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第39話 いない神のために、発展を止めるとはいかがなものか
「な・・・
なんだこの「圧」は!」
獣王は、目を剥いた。
人獅子の獣人である彼には、よくわかった。
「この私、ファルティア帝国皇帝ファルティアが申しあげる!
科学技術の研究に対する、「禁」を解いていただこう!」
凄まじい神波動だ。
「私が、この惑星で見た科学技術は、宇宙へ出るどころか、生活水準を多少上げる程度に過ぎん!
これでは、いずれ「神」が「進歩を止めた」と言われかねん!」
そのファルティアの神波動の色が、変わっていく・・・
銀色に変色したその神波動は、混沌神波動・・・
「お・・・
おお・・・
あなたは・・・
「神」!?
ま・・・まさか・・・」
天竜王が、声をあげた。
「違う。
私の故郷には、「神」が何度か降り立った。
人の中から、「神」も生まれた・・・
姿を現さぬ神を・・・
記録にすら記されない神を信じてどうする!
かつて、宇宙の一強に納まった民がいた惑星があった!
そこは、そのせいで一旦、歩みを止めた!
見過ごすわけにはいかぬ!」
その姿は、翼を持った人猫!
「猫神」である・・・
「さあ・・・
あなたがたの「神」を見せていただこう!」
天竜王:なんだこいつは!




