第23話 深淵の図書館
ファルティアは、ティカと側室たちを連れて、帝立図書館の最深部の扉の前に立った。
「この扉は、なんですの?」
エルナが、ファルティアはに尋ねた。
「この向こうは、宇宙のあらゆる知識が記された「知識の宝庫」。
現在は、キティルハルム女王と惑星ミリアリア大公・・・
ファルティア皇帝しか入ることを許されない、神聖な空間だ。
ここは、深淵の図書館の扉・・・」
言うと、ファルティアは、もう一つの図書館を振る。
「深淵なる、宇宙の書庫よ!
神々の知識をおさめたる図書館よ!
我、図書館の番人の子なり!
その扉を開け!」
ゴゴオオオオオオオオオオオオオン・・・
重い音を立てて、扉は開く・・・
「すごいですわ・・・
この杖・・・!
もしかして、この扉の鍵を兼ねていますの!?」
見かけによらず、機械が皇帝領の次に発展している、ラビテリア総督のドリスは目を輝かせ、長い耳をぴんと立てている。
「そう。
だから、我が一族は「図書館の番人」と呼ばれる。」
そうして一行は、扉をくぐる。
ずらりと並ぶ、無限の本棚・・・
向かいにテーブルがあり、ローブを着た青年がいた。
脇にある机に、本を開いて帳面型個人端末に、「写本」している黒猫の女性がいた。
「まったく・・・
まだまだ、知識は足りないわ・・・」
その両手は、せわしくキーボードを叩いている。
「ホントに、この人は根を詰めるよね・・・」
青年は、お茶を飲んだ。
湯飲みに、「邪馬台国・江戸前寿司」と書かれている。
「お久しゅうございます。
混沌神族・司書神カイロス。」
「やあ!
久しぶり!
まいどながら、君のおばあ様は勤勉だよね。」
司書神は、ニッと笑った。
ファルティア:おばあ様だ!




