第51話 神殺し
「全く・・・
あの人も、節操ないにゃ。」
ファクトリアの設計で作られた「遠隔人形」に意識を飛ばして、リケが言う。
「やむを得ないでしょう。
「神」が見ないとわからないものもある。」
と、ファルティア。
「これは・・・」
リケが、神殿の奥で、翼の生えた神像を発見した。
「なるほど・・・
この星の民は、神様の言うことを聞かずに争い、しまいには、その神様がウザくなって、「神殺し」をしたみたいにゃ。
殿下が倒した、機械竜は神殺したちの「怨念」みたいにゃ。」
ぎろりと、天竜王を見る。
「あんたら・・・
どうやら、隠してるあいだに、自分らさえも忘れたにゃ?
本来なら、こういう歴史は伝えるべきものにゃ。
都合が悪いから、子孫に隠して、次の代で「攻撃」されて敵の怨みも分からずに、全滅・・・
あるあるにゃ・・・」
しみじみ語る、リケ。
「うーん・・・
ぐうの音も出ないにゃ。」
ミハイルが、天竜王たちを見て呟いた。
「・・・・・・」
何も言えない、「三教皇」。
「協力するから、神様探すにゃ!」
ドスの効いた声で、リケが言った。
「ふむ・・・
人形に意識を移しているとはいえ、リケ様の本気の迫力は、違うな。」
ファルティアは、呟いた。
ナキ:きたにゃ!
われらのリケ神様にゃ!




