第33話 月夜の姫
「お・・・
おいしいですう・・・」
小柄な、巫女服姿の狐娘が、「ビビリマンチョコ」を何袋も食べていた。
「こ・・・
これ!
アヤナギ!」
すでに、ファルティアは彼女の情報を掴んでいた。
月夜国王女アヤナギ・・・
彼女は、帝国産のお菓子にがっついている。
「だ・・・
だめですぅ~・・・
こんなおいしいものを大量に、安くつくってしまえる国と戦争したら敗けます~・・・」
悲壮な声をあげつつ、尻尾をぶんぶんと振っている。
「彼女が、お姫様ですか。
稲荷の幼女の神様を思い出しますね・・・」
スケコマースがつぶやいた。
そんなときだった・・・
「月夜国は、ファルティア帝国に降伏します!
こんな物資が贅沢にあって、目上の人とタメ口で話せる国なんて他にありません!」
アヤナギが、サザナミより前に「宣言」してしまった!
『このファルティアという皇帝・・・
本当に、名君なのかただのハーレムつくっているだけのスケコマシなのか見てやります・・・』
しかし彼女は、後悔することとなる・・・
なぜなら、「豊かな生活」を得る代わりに今までと変わらない国民と違い「政治家」としての仕事につかざるを得なくなるからである・・・
登場する「お菓子」・・・
有名な「アレ」からです!




