第12話 兄弟げんか
「このぬるま湯政治家!」
ファルティアが怒鳴る。
「調子に乗るなこの唐変木!」
モニター画面で、兄である惑星ミリアリア大公ライティアが怒鳴る。
「だいたいな・・・
普通の戦略で、事を収められなかったのかこの愚弟が!
よりによって、宇宙兵器なんぞ持ち出して!」
「兄さまは、何もないところを開拓しているだけだから苦労はないんですよ!
こっちは、水と野生動物しかいない荒れ地を開拓し、ようやく軌道に乗ったところを「侵略」さえかかったんですから!」
その「兄弟げんか」を、スケコマースはじっと見ていた。
「あの・・・
ライティア殿下・・・?
もしかして、ご妻女がお一人なのをひがんでおられる?」
「あなたと一緒にするな!
このスケコマシが!」
ライティアは、カンカンに怒っている。
それこそ、頭にヤカンを乗せたら、湯が沸くどころか、水分がなくなりそうだ。
「でもですね・・・」
さらりとかわす、スケコマース。
「相手に遠隔魔法攻撃を食らいそうになったんですよ。
「国」ごとね。
ならば、「盾」をぶつけるしかないでしょ?
まあ、ファルティア殿下がアホやったのは間違いありませんが。」
「まあいい。
こちらに、ファクトリア閣下がこられている。
多少なりとも遺跡群の解析が進んでいる。
リシテアールに帰還する際、データの控えを下さるようなので、その複製を転送しておく。
どうもその惑星は、惑星ミリアリアの文明圏に入っていたようだ。」
ファルティアは、目を見開く。
「まさか・・・
かつては、リシテアールの「高霊族」の文明や「エルフ文明」があったように!?」
「さあな。
もしかすると、神々の宇宙戦争の頃より一段低い程度だと、結論は出ている。」
言うと、ライティアは、通信を切った。
「スケコマース宰相・・・
礼は言いたくないが、助かった。」
「うーむ・・・
ライティア殿下は、ひがんでおられますね・・・」
「いや・・・
絶対に違う・・・
あなたと「同列」に見られていた・・・」
落ち込むファルティアだった・・・
「猫耳王女」のライティア大公、登場です。




