第42話 悪霊の正体
「では・・・
あの「神」は・・・
本当に、発展を止めていたというのですか!」
帝都ファルティアの、帝立図書館にて、天竜王が愕然としていた。
「そうです。
幸いながら、我が祖国は逆に宗教界を停滞させることで発展しました。
祖母である、キティルハルム女王ミリアムの試算によると・・・
場合によると、融和が不能であれば、千年の科学技術の停滞があるようです。」
ファルティアは、真顔で言った。
「リシテアールという惑星は・・・
そう、何度も戦争があったのですかな・・・?」
「ええ。
かつて、世のため人のために研究をしていた科学導師や、錬金術師がいました。
成果をあげたころ、実績を疑われて怒り狂った彼らは、反逆を起こし、世界を破壊・・・
自分たちは、「魔族」と成り果てました。
それ以来、人は・・・
「失敗を繰り返さぬため、技術に手を出さぬ者」と・・・
「それを抑止し、前に進もうとする者」とに分かれました・・・
私は・・・」
ファルティアは、瞳に眼光を湛えて言う・・・
「後者の者の末裔です。」
ただ・・・
と、続ける。
「失敗も多くはしない方がよいのでしょう・・・
それにより、失敗を恐れて・・・
というより・・・
「それ自体」を忌み嫌って、避ける人が多くなるようですから・・・」
願わくば、良き方向へ・・・




