第28話 上には上がいる!
「このオレが、「石頭」だと!?
バカ言うな。」
各州の中級貴族や上級市民出身の「冒険者」や、新人の考古学者を指導しつつ、ショータは、マラミュートに言う。
「えッ!?
どなたですか?」
マラミュートには、疑問だった。
事実彼女は、アホすぎるショータの頭を力いっぱい殴りつけ拳を骨折・・・
果ては、自身に回復魔法をかける羽目になったくらいだ。
「それは・・・
キティルハルム王国の「商工ギルドマスター」・・・
ナキ・ミケランジェロ閣下だ。」
「あの、めちゃくちゃな「戦歴」を持つ女傑ですか!?」
本人が聞いたら、まずブチ切れるツッコミを入れるマラミュート。
「着ぐるみパジャマを着て、バットをぶん回して戦い・・・
更には、超合金の武器やホウキをその頭蓋骨で「破壊」した。」
それを聞いていた、ドワーフ女性の考古学者が、小声でツッコむ。
「・・・できねーよ・・・」
それが常識であるが・・・
「ちなみに・・・
「着ぐるみ」って、何ですか?」
興味があったので、聞く。
「ん?
「ペンギン」。」
「へ?」
「それで、飛行魔法で「飛ぶ」んだよ。」
なんだそれは。
「「空飛ぶペンギン」!?」
「そう。」
「これで、バットで相手を殴ったりしてみろ・・・」
ペンギンが、バットで殴ってくる・・・
「怖いですね・・・」
そのときだった・・・
「ショータ閣下!」
人兎の冒険者が、声をかけてきた。
「なんだ?」
「惑星ミリアリアから、通達です!」
「なんだろうか・・・」
「姉上からの、通達です!
キティルハルム本国からご婚約者が到着されたため、至急惑星ミリアリアに帰還せよとの由にございます!」
「それって・・・」
ショータの顔が、真っ青になる。
「姉ちゃんの「私信」だよね?」
「いいえ。
大公ライティア殿下の正式な「帰還命令」も、セットでございます。」
ショータ:げッ!
彼女が!?




