映子ちゃんの口調についての話を聞いた日
短いです。次に話繋がります。
今回は、前回宣言した通りちょっとした暴露話になりそうです。といっても大した暴露ではないんですけどね。
映子ちゃんは結構男っぽいしゃべり方をします。だぜとはいいませんけど、だろとかおめぇとかよく使ってらっしゃいます。そこら辺の男子よりよっぽど男っぽいって感じです。そういうのも好きですけど。
しかし、口調というものは環境に左右されるものです。だから映子ちゃんが男まがいの口調になったのも何か理由があるというわけです。(その何かがなければ今頃映子ちゃんは~だね!あはは~!とか言っているかもしれません。なんかそれすごい嫌です。)
私が敬語を使い続けるのにも理由がありますからね。この話はじきじきすることになるかもしれませんが、話したいとも思わないのでとりあえず放置で。
とにかく私は映子ちゃんの口調を少なからず気にしていたというわけです。
せっかく二年生になったということで、私と映子ちゃんはもっとなかよくなるためにということでお互いの知らなそうなことを発表することにしました。
あ、この企画言い出したの私じゃなくて映子ちゃんですから。勘違いしないでください。私が映子ちゃんのこと知りたさに下心で言い出したとかそんなことは一切ございません。
それで映子ちゃんは口調の話、私は自分の部屋に招待し自分コレクションの話をすることにしました。実は私の家に映子ちゃんを呼んだことは今までなかったので。
そして今回は、映子ちゃんの方をお話しする次第です。
土日で映子ちゃんのお仕事がない日、さっそく企画を実行することになりました。土日は仕事が少ないようです。
さっそく訪れた日に私はどきどきがとまりません。暴露大会ですからね。どきどきわくわくですよ!!
映子ちゃんのお家にお邪魔して、第一回を開催します。紅茶なんかを飲みながら優雅にいきたいと思います。
「さて。始めましょうか、映子ちゃん。私結構楽しみなんですよ?」
「そうだな。ごっほん。口調の話…これ誰にも言ったことないんだよな…。心して聞いてくれ。大した話じゃないけど。」
私はつばを飲み込んで、真剣な顔で映子ちゃんを見つめてみました。
見つめられた本人は、その瞬間赤面してしまいました。見られるだけで恥ずかしがる人が本当にモデルが務まるのでしょうか…?
「映子ちゃん?」
「そんなにじっとみるな!!!…まあ、いいや。えっとだな、あたしの話だな。あれは、小学生の時だ。近所にな、女みてぇな男がいた。」
ほう、それでそれで?
「そいつのしゃべり方がな、また女みたいでよわっちいんだ。そのうえ、あたしに手本をしろと言ってきた。それであたしが手本ってことでこんなしゃべり方をして、それがそのまま今まで続いてきてしまったってわけだ。」
「じゃあ、人のためにそのしゃべりかたになったと、そういうわけですね?」
意外でした。てっきり強くなりたいとかそういうやつかと。
映子ちゃんのやさしさは小学生以前からあったんですね。さすがです。
「そういうことだ。」
「それでその少年はどうなったんですか?」
映子ちゃんがこれ以上ないほどの複雑そうな顔をしました。少年に何かあったのでしょうか?
「あいつは…やくざの跡取り息子で…今、背高くて格好良くなっている。そして強い。」
あら、ヤクザさんでしたか。それはご立派じゃありませんか。応援しています、気弱だった少年さま。
「そうでしたか。良かったですねご立派になられて!!」
「引かないか?」
「まさか。私はどんな職業の方でも自分の道を貫かれるお方を尊敬していますよ。」
「そうか…。それならいいんだけど。」
映子ちゃんはほっとした顔をしました。確かに名前だけでひーひーいう人も世の中には少なくありませんからね。
「映子ちゃんの口調の理由も、すごい素敵で感激しました。」
笑顔になる映子ちゃん。結構暴露にも緊張していたみたいです。全然気にしなくてもいいのに。
「なぁ久瑠実。このまま久瑠実の家に行こう。迷惑じゃなければ。」
「構いませんが、結構な有様ですから覚悟なさってください。」
また後日に行われるはずだった第二回が、まさかの同じ日になってしまいました。
「さあ行こう。久瑠実の家にれっつご~!」
映子ちゃんがとても楽しそうなので、もう後戻りはできません。
今回はここまでです。すぐに続きをお話いたします。
まだまだ続きます。




