第56話 マトン!?マント!?
それは、一言でいうと突撃疾走!
火炎魔法で身体を覆った兵や、身体強化をかけた兵が突っ込んでくるのだ!
「うわツ!」
神波動剣や、神波動銃を持った人狼兵やエルフ兵が仰天する。
「うわっと!」
人兎の魔法騎士が、危うくかわす。
「まるで「羊」だな・・・」
そのものである。
そう・・・
人羊は、「突撃」が得意だった!
「ならば!」
ファルティアは、呪文を唱える。
「光輝大法衣!」
ファルティアの全身を、輝く風が包んだ。
かつて、天空の勇者が編み出したが、使用されなかった術だ。
身体強化と超加速を行う術で、それに耐えられるのは天空の勇者が「変身」したときのみであるのだ。
「女王の円舞!」
ファルティアは、突進してくる人羊兵をヒットアンド・アウェイで「急所」狙いで倒していく。
しかし・・・
「うわーッ!」
「なんだアレ!?」
敵軍の本陣から、肉色のマントをまとった男が現れた!
「私は、ファルティア帝国皇帝ファルティア!
貴殿の名は!?」
「我が名は、バロメッツ王国国王マトン・バロメッツ!」
「・・・・・・」
マント・・・
羊肉・・・
「なんだそれは!?」
ファルティアは、ツッコんだ!
「「「にゃーははは!」」」
ミケランジェロ一族の女魔導士たちが、ウケてバカ笑いを始めた・・・
「くくく・・・
このマントをつけて来た甲斐があるというもの・・・!
さあ・・・
ファルティア皇帝よ!
勝負だ!
勝てば、貴国は一大産業を手にできるぞ!」




