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ケモ耳少女はファンタジーの夢を見る(仮)  作者: 空駆けるケモ耳
第1章 ケモ耳 異世界を知る
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37話 アリスとお昼前ご飯


「ミオお姉ちゃん、遅いですよ」

「家を決めるにしては早い方だよ」


 広場のベンチに座っているアリスに声をかけるやいなや、アリスに怒られた。


「それ何ですか?」


 アリスが私の肩に座ってるゴーレムにゃんこを指差す。


「これはゴーレムだよ。レイナさんがゴーレム魔術って魔法を使ってたのを真似したんだ」


 私はゴーレムにゃんこをベンチに置くと、ゴーレムにゃんこが寝転ぶ。


「真似しようと思って出来る事ではないと思うんですけど…」


 アリスがゴーレムにゃんこを突いて触る。


「そんなにゴーレム魔術って難しいの?」

「ゴーレム魔術が簡単だったらこの辺りでゴーレムが働いてると思いますよ」


 確かに。

 でも土の人形に魔力を入れてるだけなんだけどな。


「最初に教える魔法はゴーレム魔術にしよっか」

「もっと簡単なのにしてください!」


 アリスが私の言葉に驚きながら答える。


「冗談だよ」


 そう言ってアリスの横に座る。


「驚かさないでください」


 アリスが胸を撫で下ろす。

 そうしてアリスに紙に包まれた物を渡される。

 開けるとパンにお肉と野菜が挟まれている。


「これ何?」

「これはケバブですよ」


 ケバブって棒に刺したお肉のあれだよね。

 こうやって食べるんだ。


「おいしい」

「良かったです」


 いい意味で屋台の味だね。


「そうだ、これお釣りです」


 アリスが何枚か銅貨を渡してくる。


「いいよ、お小遣いにして」

「…分かりました、ありがとうございます」


 アリスが一瞬考えると、笑って受け取ってくれる。

 うんうん、大事に使うんだよ。




 ケバブを食べ終わるとそアリスがアイテムボックスからオレンジを取り出す。


「後これはデザートで、買ってきたのはこれだけです」

「ありがとう。お腹的にもいい感じの量だよ」

「お願いされましたから」


 アリスは私にオレンジを渡すともう1個オレンジを取り出し、器用に皮を剥いていく。

 あれ、これミカンじゃないよね?

 アリスが剥いたオレンジは中身がしっかり詰まっている。

 見た目もミカンではない。

 完全にオレンジだ。


「剥くの上手いね」

「確かに難しいですけど、慣れれば簡単ですよ。やりましょうか?」

「お願いしてもいい?」

「いいですよ」


 アリスにオレンジを渡すと器用に渡していく。

 10歳にオレンジを剥かせる16歳。

 悲しい気持ちになってくる。 


「はい、出来ましたよ」

「ありがとうアリス」

「いえ」


 私はアリスからオレンジの中身を貰うと1個ずつに分けて食べていく。


「ミオお姉ちゃん、この後はどうするんですか?」

「どうしよっかな」


 ひとまず宿を出る前にやるべき事は全て終わったはず。

 直近で思ったのはネコ耳フードがついたアウターだけど、別に今日じゃなくてもいいし。


「アリスは何か用はないの?」

「今日は特にないですね」


 うーん、暇だね。

 家の下見とか行ってもいいかな。


「それじゃあ暇つぶしに私が買った家に行かない?」

「いいですね、そうしましょう」


 私とアリスはベンチから立ち、ゴーレムにゃんこを肩に乗せると新居に向かうのだった。




 という事で現在地は住宅街。

 地図を見ながら新しい家に向かっている。


「私のお家に近いですね」

「ちょうどいい家がこの辺にあって」

「そうなんですね。どうしてユスティアに住もうと思ったんですか?」

「初めて来た街がここだったから」

「そうだったんですね。ユスティアって海から遠いですけど、港町とかにも寄らなかったんですか?」

「そ、そうだね」


 アリスは鋭いなぁ。


「ここまで歩いて来たんですか?」

「え、そうだねぇ… 秘密って事で」

「どうして秘密何ですか?」


 アリスが不服そうに聞き返す。

 どうしてって、答えられないからだよ。


「獣人族は謎が多い種族なんだよ」

「教えてくれてもいいじゃないですか」


 アリスが拗ねる。

 ごめんねアリス、かわいいよアリス。

 アリスの頭を撫でるとアリスが「むぅ…」と声を漏らす。

 その不服ながらも満更でもない声が私の気持ちを昂らせる。

 かわいいよ!

 アリスに癒されていたら目的の場所に到着する。

 家は街並みと同じく赤い屋根をしている。

 大きさは普通の家の2個分ぐらいで、それ以外は他の家と大差はない。


「大きいです…」

「私も想像してたより大きいかな」

「私が早くって言ったからですか?」

「いやいや、そんな事はないよ。大きい分にはきっと困らないし」

「でも高かったですよね?」

「いや?多分そうでもなかったよ」


 フェンリル5体、多分安いと思う。


「そうなんですか?安くて大きいお家って、何か怖いですね」


 アリスがあからさまに怖がりだす。

 確かに、こんなに大きな家なのに安いなんて事故物件とか、もしかしてそういうの?

 ローラは全然そんなこと言ってなかったけど、売る側にとっては隠してた方がいいことだよね。


「…中に入る?」

「え!?入るんですか?大丈夫なんですか?」


 大丈夫かは分からない。

 むしろ今から大丈夫かを確認しに行くんだから。


「私は行くけど、アリスはどうする?」


 アリスは考える。


「…私も行きます」


 そういってアリスが私の手を握ってきた。

 え、かわいい。

 アリスの手、小さくてかわいい!

 ミオお姉ちゃん、アリスを全力で守るよ!


「それじゃあ行こっか!」

「何でそんな楽しそう何ですか!?」


 アリスが驚いたように言う。

 そんなの決まってるじゃん。

 私は浮かれた足取りで玄関へ向かった。



 貨幣の価値が

 銅貨<銀貨<<<<<<<<<<<金貨

 みたいになってるけど、作者は気にしません。

 皆さんも気にしないで下さい。

 お願いします。

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