第45話 ティカ・シティ
さて・・・
ファルティア皇帝領とアルティリア領の境に、ティカとエルナが主導して建設した街がある。
「ティカ・シティ」と呼ばれている。
「あの塔も、高くなりました。
惑星ミリアリアや、惑星リシテアールもぐっと近づいたんですね。」
すっかり、グレーの「評議員服」が板についたエルナがティカに言った。
「落成と同時に、「新型強襲揚陸艦」を一隻建造しようって、ファルティア様が言っておられます。」
ティカが、にっこりと笑った。
「えッ!?
軍備拡張で、ですか?」
ティカは、首を横に振る。
「実はですね・・・
旧移民船や護衛艦隊は本来「全て」、軌道エレベーター上に配備して、「交易」「防衛」「連絡」に使用する予定でした。
だだ、国民の方々の要望が高く、「ファルティア」を帝都に残すことにしました。
ただ、そうなると・・・
ファルティア様が、宇宙での戦や星の移動に使う「足」がなくなってしまいます。」
「そこで、「旗艦」をつくることに・・・」
しかし、ティカは、表情を曇らせる・・・
「設計者が、「本国」でもっとも「ぶっ飛んだ」総合導師なんです・・・」
「それって・・・」
「そう・・・
あの「鉄の馬」をつくった「総合導師」です・・・
キティルハルム科学長官を務めておられます・・・」
二人して、ため息をついた。
ようやく、宇宙と往復できそうになってきました。




