第15話 丸洗い!
「放水!」
ファルティアの号令で、一斉放水が始まった。
物理・魔法の両面からの放水である。
「ば・・・
バカな!
こんなものが、攻撃だと!?」
自らもびしょ濡れになりながらも、テンプラーは叫ぶ。
「火事は、消し止めるのみ!
汚れは、洗うのみだ!」
テンプラーは、さんざんである。
「この猫男が!
倒してモフってくれる!」
剣を抜いて、斬りかかるテンプラーを、ファルティアはもう一つの図書館を大地に突きつけ、身体をひねって躱し、横っ腹に蹴りを入れる。
「ぐはッ!」
そのまま、尻尾で剣をはたきおとす。
「くそッ!
格闘まで「猫」か!?」
「いかにも。
お望みならば、あなたの顔を爪とぎ器にしてもよろしいが?
もっとも、爪はないが。」
にたりと笑う。
そのときだった。
ミハイルが、全速力で走ってきたのは!
「大変にゃ!
ミリアリア大公ライティア殿下と、キティルハルム女王ミリアム陛下が「ここ」におこしにゃ!」
「何ッ!?」
ファルティアの表情が、真っ青になった。
「お・・・
おばあ様が・・・!?」
とたんに震えだすファルティア。
「な・・・
なんだというのだ!」
テンプラーが、いぶかしげな表情を浮かべた。
「く・・・
くる・・・
きっとくる・・・」
まるで、悪霊に襲われることを悟ったかのようだ・・・
ファルテイア:わーッ!
き・・・
きっとくる!




