-第二百三十話- 東国遊行
天正二十三年 初夏 対馬 伊藤景広
「……」
「……」
「……」
対馬は平地が無い、と言っても差し支えが無いほどに丘陵地のみで構成された島だ。
湾の入り口、小川の流域に僅かばかりの平地が存在する程度で、多くの民はなだらかな斜面を見つけ、そこに無理矢理住居を建てている。
平地には、住居よりも田畑を優先させている辺り、領民の食糧事情は芳しくないのであろうな。
対馬に比べれば、北上山地の海側、宮古や釜石、久慈といった辺りの地形の方がよっぽど平地が見て取れるぞ。
「……」
「……」
「……」
そのような島、対馬だが、どうにも領民の数というものがそこそこあるようなのだ。
俺は伊藤家の人間であって、大友家の一門でもなければ家臣でもないわけだから、この地の人別帖やら税の徴収帳などを見たことは無い。
だから、正確な人口や耕作地の面積、天然、人工含めた産物の有無などは知りようがない。
だが、対馬で一番栄えているという、この厳原湊周辺に係留されている船の数には結構なものがあった。あの数から考えると、数千人規模の水軍……まぁ、当家の水軍と同程度ではないが「海賊」と呼んでしまうのも忍びないからな……を運用しているように見える。
それだけの規模の戦闘部隊を保有することが出来るだけの物資と食料……、俺の眼では対馬で生産が出来るとは思えん。
そうなるとだ。つまりは外から持ってきているのだろうな。
しかもこの戦闘部隊は一時的なものではなく、船を維持し続けているということは、このやり方をどんなに少なく見積もっても数十年単位で続けて来たということか。
「……」
「……」
「……」
「壱岐の湊の使用方法に大いなる疑義在り」という名目での御用改め。
その御用改めの責任者である俺、その壱岐の湊の使用に関して記されていた関係者として尾張屋番頭の小西行長、壱岐の領主である伊藤景基の代理として伊藤家惣領の伊藤景清の三名が対馬に船を乗り付けたのは昨日のことだ。
湊に到着早々、使いの者を走らせたところ、こうして対馬の国府に築かれた金石屋形、宗家の居城の大広間に通されたわけだが……。
「宗殿よ……。俺が対馬を訪れた理由は使いの者から聞いておろう?湊御用改めも一昨年から続けていること、お主の耳にも届いていよう。ならば、何ぞお主の方から言いたいことがあるのではないか?ん?」
「……」
大広間の上座には俺と父上が座り、城主であるところの宗義智は広間中央に座し、さっきからずっと頭を下げたままである。
時折、ちらちらと脇に控える行長の方を見ているが、どうにも一向に口を開かん。
「はぁ……。別に俺はお主に弁明をしろとか、腹を切れとか……」
「ひぃっ!」
「……だから、そういうことを強要しに来たわけでもなんでもない。単に壱岐の湊の入港税帳簿の特記事項の内容について聞きに来ただけだ。……そのように怯えず、素直に話をしてくれれば悪いようにはせんぞ?正直なところ、壱岐の湊の入港税を節約したところで、そこまでの額でもないだろうしな」
そう、当家の入港税は決して高くない。
精々が湊で補給する燃料、食料、水といったものの贖い賃の五分程度の筈だ。
五十年前の日ノ本のように、荷の一割とかそんな暴利は吹っ掛けておらんのだからな。
当家の収入源の多くは、棚倉の昔より続いている、市の座からの税収だ。
市が大きくなる、数が増える、すると座が潤う、そこで座からの納め銭が増えるという図式だ。塩、鉄、米、酒などは当家自身で座を運営しておるしな。
ふぅ……埒が明かんな。
少々不本意だが、行長に話を進めさせるか。
「宗殿はどうにも唇の潤いが足りぬようだな。……では、代わって尾張屋よ。その方から先に話を聞くとするか」
「はっ。何なりと……」
「よし。……では、第一に、宗殿の船が壱岐に寄港する時には、尾張屋の旗も掲げておるという。このことはどういうことだ?」
「はい。それは宗様の船を使わせて頂き、当尾張屋の先代であられる織田様がおられる金州衛からの荷を日ノ本に届けているからでございます」
「ふむ。次に……」
この辺りは昨日も話した内容であるし、行長が我らに合流してから幾度となく語った内容の確認だ。
ようするに、宗家の船は尾張屋の依頼を受けて金州衛、対馬、壱岐、そして隠岐、美保関に寄港するのだという。
「……なる程な。そういうことで良いのか?宗殿」
「はっ、ははっぁ!」
まったく……宗殿は可哀想なほどに顔面蒼白ではないか。
「当家の金州衛からの荷は、その殆どが豊前水道と豊後水道を通って東国へと送られる。一部、能登や秋田に向かうものもあるが、これらは極一部と言って差し支え無かろう。……無論、金州衛から送られる物資が全て当家の物ではないことも存じておるし、金州衛の地では、ここに居る尾張屋を初め、多くの商人達が商いをしていることも承知しておる。だが……尾張屋が宗殿に依頼する数など、正直たかが知れる程度の数量の筈だ。壱岐の入港税帳簿に書かれているほどの船は必要あるまい?まさか、尾張屋は空船にほど近いものを傭船出来るほどに銭があぶれておるのか?」
「滅相も御座いません!」
ことさら驚いた口調で言い募る行長。
どんっ!
「ならば、宗殿よ。残りの荷は何としたものだ?もしや禁制品を扱っているというわけではあるまいな?!」
組んでた足を立て、片膝立ちに床を踏み鳴らす。
「ひぃぇっ!!そ、そのようなことは!!」
か細く裏返った声を出して宗殿はそう訴える。
「では何を扱っておるのだ?禁制品ということでなければ大事にはせぬし、お主の主である大友殿とてお主を罰することは無かろう?……そう、素直に言えばな」
「ひぃぇっ!!……統領様、惣領様。どうぞご勘弁を!この義智!全てを話させていただきます!」
「宜しい……」
よしよし。
長崎での一件は程よく広まっておるようだな。
いい塩梅に、地方領主共を震え上がらせてくれている。
「その……統領様もご覧の通り、この対馬にはまともに作物を育てられる土地がありませぬ。稲を植えられるほどの平らな土地と水が得られる場所は、この屋形周辺と幾許かの狭き土地が島に数か所。……残りの食料を得るために、豆や麦などを山間部に植えますが、それらも腹を満たす程の物ではありませぬ」
「で、あろうな」
「はい。……ですので我らは古来より朝鮮や明と九州を結ぶ商い、その商人たちの保護を以て糊口を凌いで参りました」
「保護」ではなく通行税、護衛税、略奪といった海賊稼業であろうが……とは思ったが、もちろんここで口を挟む俺ではない。
そして、その標的が「まとも」な交易商人でないことも重々承知だ。
「そのような状況でございましたが、某の父、祖父の代に李朝と海賊討伐に関して盟を結ぶことが叶いました。それ以降は、李朝より毎年の協力米が贈られることとなり、ここに対馬の食糧事情は一段落致します……更に」
精兵と新型雅礼音で乗り付けても、こちらに対馬征伐をする気はないと、ここに来てようやく悟ったのか、宗殿の対馬語りは熱を帯び始めた。
要は、食い扶持を求めるために李朝と盟約を結んだ。
だから、その流れで、李朝から百済に王朝交代が行われたとはいえ、朝鮮の朝廷から「お願いごと」をされると無下には出来ない……と、要約するとそういうことだった。
「……宗殿の話はわかった。で、その荷は一体なんなのだ?」
文句も言わずに長話に付き合ったのだ。多少は俺の語尾が荒くなってもしょうがないよな。
「知りません」
「なにぃ!!」
どんっ!!
宗殿のふざけた返答に、思わず立ち上がって床を踏みつけてしまった。
「ひひっぃ!……だ、っだってですな!その荷は公主様から天子様への贈り物ということでしたので!」
「てんし???てんしとは何処のてんしだ?精霊か?受胎告知か?!」
「へ??……いや、天子様は天子様で……。京におわす天子様です」
「……ん?京だと??……はて?京にそのような教会があったのか?」
日ノ本での布教が進んでいるとはいえ、大きな教会は大友家、伊藤家の領内に限っていると思うのだが?
はたして、畿内にそのような大きな教会があったか?
確か堺には立派な礼拝堂があったと記憶しているが、あれの規模は鎌倉の教会などとは比べ物にならんぞ?
「ごほんっ。……統領様。その「天使」では御座いません。宗様が仰られているのは「天子様」。つまりは京におわす帝のことです」
「帝??帝がどうしたのだ?なぜに王家が抜け荷を指示するのだ?」
「ぬ、抜け荷ですと?!」
ぬ?
どうにも俺と宗殿では認識に色々と差があるようだな?
行長の奴めは、なんとも可笑しそうに笑いをこらえておるのがむかつくぞ!
「あふぅ。……伯父上。横で話を聞いておりましたが、どうやら宗殿は今の日ノ本の様子を御存じないようですね。ここは一度、対馬から畿内、東国をご案内した方が良いのかも知れません。なんと言っても、当家の船に大層肝を潰していたようですからね」
なる程……。
確かに、対馬の片田舎に居続けては、日ノ本の実姿は理解できぬか。
父上も、よくよく「人は自分の信じたいことしか信じない」と仰っているものな。
よし!
ここは宗殿初め、何名かの地方領主達に博多、伏見、江戸などの大都市を見せつける必要があるな。
今の日ノ本を見れば、少なくとも東アジアで日本がどのような位置にいるのかを多少は理解出来よう。
……だが、父上。
……今まで寝てたでしょう。
涎を拭ききれておりませぬし、先ほどの「あふぅ」って何ですか?!
1595年 天正二十三年 秋 宇都宮
いやぁ、やっぱり前々世世界の徳川家康って凄かったんだね。
参勤交代で江戸を見せつけるって大事だったんだよ。田舎大名相手にはさ!
って、参勤交代は秀忠だったっけ?家光だったっけ?
まぁ、いいよね、細かいところは。
「さぁ!集まった、集まった!!一年最大の競争!「優駿特別賞」の予想はこの彦五郎にお任せあれ!!お代は見ての、聞いてのお帰りだい!!」
「今日の大一番!勝ちたい奴はこの万券の与平に乗るが勝ちってもんさっ!さぁささぁさ!寄ってきな!聞いてきな!」
「かぁ~っ!!わかっちゃいねぇ!わかっちゃいねぇ!秋の宇都宮競馬は、この俺!秋男の辰三兄さんに任しておくんなぁ!!旦那方の銭袋!今日の夜には二倍、三倍!あいやさ!百倍にしてしんぜようともぞ!!」
てくてくてく。
久しぶりの宇都宮競馬だが、知らんうちに予想屋さんの予想小屋とかが建ってるぞ。
煽り文句からして、どういうことなんだろうね。
「あ、あのぉ……惣領様。この、競馬なるものは一体……」
年の頃は、三十手前の義智君。
生まれて始めて見る競馬場の熱気にビビりまくってるね。
「うん?ここに来る前に、江戸でも説明しただろ?競い馬のことだよ。競い馬」
「そ、それは理解したのですが。……こ、この人出は一体??軽く万を越えておるではありませぬか?!しかもあの正面の建物は一体?!磨き上げられた石で造られ、大きさも……わが屋形の数十倍では御座いませぬか?!」
「うん?あれは正面建物だから、この競馬場の規模は金石屋形の数百倍の大きさだよ?詳しい数字はわからないけど、多分そのぐらいの大きさ」
「ひぃぇっ!!すうひゃくぅ……」
いやいや、義智君は驚くのが上手過ぎて、どうにも俺の案内役魂が良い方向に刺激されるね。
博多の湊は過去にも見たことがあったから、それほど驚かなかったようだけど、特別に博多の教会の中を詳しく案内された時は口が開きっぱなしだった。
堺での船上パーティにも驚いていたし、伏見の町の大きさにも度肝を抜かれていたな。
江戸の上下水道を見た時は黙りこくって涙流していたし……。
うんうん。
前世含めて、一番新鮮な反応をしてくれるよね義智君。
俺は君のことが好きになってしまったよ。
だからこそ、今日は事前予定には入れていなかった宇都宮競馬の視察を予定に組み入れてみたってもんよ。
やっぱり、東国遊行のシメは競馬ですよね。
なんといっても、この俺でも訪れる度に度肝抜かれていますから……。
因みに、この宇都宮競馬場。
知らん間に正面、向う正面、両コーナーにも客席と勝馬投票券発売所が設置され、食堂から厠も万全設置。石灰壁と鉄筋をふんだんに使われ、更には特別席は一面の大理石で覆われるという徹底ぶり。
競馬場の最大収容人数は五万人を超えるという、この時代にどうやったらそれだけの人間が一堂に会すのよ?というイカレ具合である。
まぁ、本当に怖いのは、今日の宇都宮競馬場を訪れた人数は絶対に十万近いよね、っていうことだったりする。
どんだけ、日ノ本の人間は競馬が好きなのさ?
「さてさて、本日の主競争は何だって?」
護衛の方々に先導され、決勝版正面の建物、領主部屋の一角に設えられたソファに座り、備え付けの瓦版「競争表」を読み込む。
「景清殿。今日は一年の総決算、優駿特別賞ですぞ?あなたがそれを御存じないとは嘆かわしいことですよ?」
「おお、そうでしたか。それはお恥ずかしいことを……っと、義宜殿?!」
びっくりしたわ。
まさかの佐竹家当主がご臨席とはな。
「左様。今日は東国が一番燃え上がる一日!東国競馬の父たる若殿が知らぬようでは示しがつきませぬぞ?」
「……」
もう、びっくりしないよ。
後列から声を掛けて来たのが義宜殿で、前列から声を掛けて来たのは政宗、あいや政子殿だ。
……そういや、この二人は大の競馬好きだったね。
「……ひっ!」
好反応を見せ続ける男、義智君は二人の素性を近侍の者から耳打ちされ、軽くひきつっている。
「景清殿、今日の競争はやはり貴殿と縁の深い黒影丸の仔達が注目ですな」
「ふんっ!義宜殿、そのように当たり前の事を申すでないぞ。その程度ならば、予想小屋の親父でも言えることよ!」
「ほほぅ。言ってくれますね。政宗殿……ならばお互いの一番馬で賭けますかな?」
「良いでしょう。少々見え透いた挑発ですが、この伊達藤次郎政宗、喜んでそのお誘いに乗らせて頂きましょうぞ」
「ではでは……」
止めなさい……というのも野暮なので、二人の指馬は勝手にさせておこう。
あ……。
なんか、伊達家の片倉殿が何か言いたそうに、縋る視線を送ってきているが、ここは知らん振りの一手ですね。
くわばら、くわばら。
「さぁて、義智殿。貴方が賭けることは無いと思いますが、一緒に出走馬一覧でも見ませぬか?」
「そ、そうですな……」
小耳に聞こえて来る、とんでもない額のお宝を賭け合った指馬の内容には耳を塞ぎ、お客さんである義智君と一緒に出走表を覗き込むことにしよう。
……銀貨の枚数とか、金貨の枚数とか、家宝級の太刀とか……そんな単語は聞こえませんよ。
「ぬ??……奥州の牧に混じって、一頭だけ烏山の牧からの出走だって?」
「はっはっは!景清殿もその馬の異様さに気づきましたか?」
「え?」
「若殿も存外、流行り物に弱いと見える」
舌戦を中断して、二人して俺の呟きに反応してくる。
本当に、この二人は競馬好きだな。
……政子さんや、片倉殿が隣で頭を抱えながら男泣きしとるぞ。
「小栗太郎??」
「左様、小栗太郎です。その馬はその名が示す通りに、黒羽の小栗殿が所有する競走馬でしてな」
「そして、表中の印が示す通り、奥州産でなく下野産馬、しかも当初は中央ではなく地方で走っていた馬です」
……なんだよ。
いつの間に丸地なんて概念が生まれてるんだよ……。
「やはり、競馬は血統の物語。どうしても、その実力は名馬を重ね続けられた奥州伊藤家の牧の馬が何枚も上」
「我らが伊達家でも努力は重ねておりますが、やはり奥州伊藤家の牧には敵いませぬ。だが、奥州以外の伊藤家の牧の馬とは良い勝負をするのです……」
「そこで、この小栗太郎です。伊達殿のところの馬ともどっこいどっこいの実力馬しか産まれぬはずの下野産馬……」
「微妙に引っかかりがある言い方だが……。まぁ、そのような出身ながら小栗太郎は中央に移ってからも主競争を連戦連勝。ついには一昨年の優駿特別賞を勝ち取ったのです!」
おおお!やるな!小栗太郎!!
って、一昨年から、そんな競馬番組が生まれてたのね。
俺、知らなかったよ?
「そんな小栗太郎も昨年の秋から実力に陰りが見え始め、今年の秋二戦は全く勝負にならない状況になってしまいました」
「ですが、ここまでの人気馬。今までの活躍に敬意を表して、引退競争ならばと、今日の優駿特別賞に出てきたのです。……私個人としましては、晩節汚すことなく静かに引退するが吉とは思いますが……」
「む?その点では意見が合うな、政宗殿」
諸々理解しました。
「では、俺はこの馬に賭けるとしよう」
「「ええっ?!!」」
いや、だってフラグ立ちまくりよ?
……
…………
「さぁ、二周目、最後の直線!ここから何が出て来るのか?!」
諸々の設備が行き届いた領主席。
拡声器を使った実況放送が流れております。
「坂の手前!中を突いて小栗太郎が上がってきた!外からは目白雷蔵が良い脚だ!小栗太郎が先頭に並びかける!中を突くのは目白弾蔵!白石小僧は内、白石小僧は内!」
「「うぉぉぉ!!!」」「「行けぇぇぇぃ!!」」「「差せぇぇぃっ!!!!」」
ここって領主席だから、付近に居るのって上級武士ばかりの筈なんだよね。
みなさん、実況をかき消す勢いの大絶叫。
「外から雷蔵、外から雷蔵!!最後の標識を越えて、小栗太郎!小栗太郎!さぁ、頑張るぞ!小栗太郎!長市上手、白石小僧!そして目白雷蔵!!いや、小栗だ!小栗だ!小栗太郎!小栗太郎!優勝!!小栗一着!小栗一着!小栗一着!」
「「うぉぉぉぉ!!!」」「「本当かよぉ!!」」「「うわわあぁぁあ!!」」
実況の歌い上げも凄いな。
「「うおおぉぉぉ!!」」
ぱちぱちぱち!
鳴りやまぬ拍手と大歓声。
「……おぐり……っおぐり……」
「「おっぐり!おっぐり!!おっぐっり!!!!」」
「「おっぐっり!!おっぐっり!!おっぐっり!!おっぐっり!!」」
俺達のいる領主席のみならず、競争路を囲む全ての観客席で小栗の大絶叫がこだまする。
「おっぐっり!!おっぐっり!!」
いつの間にか、隣に座っていた義智君までがオグリコールである。
なんだろ?
これで良かったんだよね、たぶん。
個人的に懐も温まったしさ……。
でも、あれですよね。
小栗太郎の攻め手ってさ……表中には「阿南」って書いてあるけど、これって姉上でしょ?
バレバレですよ?
えっと……後悔はしていない!
オグリちゃ~んっ!!
今後ともよろしくお願いいたします。
m(_ _)m




