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凪る嵐に光明を  作者: 雪風風兎
ヒロイン爆誕編 第参幕 妖術の魔法使い
33/47

30 降臨!? 妖術の魔法使い




 大広間は、閻魔宮殿にあるだだぴろい部屋だ。この空間だけでバスケやバレー・卓球といくつかのスポーツが余裕でできるらしい。あと、パーティー会場とかにも使われるとか。

 

 俺は、そんなだだ広い部屋にいる一人の愛しい少女、凪の元へと寄る。


「え? なんでらんがここに?」


 何故か分からないけど俺が地獄ここにいることに少し動揺してるようだ。


「そりゃ、お前と一緒に地獄こちらの世界に飛ばされたんだからな」


 まぁ、隠すこともないので正直に言う。そして、制服のポケットにしまっておいた鮮やかな紅色を纏う地獄桜の髪飾りを付けてやる。


 そういえば、今思い出したが、凪は前にも妖の世界に迷い込んでたよなぁ。 あの時は確か中二の夏休みだったけ? 仕事で滅多に開かない妖の森が開いたとかで行った森の中……。


 そんな過去のことを思い出していたからなのだろうか、口元が緩みちょっとニヤニヤしてしまう。


「なんだ? お前ら、もしかして?」

と烏と鬼のハーフである飛沫が会話に割り込んでくる。


 飛沫、青空の兄であるあまさんと契約しており、俺が中学に上がる頃に亡き母の跡を継ぐような形で処女宮へと昇格していった。


 そんな飛沫のあとから俺たちを茶化すように双児宮である双華と双葉が絡んでくる。


「どぅえきてる〜♪」「どうきてる〜♪」


 某魔法アニメにでてくる青いネコを連想させるような巻き舌でからかってきた。

 双葉にかんしては巻き舌できてないし!


「愛のバランス、なんて美しい」


とさらに凛蓏まで介入してくるしまつ。

 

 どうしてこのひとたちは首を突っ込んでくるのだろうか。確か師匠である隼花はやかさんと意見の食い違いで喧嘩した時も、この四名が絡んできたきたっけな。


 そんなこと考えていると、ツンツンと肩を突かれ、飛沫からチョコを渡された。

 これはありがたい。閻魔宮殿の中を歩いていたら小腹が空いてしまったから。


 ちょっと溶けかけていたチョコを口に放り込む。

 ちょっとドロっとしているけど美味しい。


「そういえば飛沫、わたしにはチョコをくれないのですか?」


 チョコ美味しい、と余韻に浸っているとおそらくチョコを貰っていない凛蓏が飛沫に尋ねていた。


「へ?」


 飛沫は凛蓏に疑問を飛ばす。

 「もうチョコはございませんよ」と読める気もするが。


 そんな中、凪がこちら側を向いて微笑ましく納得のいったような顔をした。


 まさかと思い口を拭いてみる。


 「恥ずかしい」そんな言葉が頭に浮かんできた。

 高二にもなって口にチョコを付けていたみたいだ。チョコが溶けかけていたからそれが要因であろう。


 はぁとチョコを口に付けてしまったことに小さくため息を吐いてしまう。


 俺の周囲では未だに賑やかしい。一方で、閻魔様がうずうずしている。自分がおもいっきし空気になっているせいだろう。


 そんな空気が、ある音と共に終わりを告げる。


 どこからかトュルルルルル トュルルルルルとなんかの曲が流れ始めた。

 「あ、俺だは」といって双華があの世のスマホ、霊魔れいまフォンを取り出す。


「もしもし、双華です。どうしたんですか? 大隊長」


 どうやら電話相手は双子座第一特効隊ふたござだいいちとっこうたいの大隊長を務める大犬おおいぬさんからのようだ。


「はい、はい、……了解です。今すぐこの部隊長自ら出撃します。それまで耐えていてください、では」


 双子座の双華、部下の前と友人の前とでは性格が一変するというギャップ持ちで知られていて、ショタコンのひとたちの心を盗んでいったという伝説が存在するらしい。

 こう改めて見るとほんとに差が凄いなぁ。


 絶対にこの状況に不慣れそうな凪をチラ見する。

 少し動揺している感じだ。やっぱり初見でこれは動揺するよな、俺も中学の時に同一人物か疑ったくらいだ。


「双葉、今すぐに針山地獄に向かうぞ」


 ピッと電話を切ったらあら不思議、元の小学生並みのテンションに元通り。


 てか針山地獄にって何かあったのか? まぁ、あったんだから行くんだろうけども。


「兄ちゃん何があったのぉ」


「話しは後、それじゃ閻魔様行ってきます!」


「うん、行ってらっしゃい、気をつけてくるんだよ」


 友達と遊びに行くような感覚で出口に向かう双児宮ふたりにたいして過保護感溢れる閻魔様の送りだしになんかほっとする。アットホームとかいうやつだろうか?


 そんなアットホームな空間をぶち壊すかのように、ある少女が扉を勢いよく開け現れる。


 勢いよく開いたドアにビックリしたのか凪が俺の袖を掴む、可愛い。

 胸がなんか熱くなっているがおそらく、いや絶対凪にドキドキしているからだろう。だって可愛いんだもん。

 他のひとたちはと言うとまたかという顔をして呆れていた。


 その容姿はというと赤のラインが入ったとんがり帽子に長い黒のロングコート・赤いシャツ、指に白い宝石の指輪が付けられていて目は紅い瞳、魔法少女と言えなくもない中学生。


 どこかで見たことも聞いたこともある気もするが、……そのうち名乗りそうな予感がするので考えるのはやめよう。


「我名は椿、冬に咲き誇る花の名を与えられた完全なる美しさ、妖術マギア魔法使ウィザードい!!」






椿「ちょっと、私の登場これだけですか?」


白「椿、ちゃんと見てみろ、章のタイトル」


椿「章タイトル。……ヒロイン爆誕編」


白「そう、爆誕編」


椿「だからなんですか!?」


白「この作品にてヒロインが爆誕するから、って理由らしいぞ」


椿「さっきからメタイ会話じゃないですか、白さん」


白「後書きコーナーだからな、……次回から新章突入、次回も楽しんでくれよ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 物語の雰囲気が良いですね。 なかなかない情景描写が見られて面白かったです。 各登場キャラも個性が立ち、生き生きとして見えます。 キャラ設定やここのやり取りからも、よく考えられていると思わ…
2020/10/16 23:50 退会済み
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