ギルドの中は入る。

 

 ギルドの中はさっきよりかは人がいない。

 朝が多くて昼あたりで人が少なくなるのは冒険者ギルドと同じだ。

 受付の列に並ぶがすぐに順番が回ってくる。

 受付は私のケモ耳を一瞬見るとすぐに顔に向き直す。

 私は席に座る。

 

「こんにちは、この度はどのようなご用件ですか?」

「ローラっている?」

「ローラさんですか?少々お待ち下さい」


 そう言うと受付が裏に行く。

 暫くするとローラが出てくる。


「こんにちはミオさん、ついさっきぶりですね」

「そうだね」

「どうしたんですか?」


 ローラはそう言いながら受付の席に座る。


「掃除サービスをお願いしたけど、色々あって掃除したから大丈夫だよ」

「そうなんですか?本当に大丈夫ですか?」


 ローラさんが不安そうに聞いてくる。


「うん、大丈夫だよ」

「かしこまりました。手配する前に言っていただけてありがたいです」


 お辞儀をされる。

 私もちょっとお辞儀する。


「それともう1つあるんだけど」

「どういったご用でしょうか」

「ベッドを買いたいんだけど」

「ベッドですか?2階に3個ありませんでしたか?」


 確かにあった。

 階段と反対側の部屋3つは寝室だった。


「3個とも新調して欲しいんだ」

「一応3個とも新品ですけど、それでもよろしいですか?」

「大丈夫だよ。出来れば私が入居するまでに設置出来る1番いいベッドが欲しいかな」


 私が今泊まってる宿のベッドが良質すぎて、新しい家に置いてあったベッドに寝てみたらあんまり寝心地をよく感じなかった。


「本当ですか?4日後までに用意できる1番良いベッドを3つでよろしいですか?」

「それでお願い」

「かしこまりました。そうなると王都へ1日かけて早馬で注文して、かなり大きめのアイテムボックスを用意して1日で戻ってくることになります。それらの費用やベッドの代金でこのくらいになりますね」


 ローラがそう言うと、合計金額が書かれた紙を見せられる。

 金貨が2枚と銀貨が何10枚も必要だ。

 これで200万なの?

 いや実際に金貨1枚で100万の為替か分からないけど、もし100万ならベッドを3つ買うのに200万だ。

 と言っても、お金ならいくらでもあるので払えるんだけど。

 私はアイテムボックスから必要分のお金を出す。


「はい、これでぴったりですね。もし4日後までにご用意出来なかったどうしますか?」

「遅れてもいいからお願い」

「かしこまりました。それでは契約をしますので個人カードをお願いします」


 私が個人カードを出すと、ローラは記録台に置いて青い魔道具を弄る。


「あのさ、その青いの何て言うの?」

「これですか?これは魔導板ですよ。ミオさんの大陸ではこういった魔道具はないんですか?」

「魔道具はあるけど、そういうのは知らないね」

「そうなんですか。これさえあれば本当に多くのことが出来るんですよ」


 うん、じゃあそれはタブレットだね。


「はい、契約が終わりました。こちらは控えになります。ご用件は以上ですか?」


 ローラから個人カードと控えの紙を受け取りアイテムボックスにしまう。


「うん、用はこれだけだよ」

「はい、ありがとうございました。次もお願いしますね」

「分かったよ」


 そうして私は商業者ギルドを出る。

 そういえばお金をいっぱい使ってるけど、変に物価が上がったりしないよね?

 大丈夫だよね?

 さすが女の子1人の買い物でそんなことにはならないはず。

 杞憂だと思いながら足早にアリスの家に向かう。




 アリスの家に着いたけど、これってどうやって呼び出せばいいのかな。

 ドアの取っ手の魔法陣は鍵の役割だよね。

 どこに呼び鈴あるの?

 玄関に他に魔法陣はない。

 ちょっと恥ずかしいけど…


「アリスー!」


 暫くするとアリスが様子を伺いながら扉を開ける。


「ミオお姉ちゃん?あ、やっぱりミオお姉ちゃんです」


 ミオお姉ちゃんだよ。


「あ、あの、ミオお姉ちゃんの大陸にはないのかもしれないんですけど、このドアにあるノッカーでドアを叩いてください。そうすれば来たことは分かりますから。大きな声で呼ばれると恥ずかしいです」


 アリスは扉に付いた輪っかで扉を叩いて見せる。

 その輪っかってそうやって使うんだ。

 お婆ちゃんの家にもあってこれ何のためにあるんだろうって思ってたけど、勉強になった。



 アーリースー!

 あーそびーましょー!


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