第20話 軌道エレベーター構想
ある、アルティア州の一般家屋の朝・・・
「本日は、皇帝陛下ファルティア様より、発表がありましたにゃ。
惑星の赤道付近が、帝国領になったため、「軌道エレベーター」の建設が可能になったとのことですにゃ。
なお、これによるメリットは、
「宇宙へ出るための魔法力・動力を削減」、
「公害の削減」などですにゃ。」
子供を学校へ、亭主を職場に送り出すべく、朝の家事に追われる人兎の主婦は、大忙しだった。
「いきなり、「宇宙時代」だもんねえ・・・」
つけっぱなしのテレビから流れるニュースに、感心する。
「ママ・・・
ウチの帝国は、宗主国の「キティルハルム」と「宇宙」で隔たれているんだよ・・・」
技官を目指して、義務教育を受ける長男が、「遅れてるな・・・」と言わんばかりに言う。
「ま・・・
あたしら庶民は、全体的に給料が上がって、税金が安くなればいいのよ・・・」
アルティアは、旧王国時代より、全体的な所得が上がり、「税収の増加」があり、なおかつ「相対的に」税金が下がっている。
「そういえばな・・・
陛下も、ウチの職場に来て、「税収を上げるには、国民の所得を上げる必要がある。」って言ってたな。
昔、ある星で豊作になったはいいが、値崩れしてしまい、貧困にあえぐ庶民の前で穀物を処分していたことがあったとか。」
亭主が、パンをかじりながら言った。
「惑星リシテアールの、キティルハルムで商工ギルドマスター・ナキ・ミケランジェロ閣下の頭蓋骨をぶっ叩いた、女王陛下ミリアム様の「ヒヒイロカネ製」のフィストガードが砕けたとの情報が入ったにゃ・・・
あのお方・・・
もはや、「超合金」を越えたにゃ・・・」
かなりアホな速報をやっている。
「庶民地味たこと言ってるけど・・・
近いうちに、庶民が行けるようになるよ。」
そういうと、子供たちは、荷物をまとめる。
「「いってきまーす!」」
明らかに時代が、2世紀くらいは進んだのだった・・・
ウサギのおかん:はあ・・・
石頭の人もいるもんだねえ・・・




