表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/152

エピローグ クズでもいいんだよ、好きなんだから

「どうしてこうなった……」


「えへへ、カズくんカズくん」


「やっぱり和真の近く、落ち着く……」


 強制的に風呂場に連行された俺は結局抵抗虚しく服を脱がされ、裸の幼馴染たちに囲まれていた。

 明らかにもうこれダメだろという気持ちしか湧いてこないが、それはそれとして幼馴染たちのなんとも幸せそうなその表情を見ていると、別にあそこまで抵抗をすることもなかったかなと思えてくるから不思議なもんだ。

 結局幼馴染たちからは逃げられないという事実を突き付けられたことによる現実逃避ではないと思う……多分。


「恐れてばかりいては駄目、か……」


 俺としては幼馴染との関係をあまり進めるつもりはまだなかった。

 他に貢いでくれる子がたくさんいた方が一生遊んで暮らせる確率が高まるし、なにより嫉妬とか束縛とかは面倒くさくて御免だ。

 そういった厄介ごととは距離を置き、好き勝手に勝ち組生活を謳歌するのが俺の目標であったわけだが……ずっと一緒にいて、俺に貢いでくれる幼馴染たちがこうして喜んでくれているというのなら、もっと早く距離を詰めることをしても良かったのかもしれない。


「なぁお前ら。俺に何かして欲しいことって、なんかあるか?」


「え……?」


「い、言ってもいいの?」


「あぁ。今はちょっと気分いいし、俺に出来ることならいいぞ。まぁ金がかかることは無理だけど」


 そのことに罪悪感を抱いたってわけでもないが、なんとなくそういうことをしてもいいかもなという気分になっていた。

 同時にごくりとつばを飲み込む音が聞こえた気がするが、あんま過激なことは考えてくれるなよ。

 お前たちはアイドルなんだから、一線を越えるようなことには断固としてノーを突き付けるからな。

 ……一緒に風呂に入ってる時点で手遅れだろとかは知らん。身体の関係とかにさえなってなきゃノーカンだろ、ノーカン。


「そ、そういうことなら……」


「わ、私、カズくんとキスしたい!」


 何かを言おうとしたアリサを遮るように大きな声を出す雪菜。

 バスルームなので当然音がデカく反響するため、ちょっと耳に痛いくらいだ。


「せ、雪菜! ズルいわよ! アタシが先に言おうとしたのに!」


「こういうのは早い者勝ちだよ! カズくんのファーストキスはずっと狙ってたんだから! アリサちゃんにだって譲らないよ!」


「それを言ったらアタシだってしたかったわよ! ただちょっと言い遅れただけなんだから、せめてじゃんけんで……」


 俺とのキスをどちらが先にするかで言い争っているが、すまん。

 俺はもう清い唇じゃないんだ。ファーストキスはもう奪われているので、その争奪戦は意味がない。

 勿論そのことを知られたら怖いので、口にすることは絶対しないが。


(しかし、この感じだと俺は雪菜とアリサと続けてキスをすることになるのか……)


 幼馴染とはいえ、女の子と立て続けにキスをする……あれ?


「やった、勝った! やっぱり私がカズくんのファーストキスを貰える運命なんだね!」


「うぅ、負けちゃった……セカンドかぁ。でもほぼ時間を置かずにするわけだから、実質ファーストキスと変わらない……変わらないわよね、うん」


「ふたりとも、ちょっといいか」


 どうやらじゃんけんをしていたらしいふたりに、俺は質問をするべく問いかける。


「どうしたのカズくん」


「俺ってこれからふたりとキスすることになるわけだろ?」


「そうよ……言っておくけど、今更嫌だなんて言わせないからね」


「いや、そのこと自体はいいんだけどさ」


 言うことは決めているのに少し言い淀んでしまうのは、俺のなかに後ろめたさがあるからだろうか。


「だったらなに?」


「えっと……それって、結構なクズ行為じゃね?」


 口に出して改めて思う。

 流石にそれは、倫理的にまずいのではないかと。


「…………へ?」


「アンタ、今更なに言ってんの……?」


「いや、ほぼ同時にってなると、ふたりも嫌なんじゃないかなーと。俺は確かに素晴らしくて最高な男ではあるんだが、ガチなクズ行為をやると考えるとそれでいいのかという抵抗がな……」


 養ってもらえる子は何人いてもいいし、積極的に作っていくべきだとは思っているが、やっぱりこういうのはひとりの時に向き合ってやるべきなんじゃないかという気持ちが俺の中にはある。


「頭を撫でるくらいだったら全然セーフだと思っていたが、キスとなるとなぁ。そこまでのクズにはなりたくないっつーか」


「ね、ねぇアリサちゃん。カズくんってこんなこと言う人だっけ?」


「ア、アタシだって知らないわよ。もしかして和真って、そこらへん微妙にズレてたの……?」


「普段普通にクズなことするから全然気付かなかったね……」


 なにやら話し合っている幼馴染たちだったが、やっぱりふたりいっぺんは嫌なんだろうな。


「んじゃやっぱ今回のキスはなかったことに……むぐっ!」


 場を改めようと立ち上がりかけたところで抱き着かれ、そしてそのまま俺は唇を奪われる。


「えへへ。カズくんとやっとキス出来たぁ……」


「終わったならすぐ代わりなさいよ。今なら実質ファーストキスなんだから……ん」


 雪菜とのキスが終わったと同時に、今度はアリサの顔が迫る。

 雪菜の時同様、身体と唇を押し付けられ、柔らかい感触が伝わってきた。


「ふぅ、ア、アタシも和真とファーストキス出来た。うふ、うふふふふ……」


「言っておくけどアリサちゃん。それってファーストキスじゃないよ。解釈強引すぎし、あくまでセカンドだからね」


「い、いいじゃない! アタシにとってはそうなんだから! こんな時に余計なこと言わないで!」


 キス自体は終わったが、こいつら相変わらずだな……。

 いつも通りのやり取りをする幼馴染たちになんとなく安心しつつ、俺は気になったことを聞いてみる。


「ふたりとも、良かったのか? 我ながら結構クズなことしちゃったと思うんだが……」


「そんなの今さらでしょ」


「前から言ってるよね。カズくんはクズでもいいって。どんなカズくんでも、カズくんには変わりないもん」


 言いながら、ふたりが俺に抱き着いてくる。


「キスもしたんだし、カズくんは私の運命の人なの! クズだろうとなんだろうと、絶対離さないからね!」


「クズとか関係ないわよ。アンタはアタシが付いていないと駄目なんだから、一生養うって決めてるの! だから和真も、ずっとアタシのそばにいなさい! いいわね!」


 そしていつも通りの養ってくれるという有難い言葉を、俺にくれるのだった。



 ♢♢♢


 というわけで、ここで4章終了です。

 おれたたエンドみたいになりましたが、5章の書き溜めしていますので書き終わりましたら投稿再開します。それまでしばしお待ちください。

 近いうちに色々いいご報告も出来るかも……。


 ちなみに5章は水着回の予定なのですが、よくある水着リゾートに行くお話にするか無人島遭難0円生活編にするかちょっとお悩み中だったり。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
今って4章やったんや タイトルずっと3章ってなってるから3章なんやと思ってたわ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ