第21話 強襲揚陸艦ファルティアを見上げて・・・
「ふう・・・」
もともと荒れ地だった、旧ファルティア領・・・
ここは、ファルティアたちが入植して以来、彼らは努力して開拓していった。
ときに、彼自身が鍬を振るったり、岩を砕いたり、ガンダール・ファルティアに乗って工事をしたこともよくあった。
「望んだ形ではないが・・・
ようやく軌道にのったか・・・」
強襲揚陸艦ファルティアを見上げて、ファルティアは感慨にふけった。
冷暖房が効いていて、広く快適だが、無駄なものはない部屋・・・
屋根を開け放ち、ガラスルーフにしてこのように夜空を見上げることも可能だ。
だが、旧国王・・・
現領主たちが、この「私室」を見たときは、「質素だ。」と、異口同音に言ったものだった。
「でも、技術的には「建国前」のこの惑星では「お金」がかかっていますでしょう?」
ティカが、尻尾を立てしなでかかる。
「奇しくも、惑星ミリアリアの「始まりの地」であるパスキールパレスのようになってしまったな。」
現在、ファルティアが、この艦を始めとする「船団」を衛星軌道上に上げられないのには訳がある。
この艦を始めとする、「船団」の補助動力システムを、国内に電力として供給しているのだ。
太陽光発電で、供給している。
軌道エレベーターが完成すれば、「用済み」となり、「衛星軌道防衛」の回せる。
「でも・・・
「側室」を始めとする「重臣」の方々は、「国民の意見」として「あれ」だけは「帝都」に残していただきたいと。」
「そうか・・・」
こんなウラがありました。




