凶報と疑念
こんばんは!更新時間がバラバラですね~良いのか悪いのか判断に迷うところです…………4部の執筆全然進んでないし…………不味いです、頑張ります!
そんな感じですが今回もよろしくお願いします!
「さて、そろそろ寝る支度でもするかな……ん?」
双魔は夕食と風呂を済ませ自分の部屋でくつろいでいた。
先ほどイサベルから明日の場所が変わると連絡が来たが、幸い時間は変わらないらしい。
双魔が立ち上がろうとしたその時だった。
机の上に置いてあったスマートフォンが点滅して着信を知らせる。
「こんな時間に誰だ?」
画面に表示されたのは見慣れない番号だった。が、とりあえず出てみる。
「もしもし?」
『夜分遅くに申し訳ない、伏見くんの電話であっているかな?』
電話の向こうからは聞き覚えのある落ち着いた男性の声が聞こえてきた。
「ケルナー先生ですか?」
『はい、君の番号が分からなかったのでペンドラゴン先生に電話番号を教えて貰ったんだ。改めて夜分に申し訳ない』
どうやらハシーシュに双魔の番号を聞いたらしい。
「いえ……それは大丈夫ですが…………何かありましたか?」
これまでケルナーから直接電話が掛かってくることなどなかった。
ケルナーの声はいつもと変わらないが、何かあったと考えるのが妥当だ。そして、その予感は的中してしまった。
『明日連絡するか迷ったのだが……事態が事態だったので……端的に言う魔術科の一年生が三名、意識不明の状態で見つかって病院に運び込まれた』
「……何ですって?生徒たちの容態は?」
『詳しいことはまだ分かっていない……鈍器のような物で全身を殴打されたのか身体のあちこちで骨が折れて、出血も多いとだけは聞いたよ……』
「…………そうですか、それで……どうして自分に連絡を?」
『そのことなんだが……その一年生たちは週の頭に伏見くんが授業を担当したクラスの生徒でね。担当講師に確認したら三人とも成績は優秀で大人しめの性格だったみたいなんだが……ここ数日は講義を休んだり様子が落ち着かなかったりしたみたいでね……伏見くんは何か心当たりはないかと思ってね……どうかな?』
「…………そうですね…………」
月曜日の授業のことを思い出す。そうすると一番最初に思い浮かぶのはやはり乱入してきたあの男だった。
(…………と言っても、俺は恨みを買ったかも知れないが生徒たちには目もくれてなかったしな……)
『伏見くん?』
双魔が沈黙したのが気になったのかケルナーが少し心配そうに呼び掛けてきた。
「ああ、すいません、少し考えていたもので……自分も特に気になることはないですね…………ただ、あのル=シャトリエとか言う輩のせいで生徒たちは少し怖がっていましたけど」
『ああ……彼か、全く困ったものだよ……まあ、彼のことは今はあまり関係ないかな』
「ええ……そうですね」
『それじゃあ、何かわかったらまた連絡するよ。こんな時間に悪かったね』
「いえ、大丈夫です、それでは失礼します」
ケルナーも忙しかったのかすぐに通話は切れた。
「…………」
双魔は机の上にスマートフォンを置くと、何となく、そのままベッドに飛び込んだ。
ボフッと音を立てて羽毛布団が双魔を迎え入れる。左文がよく掃除をしてくれているので埃は舞い上がらなかった。
「…………まさかな」
双魔の脳裏に偉丈高な金髪の男が凶行に及ぶ光景が思い浮かんだが、そこまで狂ったような人間には見えなかった。
すぐに想像を振り払う。しかし、その後、双魔は無意識に推論を立て、それを頭から追い出すことを何度も繰り返してしまい、中々寝つくことが出来なかった。
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