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ビターチョコとストロベリー  作者: 須谷
番外編
39/40

映子ちゃんと動物園に行った日

手抜きになっても仕方がない話でしたね。



 水族館に行った3か月後ぐらいあと、遊園地に行った2か月後…。私たちは動物園に行くことにしました。

 水族館に行って動物園に行かないのは少しさびしい気がしましたし、単純に動物園に行ってみたかったっていうのもありますが。まぁ映子ちゃんが動物好きなので、ほぼ行くことは決定していましたけどね。

 今日はこの前使った駅とはまた違う駅で集合です。私は家で確認した地図を思い出しながら、歩みをすすめました。

 

 無事駅に着きました。もちろん映子ちゃんよりも先です。

 ちなみに私は映子ちゃんに一緒に行こうと言ったのですが、映子ちゃんが家周辺を知りたいと言ったので別々にいくことになったのです。

 私がついてから数分後。習合時間ぎりぎりに映子ちゃんはやってきました。

「おはようございます、映子ちゃん。」

「おはよ…。待った?」

 待ったと聞かれて、待ったよという人なんていないと思うのですが。

「いえ、大丈夫です。行きましょうか。」

「うん。」

 私も映子ちゃんに出会うまでは、家から半径2メートルぐらいまでしか自信がなかったものですよ。


 電車に数分揺られたら、あっという間に動物園です。近いものですね。

 この年になった初めて、家周辺のことを知ろうと思ったわけですが、なんでもありますね。この辺って。

 駅から歩いてすぐの場所にある動物園。問題なくたどり着きました。

「ここですね。」

「おー、動物園だ!本物だ~。」

 皆様、覚えていらっしゃいますでしょうか。1年前ぐらいでしたかね。ショッピングモールでペットショップに長時間滞在していた映子ちゃんを…。

 ということは、動物園に来た私たちのいく末なんて目に見えていますよね。

 ぎりぎりまで帰れない!

 別に、動物を見ているのが嫌というわけではありませんが、好きというわけでもないので私にとっては微妙な空間なわけです。

 いいですよ、映子ちゃんの笑顔が見れるのなら。私は大満足ですから…。


 受付でチケットを買って、中に入ります。

 さっそくパンダがお出迎えです。この動物園のマスコット的存在のパンダ。 

 入り口付近に堂々とたたずんでいました。

「パンダだ~!!」

 挿絵(By みてみん)

 動物園のCMみたいですね…。さすが映子ちゃん。

 パンダは可愛いですが、笹をかじっているところ以外はあまり見たくないものです。キャラが崩壊するとでも言いましょうか…。

 映子ちゃんは、動物めがけてどんどん進んでいきます。

「可愛い…可愛いぞ…。」

 あ、カバとか可愛いですよね。クマ好きですよ。


 私のことを放って動物の方に行くかと思いきや、結構私のことを気にしている映子ちゃん。

「どう?」

 どうと聞かれても、カバが見たいです。

「可愛いですね。」

 ウソじゃないですよ?


 少し歩くとカバがいました。なんでカバが好きなのかなんて私にはわかりません。なんとなくです。

「カバ…可愛いです…。」

 私がぼやくと映子ちゃんが反応。

「だよな!可愛いよな~。」 

 映子ちゃんは動物なら基本何でも好きなような気がしますが気にしません。カバはプリティーですからね。誰が何と言おうと可愛いんです。

 

 最近の動物園はいろんな動物がいますね。行ったことがなかったので、知らなかったのですが鳥がいるとは思っていませんでした。

 それに、ここにはいませんが水族館要素があるところもあるようですし。

 今いる動物園で一番人気なのはなぜかキリンらしいです。

 パンダはどちらにいらっしゃるのでしょうか?

 映子ちゃん多分喜びますよ。


 鳥を見て、ナマケモノをみて、キリンのもとにたどり着きました。キリンに興味があるわけでもありませんが、一度生で見てみたいとは思っていたので少し楽しみです。

 出迎えてくれたのはもちろん模様のついた首の長い生物。これは…可愛いですね。本当に首が長いんですね…キリン。

 だんだん映子ちゃんの気持ちが分かってきた気がします。一度目覚めると、全部可愛く見えてくる!

「可愛いですね~キリン…。」

「ああ。こいつらすっげーいい顔してる…。」

 動物の表情分かるのですか?

「顔とかわかるんですか?」

「わかるよ。図鑑とか映像とかばっかりだけどずっと見てたからな~。息抜きは全部動物がらみで。」

 そうだったんですか。映子ちゃん、動物に救い?を求めていたのですね。

 私にとってのエコさん…好きなのもわかります。 

「素敵ですね。なんか。映子ちゃんと動物の関係って。」

「そうかな?いつか犬飼ってみたいんだよな~…。捨て犬とかを引き取りたい。」

 映子ちゃんに拾ってもらえるなら本望でしょう。

「いいじゃないですか。仕事が落ち着いたら是非。」

「そうだな。守っていかないとな、動物をさ。」

 映子ちゃんの話を聞いて、少し動物が好きになれた気がします。

 

 動物園って意外と話すことがないものですね。水族館みたいにショーとかないですし、動物を見る以外のエピソードがないのでね。

 動物を見て、映子ちゃんがうおーって言って、10分滞在、動く。の繰り返しです。

 中継しようがないじゃないですか!!!

 お昼もいつも通り同じものを食べて…。

 帰りはもちろん閉演時間ぎりぎりでした。係員の人に声を掛けられてしまったし…なんというか初めての経験でしたね。

  

 映子ちゃんといると初めてのことにチャレンジすることが多いです。

 これは私たち二人にとっていいことなのかもしれません。

 次はどこに行くんでしょうか。


次、高校卒業後の話です。

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