リシェル・ヴァーレン
■ キャラクター資料:リシェル・ヴァーレン(Richel Varen)
【基本情報】
・氏名:リシェル・ヴァーレン(Richel Varen)
・性別:女性
・年齢:30代前半(外見は20代後半に見える)
・種族:人間(混血の可能性あり、詳細不明)
・所属:元・帝国情報局(対魔導諜報部) → 現在は帝国外交局内「黒鐘局」勤務
・現在地:帝都セレスティア
【外見】
・髪色:黒に近いダークグレイ、腰まで届くストレート。普段は緩く結っている
・瞳色:深い紫紺、光の加減で淡紅にも見える
・体型:細身で長身(170cm前後)、姿勢が常に整っている
・服装:深紅のローブに黒の差し色が入った魔導織布のドレス。装飾は最小限ながら、質の高さと威圧感を持つ
・声質:低めで艶のある声。抑揚は少ないが、感情の濃淡が行間に宿るタイプ
【性格】
・冷静沈着で、あらゆる状況において感情を抑制する習慣が身についている
・言葉選びが巧みで、意図的に本音と建前を使い分ける策士的思考の持ち主
・かつては帝国の“裏側”に深く関わっていたこともあり、信頼と疑念の境界線が曖昧な人物
・一方で、ごく親しい者に対しては皮肉交じりの優しさを見せることもある
【専門分野】
・魔導諜報術:精神干渉・記憶封印・情報遮断など、帝国時代から“非公開技術”に精通
・情報解析・心理戦略:会話や挙動から相手の意図や精神状態を読み取る
・魔導結界理論:極めて狭域かつ高密度な結界構築を得意とする(防御・偽装用途が主)
【技能・戦闘能力】
・魔力適応能力:高(精神系統に特化)
・戦闘技能:高(直接戦闘にはあまり介入せず、妨害・操作・逃走の手段に長ける)
・特殊技能:
意識誘導による尋問術(限定的な精神操作)
結界による密室空間の構築と情報遮断
“記録封印術”による事実の改竄と隠蔽
【関係性】
・ゼン・アルヴァリード:かつて帝国で共に作戦に従事した元同僚。信頼の上に成り立つ警戒心を抱いている
・カイ=ルーミナ:面識なし。帝国時代の戦闘記録を通じて、その存在と実力を高く評価している
・帝国外交局「黒鐘局」:帝国の非公式交渉・監視機関。現時点ではそこに籍を置くが、真の意図は不明
・帝都上層部:彼女を重用する一方で、制御不能な“諸刃の剣”として危惧している
【その他】
・好きなもの:上質な紅茶と読書。香草の香りにもこだわりがあり、匂いで産地を当てることができる
・苦手なもの:感情的な議論と即興のユーモア。愛想笑いはできるが、本気で笑うことは少ない
・座右の銘:「真実とは、語られないことで初めて完成する」
【備考】
・帝国時代に多数の“危険案件”に関わってきた影響で、記録上“存在が抹消されている期間”がある
・リシェルが再びゼンの前に姿を現したのは、帝都の“ある変化”に関係していると見られる
・彼女の言動には常に裏があるが、ゼンに対してだけはかすかに“昔の信頼”が滲むことがある
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■ キャラクター能力資料:リシェル・ヴァーレン(Richel Varen)
【所属属性】闇属性(Darkness Attribute)
リシェル・ヴァーレンの魔導核が持つ霊素属性は、《闇属性(Dark)》である。
闇属性は、七属性の中でも最も“隠密性”と“精神干渉性”に特化した性質を持ち、攻撃力や物理干渉こそ劣るものの、“相手の情報認識そのもの”に作用するという特異な応用力を持つ。これによりリシェルは、直接的な戦闘よりも、“戦闘の前段階における情報戦・精神攪乱・空間封鎖”といった“場の支配”に圧倒的な力を発揮する。
リシェルの霊素構成は【闇霊素】を中心としつつ、わずかに【風霊素】との共振特性を持ち、これにより“情報の遮断”と“感知阻害”が組み合わさった独自の術式を展開する。
【展開術式】《無響結界》
彼女の代表的な展開術式は、領域型干渉術式である《無響結界》。
これは、空間そのものを“音・霊素・思念”の通過を拒絶する「閉鎖構造」として再定義する術式群であり、以下の三段階構成で発動される。
● 《式構造:Silent Construct》
・起動構文:意志起動による“無詠唱型術式”。通常、リシェルは発動時に目を閉じる動作を挿入するだけで良い。
・術式構成:幾重にも重なった“反響遮断式”と“精神遮断網”から成る多層式結界。
・出力媒体:空間自体に“沈黙”を再定義し、外界との波動・音響・魔力伝達を遮断。
この術式は、内部に存在する者の「感覚」そのものに作用し、時間感覚の変容や、外部世界との“切断”感を生み出す。これにより対象者は精神的に極めて不安定な状態に陥る。
●《拡張構文:幻視逆層陣》
無響結界を発展させた術式。対象者の“認知領域”に擬似映像や幻覚を挿入する精神干渉型領域術。
・効果:対象者に“記憶に基づいた幻視”を見せる。
・使用目的:尋問、心理誘導、敵部隊への幻覚妨害。
・干渉レベル:視覚・聴覚・触覚に干渉可。
●《封印構文:記録断層式》
リシェルが諜報任務において極秘裏に使用していた、対象の“記憶”や“情報履歴”を封印・改竄する術式。
・効果:短時間記憶の切除、精神の“空白領域”の挿入。
・対象制限:精神耐性が低い対象に限定される。
・運用例:捕虜処理、重要情報の封鎖、機密保持のための対同僚術。
【能力系統】妨害系(Disturber)+感知系(Sensor)
リシェルの異能は主に《妨害系》に属するが、同時に高度な《感知系》の能力を併せ持つ、いわば“複合系統”の術者である。
妨害系:対象の魔導構造や精神状態に干渉し、術式発動・行動決定・認知判断を鈍化・混乱させる能力。
・魔導干渉遮断(術式展開妨害)
・精神干渉封鎖(指揮官妨害、諜報封じ)
・領域型無力化(特定エリア内の術者の魔力封印)
感知系:相手の魔力波・発話・視線・心拍の微細な変化から“心理状態・意思決定・構文形成”を読み取る知覚術。
・“視線読解”による心理操作
・霊素振動の可視化による結界察知
・“詠唱の呼吸パターン”から術式属性を予測
彼女はこの二系統を“完全に連動”させ、対象の“意志決定”が起こる前に予測・妨害するという、まさに“未来予測型の制御術”を可能としている。
【戦術的特性】
・奇襲性能:極めて高い。結界内での存在検知はほぼ不可能。
・隠密行動:あらゆる術式痕跡を抹消する“魔力残留無効化”能力を持つ。
・連携適性:ゼンとの連携時、彼女の結界が“灰式”の補助場として機能する。
【使用武器】
リシェルは基本的に“武器を使用しない”。
ただし、携行用の「指輪型術式刻印具」を複数所有しており、指先の動きだけで限定的な結界展開や精神干渉波の発振が可能。
また、緊急時には“封魔式ダガー”を携帯しており、これは物理攻撃用というよりは、対象に直接“記録断層”を挿入するための“霊素注入器”として使用される。
【特記事項】
・リシェルの術式は“対魔導士”に対して極めて効果が高いが、純物理型の戦闘者にはやや対応が遅れる傾向がある。
・精神系統の高密度結界術は術者本人への精神負荷も大きく、長時間の運用は意識への副作用を伴う(悪夢、幻聴、過覚醒など)。
・帝国情報局時代の任務の一部は、帝国魔導院によって「記録封鎖」されており、本人の記憶からも削除されている可能性がある。
【まとめ】
リシェル・ヴァーレンは、《闇属性/妨害系+感知系》という特異な構成を持つ“領域支配型の諜報魔導士”である。攻撃力では他に劣るが、情報・心理・空間といった“戦いの舞台そのもの”を操作する能力に長け、特に限定空間での“一対一”においては圧倒的な支配力を誇る。
彼女の術式は敵にとって“目に見えない拘束”であり、味方にとっては“語られぬ守護”でもある。
ゼンとの再会は、静かだった灰の時間に、“再び風が吹き始めた”ことを意味しているのかもしれない。




