表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女が『乙女ゲームの悪役』になる前に+オウガIFルート  作者: 空乃智春
【彼女が『乙女ゲーム』の悪役になる前に/高校編】
23/43

23.彼氏ができるということは

 サキが紹介してくれた男の人は、確かにイケメンだった。

 少しぼーっとしてるところが気になるけれど、どうやら相手は私のことを気に入ってくれたらしい。

「いいよ、付き合おうか」

 そんな軽いノリで……彼氏ができてしまった。


「なんか、彼氏ができた実感が湧かないんだけど……」

「最初はそんなもんだって! 後から恋人らしくなっていくものよ!」

 ファミレスで顔合わせをした後、サキに本音を零せば、ばしばしと背中を叩かれた。


「いい、メイコ。オウガにだけは絶対、彼氏ができたって報告しちゃダメだからね?」

「えっ? どうして?」

「どうして?じゃないわよ。あいつがメイコに彼氏できて、黙ってるわけないでしょうが」

「まぁ……何か言ってくるかもしれないけど」

 想像してみたけれど、オウガがどんな反応をするかよくわからなかった。

 とりあえず、どんな男かということくらいは聞いてきそうだ。


「あと、もう彼氏ができたんだから、オウガの家には行かないこと!」

「えっ!? なんで!!」

「なんでじゃないよ。当たり前でしょうが。よく考えてもみなよ。彼氏からしたら、自分の彼女が同じ年頃の男の部屋に出入りしてるなんて、それ浮気だからね?」


 確かに言われたらそうかもしれないけれど、そんな急に言われても困る。

 彼氏ができたら、オウガと遊んじゃダメだなんて……。

 そんなことになるとは、思ってもみなかった。


「はぁ……」

 夜、交換したメールアドレスを眺めながら、ベッドの上に寝転がる。

 生まれて初めて彼氏ができたと思うと、なんだか不思議な気分だった。


 こんなに簡単に、恋人同士になるものなんだなぁ。

 なんかこう、もっとあるかと思っていた。

 たぶん、私が夢みがちなのかもしれない。


 初めて彼氏ができたというのに、気分はどうしてか沈んでいる。

 オウガに明日、何て言おう。

 すでに彼氏なんて急いで作るものじゃなかったな、と後悔しはじめている自分がいた。

 とりあえず、寝る前におやすみなさいと彼氏にメールをして、その日は眠りについた。


「メイコ、昨日はサキとどこに行ってたんだ? 夕飯、作るって話しだったのに」

 朝、学校へ行けばオウガが少しむくれていた。


 実は昨日、本来はオウガの部屋へ行く約束をしていたのだ。

 久しぶりにプリンが食べたいといわれ、じゃあついでに夕食にカレーライス作ってあげるという話しになっていた。

 しかもサキとの用事を優先したというのが、オウガは気にくわないんだろう。


「ごめんねオウガ。ちょっと色々あって」

「まぁいいけどな。今日は作りにこれるか?」

「うーん、今日も用事があるかな」

「じゃあ土曜日でいい。休みだしな」

「その日も用事があるんだ。日曜日も」

「……」


 オウガが無言になる。

 避けていることが、これじゃ丸わかりだ。


 ――もう彼氏ができたんだから、オウガの家には行かないこと!

 サキの言いつけを守れば、罪悪感がむくむくと大きくなるのを感じる。


 ――彼氏からしたら、自分の彼女が同じ年頃の男の部屋に出入りしてるなんて、それ浮気だからね?

 サキに言われたことはもっともで、わかるのだけれど。


 オウガは友達なんだし、やましいことは一切ないんだから、それくらい良いんじゃないかなと思う。

 というか、やっぱり……彼氏ができたって報告したほうがいいような。


 でも、サキは絶対それは止めろって言ってたんだよね……それに、ちょっと言いづらいし。

 そんなふうに悩んでいたら、授業のチャイムが鳴って。

 結局、本当のことをオウガに言いそびれてしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本作のその後の話、「本編前に殺されている乙女ゲームの悪役に転生しました」もよければどうぞ。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ