潜入作戦開始
さて、オーク達に占領されたコボルトの村だが、村とはいってもダンジョン内である為、人間がイメージするそれとは実態が異なる。
実際にはアリの巣に近いものらしい。
その構造はある程度コボルト達から聞いているが、神像があるのは村の奥の方にある広間だとか。
スキルで気配を消していけば、迷路のような村へと潜入すること自体は不可能ではない。
だが万が一、オークや狼の集団に囲まれたら詰む。
安全策をとるのなら、可能な限り敵を各個撃破して減らした方がいいよな……。
そんな訳で、「オートマッピング」と「気配感知」を駆使して、安全だと判断できる場所まで進んでいく。
それは通路が分岐しているところまでだ。
どちらかに進めば、前後から挟撃ちにされる可能性が高いので、これ以上は進めない。
だから逃走経路を確保できる場所で敵を待ち伏せし、相手が単体なら撃破、複数なら逃げる。
その繰り返しで、敵の数をできるだけ減らしてから、神像の所まで潜入しようと思う。
これは持久戦だ。
眠る時だけコボルト達の所へ退避して、何日でも状況が変化するまで繰り返す。
幸いにも、村に逃げ遅れたコボルトはいないらしいので、急いで救出しに行く必要もないし、いくらでも時間はかけられる。
あわよくばオークを全滅させて、コボルト達を村に帰すのもいいけど、そう簡単にはいかないだろうな……。
とにかく慎重かつ確実に、ことを運んでいこう。
お兄ちゃんが行方不明になってから、もう1週間が経過した。
その行方は杳として知れず、手掛かりすら掴めていない。
茲富さんを通して、探索者協会に全国のダンジョンを捜索をしてもらえるように要請しているけど、何の成果も無いようだ。
だから現状では、積極的な捜索は打ち切られている。
それでもかかった経費は、後々払わなくちゃいけないだろうけど、お兄ちゃんを助ける為なら高くはない。
そもそも、取り戻せる額だ。
なにせ私達には神様がついているのだから。
私は今、配信で神様達と作戦会議をしている。
●レナ:死に戻りはしていないので、ナオさんがまだ生きていることは間違いありません
●:可愛いは不滅! 10000P
●ナウーリャ:まだ慌てるような時間じゃないですよ 20000P
「そう……ですね」
お兄ちゃんがまだ死んでいないのなら、そんなに危険な状態ではないのだと思う。
いや……ダンジョンで寝泊まりしないといけない時点で、常人にとってはかなり危険なんだろうけど……。
でもお兄ちゃんはいろいろとスキルを持っていたし、ポイントで更に能力拡充もできるはずだから、中堅探索者くらいの実力はあると思うし、アイテムボックスの中に食料やサバイバルツールがあるから、長期のダンジョン生活でも大丈夫だとは思う。
だけどやっぱり、心配なのは心配なんだよね……。
●:しかしこうも見つからないとは……
●:馬鹿が邪魔している所為で、こちらの探知は届かないからねぇ……
●:ホント、あの馬鹿……
●:あいつもまだダンジョンに潜伏中なんでしょ?
●:し~っ!!
「え……邪神がダンジョンにいるんですか!?」
●:あ~……本当は秘密なんだよ?
●:絶対に他言無用だからね
「え……はい」
●マルル:人間はゲームの世界には直接介入できないけど、ゲームの中のキャラクターを操作することで介入は可能でしょ?
●:それと同じように、現実世界の中に分身を生み出し、そいつに乗り移ることで、世界に直接介入して暴れまわった神がいたんだ
●:基本的には掟破りなんだけどね
●:だから我々の信徒の中から選ばれた者に力を与え、そいつを打倒させようとした訳だけど……
●:そいつはダンジョンを作って、その中に逃げ込んだんだ
●:そのまま何処に潜伏しているのか、分からなくなってしまった
●:まさかそのダンジョンが、別の世界に繋がるとはねぇ……
「そう……だったのですか……」
そして今、お兄ちゃんにその邪神を打倒させようとしているんだよね?
それについては、お兄ちゃんの判断に任せるけど、まずは無事に帰ってきてくれないと、話は始まらないんだよ……。
●アイ:あ、ナオ君と連絡が取れそう!
ちょっと電波が悪いけど、これならなんとかなるかも!
●ウルティマ:マジですか!?
「お兄ちゃん……!!」
ようやく事態が動きそうだった。
冬の間に休眠していた多肉植物が目覚めて、新芽を出し始めました。まあ、室内管理なので、休眠せずに成長を続けていた物もありますが。ディッキア・ムーングロウは親株から仔株を2つ外して寄せ植えにしていたのですが、大きくなったので個別に植え替えることにしました。しかし抜き上げたら片方に仔株がついていたので、更に増えそうです。




