第58話 薬
「・・・と、いうわけで、ファクトリア閣下・・・
こっちに添えた蚕から採取した遺伝情報から、治療薬をおねが・・・」
憮然とした顔で、モニター画面の向こうのファクトリアが、帳面型端末を何やらいじり、プログラムを組む。
「うえッ!?」
「スピード解決にゃ。
材料やレシピも添付したにゃ。
そろってれば、イケるにゃ。」
執務室のファルティアの帳面型端末に、ファイルが・・・
「は・・・
早ッ!」
なんと・・・!
ファクトリアは、一瞬のうちにプログラムを終了させてしまった。
「にゃーははは!
あちしを誰だと思っておられるにゃ?
「三賢人に次ぐマッドサイエンティストにゃ!」
自慢にならない。
しかも、ファクトリアの後ろで、物凄い神波動を出しているミリアム女王が、これまた物凄い剣幕で、金属バットを振りかぶっている!
バキッ!
「にゃーッ!
痛いにゃーッ!」
「やはり、「石頭」か・・・
最低でも、「ミスリル頭」と見たわ・・・」
なにやら、金属バットが折れ曲がっている・・・
「これ・・・
「鋼鉄製」なんだけど・・・」
「は・・・
ははは・・・」
乾いた笑いを浮かべる、ファルティア・・・
「とにかく、早く進めなさい。」
「は・・・
はい!」
ファルティアは、さっそく評議会と科学導師の招集にあたることにした。




