○第110話~追いかけっこ~
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side机近辺
「ちくしょー!何処行ったあの本!!」
「まぁ、落ち着こうかトキヤ君。焦っても仕方ない。」
「そーだよ。」
おちょくるよいにあっちこっちに現れては消える本に頭に血が上りかけたトキヤを秋人と千秋が宥めていた。
「あの本って言うかあの本をあっちこっち移動させている奴、絶対こっちをおちょくってるよね!」
シャルロッテはまだ見ぬ誰かに腹を立てていた。
「それにしても一体何処の誰がこんな面倒な事を…。」
「とにもかくにも本を捕まえないとな。」
千秋と秋人がハァとため息をついたその時、
「おーい!トキヤーそっちはどうー!!」
「こっちは本が逃げてもーたんやけどそっちはどうなん?」
と、走りながらアキ対棚近辺捜索組がやってきた。
「どーもこーも羽はえてどっか行っちまって追いかける所だ。ひょっとしてそっちもそうなのか?」
「え?やっぱりそっちもなの?」
「ん?そっちもなのか?」
アキとトキヤはお互い顔を見合わせていた。
「そちらもでしたか…。ですが、魔法のおかげで図書室の外には移動出来ないようですので捜索範囲が絞れる事だけが幸いです。」
「何時捕まるかは分かりませんが」と司書の女性は遠い目をしていた。
─ 図書室内とは言っても相当広いのだ。外に出て行かないとはいえ捕まえるのは至難の業だろう。
「それにしても逃げ回る本をどうやって捕まえよう…。」
「そこやよねぇ~。」
ソフィアとルーナはう~んと唸っていた。
─ 普通に追いかけても捕まりそうにもないのだ。
「なぁアキ。空間魔法とかでどうにかならないか?」
「ん~…。『空間固定』ならいけるかなぁ?」
─ 『空間固定』とは指定した一定範囲から抜け出せなくなる魔法である。因みに二カ所の空間をつなぎ合わせる場合は『空間連結』と言う。
「それなら2冊共同じ場所に来たタイミングでかけたいよな。」
「出来ればね。でも、まずは何処か行った本を1冊でも見つけないと話が進まないわ。」
「だな。とりあえず探そう。」
「「「「「「「おう!」」」」」」」
─ 暫くして…。
「ハァ…。ハァ…。ハァ…。」
「つ…。捕まえた~!!」
「やっと捕まった~!!」
等々床にへたり込みながらやっと捕まえた2冊の本を掲げ皆が歓喜していた。
「じゃあ早速見ましょうか。」
「俺はこっち見るぜ~。」
漸く手に入れた本を皆で真剣に読んだ所、やっと八不思議に関わりそうな記述が見つかった。
─ この学園は元は巨大な実験施設で、その時に行われた非合法な人体実験で出た死者の人骨が地下室に隠されていて、その霊が夜な夜な学校に現れる。
と、言う物だ。
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