第25話 百聞は一見に如かず
「うわお・・・
皇帝陛下が、「おばあ様」って呼んでたから、「ババア」かと思った!」
リーナが、のけぞる。
「失礼な。
おっさん臭いことを言っては、「オバンって呼んで。」って言ってますよ。」
尻尾のリボンを結びなおし、耳の毛を整えるミリアム。
「まあ、「中年」であることは認めますが。」
それにしても若い。
「まあ、野生の獣じゃあるまいし・・・
あなたたちの惑星でも、獣人族や人間族の寿命は伸びていくでしょう。」
それを聞き・・・
「どういうことですか、ミリアム陛下?」
エルナが尋ねた。
「いいですか?
「人間」の安定した生活には、充分な「食事」、
清潔な「衣類」、
安定した「住居」・・・
この三つが必要です。
あなた方は、種族ごとに偏っていたり、行き届かなかったりしていました。
それが、今はどうでしょう。」
皆は、はっとする。
「「それ」を求めて争うのは、愚の骨頂。
分け合い、「育てる」のです。
あなたたちは、「敗けた」と思っているでしょう。
しかし・・・
「地球」と「リシテアール」には、「相互に分け合う」・・・
「win・win」という言葉があります。」
「そういえば、ファルティア陛下は併合地に教育とインフラ整備を・・・」
「ウチは、小学生が変な小説を書いてる・・・」
次々に言う「側室」たち。
「そうそう・・・
おばあ様は、「リシテアール」でも「最強」の賢者・・・
「三賢人」に数えられているんだ。」
「側室」たちが、「えッ!?」という表情をする。
「では、私は帰りますか。」
ミリアムは、杖を掲げた。
「これなるは、「悠久の図書館」。
この子がもっているものの、オリジナルです。」
扉が開き、ミリアムはその向こうに消えた。
「あと二人って・・・
誰だろう・・・」
リーナが、つぶやいた。
ファルティア:あの三人には、勝てない・・・




