第36話 ショータの二番目の弟子・・・
「ほほお・・・」
その少年は、狼の尻尾をぶんぶんと振って、ショータの話を聞いている。
エルナとマラミュートの弟、ハスキーだ。
「では、「大公殿下」の国では、このようなことばかりやって、皆さまを困らせていると・・・」
二ッと笑う。
「ひ・・・
人聞きの悪いこと言うなって!
ただ、いろいろと便利だということで・・・」
「わかりました。」
ニヤリと笑う、ハスキー。
彼は、「帝国時代」より前は、王子の身分にかかわらず、ハンターをやっていたとか。
やがてギルドを形成し、「ボス」となっており、下の姉のマラミュートにギルドごと「帝国評議会ギルドマスター」に推薦されたのだ。
「ってね。
まるっきり、「盗賊団」が、盗賊稼業から足を洗う代わりに警官に任命された感じですよ・・・」
「いいんじゃねえの?
少なくとも、帝国の政治に口が出せる立場だ。」
ショータが言った。
「ま、これでお前さんは「冒険者ギルドマスター」だ。
これでオレは、国元に帰れるってもんだ。」
「そして、嫁さんに絞られると・・・」
「うぐッ!」
「陛下にも同情するなあ・・・」
「なんでだ?」
すいっと、ショータを見るハスキー。
「なんだか、師匠を見るようで・・・」
「何だソレ・・・」
「誰もが、宰相閣下のようにはいかんのです・・・」
それを聞き、ショータは一刻も早く帰りたいと思った・・・
狼系は、「犬」の名前を基本にしています。




