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彼女と僕の口外法度《かくしごと》~地味で巨乳なクラスメイトの秘密を知ってしまった僕の話~  作者: 宮地拓海


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143 成績を上げるべき理由

「鎧戸君、『x』の書き方がおかしいです」


 姉の車の後部座席に並んで座り、問題集を解く僕の手元を眺めていた高名瀬さんから指摘が入る。

 変とか、ある?


「鎧戸君のは、カッコ閉じるとカッコ開くです」

「でも、二回で書けるから一緒じゃない?」

「結果よりも過程が重要なんです。ペンを貸してください」


 僕からペンを取り上げ、身を寄せてノートに小文字の「x」を書く高名瀬さん。

 おぉっ、密着率が……っ!


「分かりましたか?」

「はい。柔らかいです」

「何の話をしているんですか!?」


 ぺしりと、肩を叩かれた。


「シュウ」

「ん?」


 バックミラー越しにこちらを見ている姉と視線が合う。


「乳か?」

「肩だよ」

「世の一般的な姉弟は、絶対そのような会話はしていませんよ。見習ってください」

「だそうだぞ、姉」

「無茶を言うな」


 かっかっかっ! と、ご隠居みたいに豪快に笑う姉。

 どこのご老公だ、お前は。


「二人とも、勉強は大丈夫?」

「はい、わたしは大丈夫です」

「僕も平均点は固いよ」

「『x』と8の段で減点されないといいですね」

「むしろ8の段だけのテストでもいいくらいだよ」

「それは小学二年生のテストです」


 満点を取る自信がある。


「あたしも楽しみにしてるからさ、絶対目標はクリアしてよね」

「だったら、目標をもっと低く設定すればよかったじゃないか。赤点クリアだけでよかったんだよ、僕たちは」

「友人が出来たせいで成績が落ちた――なんて思われたら、親御さんがいい顔しないっしょ?」


 それは、まぁ、確かに。


「だからね、友人や恋人が出来た時こそ、成績を上げておくんだよ。そうすれば、『あ、いい人と知り合えたんだな』って親御さんも安心できるって寸法よ」


 口調はアホっぽいが、言っていることは理にかなっている。

 一緒にいることで成績が上がる相手なら、きっと親御さんも安心してくれるだろう。

 安心してくれたら、泊まりがけの旅行なんてものにも、賛成してくれるかもしれない。


「ササキ先生がいてくださるので、ウチの家では鎧戸家の信頼は厚いですが……そうですね、鎧戸君本人にも頑張っていただいて、信頼を勝ち得てもらえるといろいろと助かります」

「『僕にください』も言いやすくなるだろうしね~」

「そっ……そのようなことは、言ってません」


 ちらっとこっちを見て、「見ないでください」と言ってくる。

 見たのは高名瀬さんの方じゃん。

 まぁ、僕も見てたけど。


「まぁ、いろいろと難しい世の中だからさ、『やれることはやっとく』っていうのが大事なわけよ」


 言いながら、ハンドルを大きく回す。

 車が地下駐車場へと入っていく。

 どうやら着いたようだ。


「ポーちゃんは、水着もう買ってあるんだよね?」

「はい。あ、いえ、買ってはないです。昔使っていたのがありますので、それで行こうかと」

「……昔って、去年?」

「いえ、…………二年前、ですかね。中学二年生の時に家族で海へ行きまして。その時に買ったものが」

「絶対着れないよ、それ」

「そんなことは。背もあまり伸びてませんし」

「背はね!」


 あぁ、そうか……

 姉は高名瀬さんの主治医だから、高名瀬さんの成長をよ~く知っているわけだ。


「あれ? ちょっと待って。中二の時の海って、行く前に防水対策聞きに来た時の、あの水着?」

「あ、はい。そうです」


 なんでも、家族旅行で海へ行く前に、高名瀬さんは姉に海へ行っていいか確認に行ったらしい。

 谷間のコンセントに水が入って漏電とか感電とかしたら大変だからね。

 その時に、水着を着て見せたらしい。


「……僕、姉の後を継ごうかな」

「そのようないやらしい動機で目指さないでください。患者さんに迷惑です」


 だって、高名瀬さんの水着が見られるとか……ズルくない?


「ポーちゃん。率直なこと言っていい?」

「な、……なんですか?」

「エロい」

「何がですか!?」

「ポーちゃんの言ってる水着って、あのハイネックの、スクール水着に申し訳程度に色味を付けたようなヤツでしょ?」

「そう言われると、身も蓋もありませんが……まぁ、そうですね」

「今の、育ち切ったその体で、あんなスク水モドキを着たら、ぱっつぱつで物凄くエロくなるからね!」

「そんなことないですよ!?」

「いいや、エロい! 現に、妄想しただけでご飯三杯くらいいけそうだ!」

「鎧戸君、きちんとしつけてください、お姉さんを!」


 ごめん、高名瀬さん。

 それはムリ。


「悪いこと言わないから、今日一緒に買っときな。プレゼントしてあげるから」

「いえ、大丈夫ですよ。多少成長はしましたが――」


 と、自分の胸を腕で押さえて、ちらりとこちらを見て、「めっ!」と短く叱る。

 視線が悪い子だったらしい。


「たぶんまだ着られますよ」

「ねぇ、ポーちゃん、こんな話知ってる? ある高校生がね、ゲーム機を後ろ手に隠したところ、ブラウスのボタンと一緒にフロントホックブラのホックが弾け飛んで、クラスメイトの男子に全部見られて――」

「全部は見られていません!」


 またしても僕を睨む高名瀬さん。

「むこう向いててください」は、ちょっとひどいと思う。


「君のおっぱいは、君が思う以上に大きく育っている!」

「言い方に気を付けてください!」

「君のお乳は規格外だ!」

「余計ひどくなりましたよ!?」

「羨ましいなぁ!」

「鎧戸君、なんとかしてください!」

「通報したら?」


 これはもうセクハラを超えて、性的被害でいいと思う。

 一度収監されてたっぷりと反省してくればいい。

 姉の熱弁に負け、高名瀬さんは「分かりました! 買いますから、もう黙ってください!」と水着を買うことになった。







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― 新着の感想 ―
確かに…それは色々…本当に危険だから… だから今回は無理矢理にでも納得させた姉のファインプレーかも知れない… それにそんな状態になった好きな子を不特定多数の目に晒すとか嫌に決まってるよね()
更新ありがとうございます!ありがとうございます!!!ポーちゃんスク水…大暴れですね。何がでしょう?w
ポーちゃんそんなに急成長したのかww
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