第48話 綺麗ごとを言う皇帝に僕はなる!
「すごいですねえ・・・
税収の上昇・・・
失業者が、70%駆逐された計算です・・・」
ファルティアの執務室で、セリナが報告書を見て言った。
「バカ言っちゃいけない。
僕が、皇帝になったからにはスラムなんぞ許さん!
働けるのに、無収入で餓死することは何人たりとも許さん!」
ファルティアは、眼光も鋭く言い放つ。
「でも・・・
陛下が来るまでは、これくらいの領土でもこの記録は・・・」
「これで満足してはいけませんよ、セリナ卿。
もともと、祖国・キティルハルムの学校教育は、「失業者を潰す」ことを目的として始まりました。」
ティカが説明する。
「えッ!?
そうなんですか?」
「そう。
かつて、歪んだ科学が文明を滅ぼした直後・・・
一族の初代は、その宗主国からあらゆる書物を持ち出した。
やがて、焼け出された人々と共に、自らの子供たちと共に学問と仕事を学ばせ・・・
誰もが「仕事」ができるようにした。」
「綺麗ごとのようですが・・・」
「綺麗ごとおおいに結構!」
セリナの言葉に、ファルティアはふっと笑う。
「おばあ様は言われた。
「綺麗ごとを言い続ける女王であり続ける。」と。
言うヤツがいなくなったら、その民族は滅ぶしかない。
ウチの母様も、「綺麗ごとを言う女王」となると言っている。
負けられん!
僕も、「綺麗ごとを言い続ける皇帝」になってやる!」
ファルティア:やってやる!




