第57話 織物の国
ズズ・・・ン・・・
マトン王が、ファルティアの「急所攻撃」を食らって倒れ伏す・・・
「あ~ッ!
だから言ったのに、このクソ親父!」
マトン王の本陣から、羊特有の角を持った少女が現れた。
「・・・?
バロメッツ王国の姫?」
「はい。
あたしは、シープ・バロメッツです。
まったく・・・
ウチの国は、牧羊・綿花栽培・養蚕でなっているんですよ。
ただね・・・
蚕たちが謎の伝染病で・・・」
「「解雇」?」
こくん。
「最初っから、「侵略」なんてせずに和平と同盟という形でとみんな言ってたんですけど。」
そのとき、スケコマースが、銅製のコードを・・・
バキッ!
「痛い!」
「「電線」じゃないにゃ!」
ミハイルがどつく。
「まあ、こういうことに詳しい人が本国にいますので、彼らの一匹を貸していただけませんか?」
「「被験者」ですか・・・
わかりました。
これで、彼らは「リストラ」のエサにならずに済む・・・」
「「リストラ」?」
「はい・・・
蝶やミツバチといった「産業系」の昆虫を食って肥え太る害獣です・・・
一説には、「解雇」になった古代の怨念が・・・とも・・・」
「わ・・・
笑えねえ・・・」
ファルティアは、絶句した。




