表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水属性の魔法使い  作者: 久宝 忠
第一部 第八章 王都騒乱
153/932

0142 <<幕間>>

王都騒乱が起きた時、コーンはすでに王都を出ていた。


インベリー公国のC級冒険者コーン。

それは事実である。

だが彼は、公国政府と極めて近しい関係でもあった。

王都の冒険者ギルドに顔を出したコーンは、そこに自分宛ての手紙が届いているのを確認した。

「すぐに大使館へ」

極めて短い文面。だが、それだけに緊急性を感じさせる手紙である。



インベリー公国大使館。

そこで身分を確認され、公国政府直々の指示書を受け取る。

内容を確認して顔をしかめた。

指示書は、暖炉の火に投げ込み、全て燃え尽きるのを確認した後で部屋を出る。


「大金は入るんだが、いつもながら危険すぎる潜入だろ……」

小さく呟くと、そのまま王都を出たのだ。

その結果、王都の騒乱に巻き込まれることもなかった。



公国政府の指示書。

簡単に言えば、スパイ活動の指示である。

公国は、完全独立から十年と、まだ非常に若い国家だ。

官僚機構はともかく、優秀と言われる諜報組織ではあるが、規模はまだまだ小さいものであった。


だが、小国が生き残るのに、情報収集は肝である。

そこで公国政府は、公国に所属する冒険者の中から、忠誠心の篤い者を中心に、諜報活動に従事させていた。

抱える資源から、小国の中ではかなり裕福な部類に入るインベリー公国だからこそできる力技。


しかも、選ばれる者たちの多くは、十年前の『大戦』で公国の裏工作に従事し、連合に裏から打撃を与えて戦った者たちであった。

決して使い捨て用途ではなく、公国にとって非常に有用な人材であり、公国がわずか十年でかなりの力をつける、その要因の一つとなっていたのである。


コーンは、そんな冒険者の一人であった。


そして、今回のコーンの行先は、ハンダルー諸国連合首都ジェイクレアとなっていた。


本日も幕間二話投稿します。

次話0143は、いつも通り21時に投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『水属性の魔法使い』第三部 第4巻表紙  2025年12月15日(月)発売! html>
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ