第43話 信用と信仰
「無論、祖国や兄の国にも「神」はいます。
「信用」できる神ですよ。」
ファルティアは、右手を執務室の壁に向けた。
少女のような姿の鎧をまとった女神と、書物を手にした女神が映し出された。
「なにより、彼女たちは人間に対して教育を主な活動としています。
無礼者には、「罰」を与えることもありますが・・・
苛烈な神罰はしません。」
天竜王は、ファルティアの発言に少し驚いていた。
「「信用」・・・
ですか・・・」
「ええ。
特に、神をめぐっての争いの原因は、「顕現」しないことです。
平和神は、そう考え、「人間」と「同じ目線」で行動しています。」
言うと、ファルティアは、情報板を取り出す。
「ご所望の「地球の歴史」の資料が祖母から届いたようです。」
「もう!?」
天竜王は、驚いている。
「なんという技術だ!」
「ただ、膨大なので、まとめるのに時間がかかったようです。
「写本」がまだなので、文章の羅列になってしまっていますが。」
『こんな相手を敵に回そうとしていたのか!
この皇帝の口振りだと、さらに上位の神すら知っていそうだ・・・』
途方もない話だ。
「かつて、宇宙で光の神々と闇の神々が戦争をしました。
我が母星の者たちは、光の神々の陣営にいた人々と接触して「交流」していますよ。」
ファルティアは、すっと目を細めた。
「猫」さながらに・・・
似て非なるものなのです。




