第29話 考古長官マラミュート
「へ・・・
陛下・・・!
姉上!
私が、畏れ多くも「評議員」・・・
それも、「考古長官」ですか!?」
突然呼び出されたマラミュートは、仰天した。
「君は、ウチの兄のところの「ショータ・ミケランジェロ」についていけた逸材だ。
報告書も、丁寧に書かれている。」
ファルティアは、太鼓判を押す。
「し・・・
しかし・・・」
不意に、ファルティアは、一枚の書類を見せた。
「あれ?
私と同じ内容・・・
でも・・・」
字が汚い。
それはいい。
しかし・・・
「なんですかコレ・・・
あの方が、いつも話されていた内容そのままじゃないですか・・・」
「な。
ひどいだろ?
あいつ、人の面倒や荒事は得意なんだが、面倒ごとを起こしては、恩師に「半殺し」にされたり、姉君に引きずられて帰ったりしている。」
「ま・・・
まさか・・・
あの方が今回来られたのも・・・」
「あ~・・・
うん・・・
「大公お抱え絵師」が、惑星の女神の肖像画を描いているときに、ドジを踏んで台無しにし・・・
挙句、彼女の神官たちにこっぴどく叱られて半分「島流し」というのが真相らしい・・・」
「は・・・
はは・・・」
散々な評価だ。
「とにかくあんたは、「試練」に勝ったにゃ!」
ミハイルに言われても、微妙なだけだ。
「また、すばらしい女性が評議員に加わりました・・・」
スケコマースが、メガネをくいっと上げる。
「種族が違うので、大丈夫かとも思いますが・・・
この宰相には、お気をつけを。
少なくとも、人間族やエルフ族の女性には、目をつけていますから。」
ティカが、スケコマースの足を思いっきり踏みつけた。
ファルティア:これでようやく、調査を進められる・・・




