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第40話 透明腕輪の使い方


"こっちの方も警察やダンジョン防衛隊やダンジョン協会やらにいろいろと話は聞かれたな。どちらにしろあの立てこもり犯たちがヒゲダルマや2人のことについては話しちゃったから、3人が助けてくれたことは話したぞ。もちろんヒゲダルマのチャンネルのことは話していないからな! @たんたんタヌキの金"


「ああ、それについては大丈夫だから気にしなくていい。ちゃんとヒゲは剃っていたし、このチャンネルの俺とは分からないだろうからな」


 理想を言えば、透明腕輪を使用したまま立てこもり犯たちをこっそり全員拘束して、そのまま立ち去りたいところだったが、こればかりは仕方がない。


「今のところは特にダンジョン協会から何も連絡がないですね」


「うん、勝手に立てこもり犯のいる現場に入っちゃったけれど、結果的には全部うまくいったし、何も罰がなければいいんだけどなあ……」


「さすがに昨日のことだし、まだいろいろと決めかねているんだろうな。少なくとも警告は必ず来るだろう。あと透明腕輪について提出しろと言われたら、2人を通して渡すからその時はよろしく頼む」


「はい、分かりました」


"そういえば、あの透明腕輪ってマジックアイテムはヤバすぎるだろ! ダンジョンだとあんなマジックアイテムまで出てくるんだな。 @ルートビア"

"まあ、使用禁止マジックアイテムになることは間違いないだろうな。あれは悪用しようと思えばいくらでもできる。 @†通りすがりのキャンパー†"

"そうそう、女湯に侵入したり、女子更衣室に侵入したり、女子校に侵入したりといくらでも悪用できるもんな。 @たんたんタヌキの金"

"だから自称JD、ちょっとは自重しろw でも、透明になれたら女湯に入るのは男の浪漫(ロマン)として分かる! @ケチャラー"

"それな! こればかりは犯罪と分かっていても、女湯に入りたいと思うのが男ってもんだ! @月面騎士"

"これだから男って…… @WAKABA"


「みんな、犯罪は駄目だよ!」


 瑠奈が窘めるが、他のリスナーさんの言うことも分からなくはない。


 俺もダンジョンへ引きこもる前にこんなマジックアイテムを手に入れていたら、女湯に侵入していた可能性もゼロではないからな。


 透明人間というものはどうしても男心をくすぐるのである。


"そういえば、男なら女湯に入ろうと思うのは当然だとして、女の方は透明腕輪をどう使うんだろうな? @†通りすがりのキャンパー†"


「キャンパーさんも当然なんですね……」


 華奈が少し呆れたように言うが、こればかりは男としてしょうがない。


"確かにそれは気になるな。さあ、赤裸々にすべてを正直に話すんだ! @たんたんタヌキの金"

"おい、セクハラ親父w でもちょっと気にはなるな。男湯に入りたいとは思わないだろうし。 @ケチャラー"

"う~ん、犯罪もありだったら、やっぱりお金とかを盗っちゃうのかなあ。もちろん悪徳金融とかからだよ〜 @WAKABA"


「……ええ~と、私だったらこっそり好きな人について行ったり、好きな人の部屋に入ってみたいかもしれませんね。も、もちろん実際にはしませんけれど!」


 WAKABAさんはお金か。これは男でも女湯の次に考えることだろうな。お金を盗るとしたら悪人からという気持ちも分かる。


 華奈は好きな人のことを知りたいということか。どちらかというと芸能人とかの私生活を知りたいとかそういうことなのかもしれない。


「僕は普通の人だったら入れないところに入ってみたいかも。国会とかダンジョン協会とかすっごい秘密がありそうだし!」


 なるほど、瑠奈の言うことも確かに誰しもがやってみたいことのひとつだ。


「あと……ちょっと恥ずかしいけれど、全裸になって街を歩いてみたいかも」


"キタキタキター!! @ケチャラー"

"みなぎってキタ―! @月面騎士"

"あれだよね、そのまま街のど真ん中で腕輪の効果が切れてどうしようってなるやつ! @ルートビア"

"うむ、漫画などでも定番だが、それが女性というだけで意味が全然違ってくるな! @†通りすがりのキャンパー†"


 瑠奈のとんでも発言にリスナーさんたちが盛り上がる。まあ、男女関係なく、そうしたい人は一定数いるのかもしれない。さすがに俺にその発想はなかったけれど。


「まあ、いろいろと悪用できるだろうし、禁止マジックアイテムになることは間違いないだろうな。だけどまだ禁止される前だから、この件で逮捕されるということはないはずだ」


 現在のところ、この透明腕輪は使用禁止マジックアイテムのリストには含まれていない。このダンジョンのかなり深い階層の宝箱から出てくるマジックアイテムだし、まだ発見されていないのかもしれない。


 ダンジョン協会から禁止されたら、この透明腕輪は素直に引き渡すとしよう。俺もダンジョンに家を造って住んでいたりと非常識なことをしている自覚はあるが、法律に違反したくはないからな。


「う〜ん、どうなるのかなあ……」


「もしかしたら警察やダンジョン防衛隊の公務執行妨害にあたるかもしれませんね……」


 確かにそれはありえるかもしれない。


 立てこもり犯のリーダーは全身に大火傷を負ったらしいが、俺や瑠奈を殺す気で攻撃してきた以上、正当防衛が認められるし、それについては大丈夫なはずだ。


 結局この2人も巻き込んでしまったし、こればかりは向こうがどう判断するかだな。警告ですめばいいんだが……


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