アルザリオス大陸群 (世界マップ)
アルザリオス大陸群 地理・気候・大陸構成(第1パート)
■ 世界概観
惑星名:アルザリオス(Alzarios)
直径:約13,500km(地球比0.9)
軸傾斜:26°(地球よりやや強く、四季変化が鮮明)
自転周期:24時間
公転周期:384日(1年=384日)
磁極位置:やや北西方向に偏る(極光地帯が北西部に広い)
この世界は、七大陸と無数の群島から成り、
全体を囲む大海「マガローデ洋(Ocean of Magalode)」が世界の中心軸を形作っている。
潮流は時計回り(北から見て)に流れ、航海・交易に大きな影響を与える。
■ 大陸配置と命名対応(画像上の位置基準)
【方位/大陸名/属性神/現在の特徴】
□ 北東部(白亜の山岳地帯) / グラシア大陸 / テラ=グラス(岩) / 寒冷山岳地帯・雪と鉱山の国々
□ 東方(右側中央) / ルミナス大陸 / ルミナ(光) / 高原と聖堂都市の神聖王国圏
□ 東南部(細長く湾曲) / エレトゥス大陸 / エレクトロス(雷) / 温暖な台地・技術都市群・機巧文明
□ 南部(中央寄りの複雑な群島) / エーリア大陸|群島 / アエラ(風) / 浮遊都市・海上国家群・交易中継地
□ 南西部(砂漠と火山の混在地) / イグニス大陸 / フレイア(火) / 火山連邦・鍛冶都市・灼熱の砂海
□ 西方(広大な草原と森) / ネプトラ大陸 / アクアリス(水) / 大河文明・海上都市国家・温帯海洋国家群
□ 北西部(暗灰の地・氷と影) / テネブル大陸 / テネブラ(闇) / 永霧の高原・夜の都市・隠者の連合国
■ 気候帯と自然構造
アルザリオスは赤道を中心に南北で明確な気候差があり、
各大陸の文化・宗教・政治に強く影響している。
【緯度帯/大陸・地域/気候・地形特徴/文化的影響】
□ 北極圏(北緯60°〜) / グラシア北部・テネブル北域 / 氷雪・ツンドラ・極光地帯 / 精霊信仰・鉱山文化・孤高主義
□ 温帯北域(北緯40〜60°) / グラシア南部・ルミナス北部 / 山岳と平原の混合。四季明瞭。 / 王政・宗教都市・封建文化
□ 温帯中部(北緯20〜40°) / ルミナス南部・エレトゥス・ネプトラ / 最も人口密度が高い文明圏 / 貿易・宗教・学術都市
□ 熱帯南域(赤道〜南緯20°) / エーリア群島・イグニス北部 / 熱帯雨林・火山・群島性気候 / 海洋交易・鍛冶・自由文化
□ 乾燥南部(南緯20〜40°) / イグニス南部 / 砂漠と荒原、少雨地帯 / 鍛冶都市・傭兵国家・遊牧文化
□ 南極圏(南緯50°〜) / 存在せず(大洋) / 永久凍結海域「ルザール環海」 / 航行困難・幻の氷の遺跡があるという伝承
■ 海洋構造と主要航路
⚫︎マガローデ洋(Ocean of Magalode)
世界の中心を囲む大海。
深度は平均3,000m。最大深度は「リュクシア裂溝」約11,000m。
海底には古代神殿の残骸や“神々の沈没都”が存在すると言われる。
⚫︎潮流と風系
・北半球:東→西への強い貿易風
・南半球:西→東の逆流潮
・赤道付近:安定した貿易風、航路の要
このため、東西方向の交易が主流であり、
北南の移動は季節風を読む高等航法が必要。
⚫︎主な航路
【航路名/経路/特徴】
□ 神殿航路 / ルミナス → ネプトラ → エーリア / 聖職者と巡礼者が利用。安全だが税高。
□ 鍛冶航路 / イグニス → エレトゥス / 鉄と機巧の交易路。嵐多く危険。
□ 商潮航路 / ネプトラ → エーリア → ルミナス / 各大陸を結ぶ最大の海上交易路。
□ 黒潮路(闇の海) / テネブル → グラシア北岸 / 闇商人・禁術研究者の密航路。
■ 地形・地勢と経度分布(擬似座標)
【経度基準/大陸名/地勢概要】
□ 西経60〜20° / ネプトラ大陸 / 丘陵と河川が入り組む大河文明地帯。北部に湿地帯。
□ 西経10〜東経20° / イグニス大陸 / 火山列が縦断。南に赤砂漠、北に熱帯高原。
□ 東経20〜40° / エーリア群島 / 断層列島と浮遊島群。赤道直下。
□ 東経40〜60° / エレトゥス大陸 / 台地と谷、雷嵐多発地帯。発電・鉱山都市が多い。
□ 東経60〜80° / ルミナス大陸 / 高原と渓谷。中央部に「聖光盆地」。
□ 北経40〜70° / グラシア大陸 / 永雪山脈「アルト・ヴァレン」が縦断。鉱山資源豊富。
□ 北経50〜80° / テネブル大陸 / 闇霧と峡谷の地。黒曜石層・古代遺跡が密集。
■ 人種・種族分布(戦後時代)
アルザリオスの人類は七神の祝福を異なる形で受けたため、
大陸ごとに文化と体質が異なる「亜人種的多様性」を持つ。
【大陸/主種族/特徴】
□ ルミナス / ヒューマン(光子体適応型) / 魔法適性高。信仰心強い。金髪・淡肌傾向。
□ イグニス / 炎脈族(耐熱性ヒューマン) / 筋骨逞しい。皮膚に紅斑模様あり。鍛冶適性。
□ ネプトラ / 海民族(潮人・半水棲種) / 肺と鰓を併せ持ち、潜水活動可能。
□ エレトゥス / 雷導族(電気耐性人種) / 魔導器制御に長け、神経反応速度が速い。
□ エーリア / 空航族(軽骨・風精交雑種) / 高所適応。空船操縦・鳥類との共感能力。
□ グラシア / 石生族(鉱脈血統) / 肌が硬質化しやすく、耐寒・耐衝撃性。
□ テネブル / 影民族(闇精霊混血) / 暗所視覚・精神干渉感応に優れる。魔術適性高。
■ まとめ:地理的バランスと世界観への影響
・北部は冷気と霊性の地 (グラシア・テネブル)
・中央部は文明と宗教の心臓部 (ルミナス・ネプトラ・エレトゥス)
・南部は自由と変革の地 (イグニス・エーリア)
この構造が、物語世界における
「神々の七属性=文化圏の多様性」を象徴している。
そして世界の潮流は今、
北方の静寂 (グラシア・テネブル)と
南方の革新 (イグニス・エレトゥス・エーリア)の
二極間で揺れ動いている――。
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アルザリオスの七潮 (セプティア・シーズ)体系
― 七柱の神々が流した「海の理」 ―
■ 概観
「マガローデ洋」は全海を繋ぐ“中心海”であり、
そこから枝分かれする形で、七つの潮流=七洋が形成されている。
各洋には神々の属性に対応する潮流精霊が宿り、その海を統べる国家や文化は神格の影響を受ける。
⚫︎【第一洋】マガローデ洋(Magalode Ocean)
属性:中立/全属性統合の海
位置:中央海域(七大陸のほぼ中心)
概要:
アルザリオス世界の「心臓海」。
全ての大陸がこの海を囲み、主要航路が集中する。
その海底には「神々の沈没都アルザリオン」が存在するという伝承がある。
潮流特性:
時計回りの大循環潮。中央部には“永久渦〈マガル・ゲート〉”と呼ばれる深海渦。
各大陸の宗教・貿易・航海儀がここを基点に設計されている。
象徴する神の理:
「均衡(Balance)」――七神の中庸を保つ。
⚫︎【第二洋】セリオネ洋(Celione Sea)
属性:風(神:アエラ)
位置:南東の群島地帯~赤道直下(エーリア大陸を中心)
概要:
常に貿易風が吹く「流れの海」。
大小の浮遊島や珊瑚礁が点在し、飛空艇・帆船が最も活発に行き交う。
“風航士ギルド”の本拠地がこの海上にある。
潮流特性:
強い東風と南北貿易風が交錯。浮遊砂嵐“空潮”が年に一度発生。
文化的影響:
自由貿易と民主主義の象徴。海上の「評議都市国家」が点在。
⚫︎【第三洋】フレオナ洋(Fleona Sea)
属性:火(神:フレイア)
位置:南西部(イグニス大陸沿岸~赤砂海へ)
概要:
赤く輝く潮流を持つ“灼熱の海”。
火山島列が連なり、海底火山活動が活発。
マグマと塩が混じるため、潮の色が紅く染まる。
潮流特性:
高温潮・鉱物濃度が高く、沈没船が即座に腐食。
ただし、地熱資源が豊富で「魔導蒸気採掘」産業が栄える。
文化的影響:
炎の信仰と鍛冶文化の聖地。
「海を鍛える」儀式=赤潮祭が行われる。
⚫︎【第四洋】ネプタリア海(Neptaria Sea)
属性:水(神:アクアリス)
位置:西方(ネプトラ大陸~マガローデ西岸)
概要:
世界最大の海洋面積を誇る“生命の海”。
深度が浅く、無数の珊瑚都市や水上集落が点在する。
潮の満ち引きが魔力流動と連動しており、
月の代わりに「潮星 (アクアルーナ)」が潮汐を支配する。
潮流特性:
穏やかで温暖、透明度が高い。魚群・海魔獣が多い。
文化的影響:
癒しと巡礼の海。多くの療養都市・聖泉が海沿いに集中。
“潮の巫女”たちの舞が有名。
⚫︎【第五洋】エレドーン洋(Eledorn Sea)
属性:雷(神:エレクトロス)
位置:東方(エレトゥス大陸~マガローデ東岸)
概要:
雷雲が絶えない「嵐の海」。
海面に自然発電現象が発生し、“雷の橋”と呼ばれる光の線が見える。
空路・海路ともに危険だが、技術都市エレクトロニアが制御塔を建設中。
潮流特性:
急流と嵐が多発。電子鉱物を含む海霧が発生。
文化的影響:
革新と挑戦の象徴。
雷航士たちが“嵐を超えし者”として英雄視される。
⚫︎【第六洋】グランディア海(Grandia Sea)
属性:岩(神:テラ=グラス)
位置:北東(グラシア大陸沿岸)
概要:
氷雪と岩礁が織り成す“沈黙の海”。
海氷の下には巨大な鉱脈が眠るとされ、
氷上を滑る鉱山船団“ストーンキャラバン”が活動する。
潮流特性:
冷水流。季節により海氷域が拡大・縮小。
文化的影響:
不変と誓約の象徴。
氷上の“契約祭”は各国の王族が外交儀式として訪れる。
⚫︎【第七洋】ノクトメア海(Noctmare Sea)
属性:闇(神:テネブラ)
位置:北西(テネブル大陸沿岸)
概要:
常に黒い霧が漂う「夜の海」。
星光を吸い取るといわれる黒潮が流れる。
古代の“冥府への門”がこの海底に存在するとの伝承。
潮流特性:
不規則な逆潮。磁場異常多発。航海者の記録が混乱する。
文化的影響:
死と再生、記憶と忘却を象徴する。
闇の詩人や影葬の巡礼者がこの海を渡る。
▼ 総括:七潮体系の意義
・マガローデ洋が「中心=均衡」であり、
他の六洋が“属性の理”として周囲に存在する。
・各海は単なる地理的海域ではなく、神々の力の残滓が流れる“生きた潮”である。
・この七洋の動きが、世界の魔力循環・気候・貿易風・文化の基礎となっている。
■ 補足伝承:「七潮の誓い」
「神々は大地を七つに裂き、海を七つに流した。
それは分断ではなく、再びひとつに還るための道である。」
― 古代碑文 《セプティア石版》より
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アルザリオス戦後世界経済圏構造
「国際関係・経済圏・貿易網・航路統制」
■ 1. 世界構造の大枠 ― “七大経済圏”体制
終焉戦役の崩壊後、アルザリオスは一時的な無秩序を経験したが、
ゼン・アルヴァリードが阻止した“神々の融合”によって
世界は「七属性の分離=均衡構造」を保ったまま再建された。
それにより、現在の世界は 七大属性圏=七経済圏 で運営されている。
【経済圏名/中心大陸/通称・性格/主要輸出産業/世界的役割】
□ 光経済圏(聖光圏) / ルミナス / 神聖・信仰・法治の圏 / 聖典・儀式用宝石・治癒魔法具 / 国際司法・宗教金融の中心
□ 炎経済圏(鍛炎圏) / イグニス / 鉄・武具・製造の圏 / 金属・武具・工業魔石 / 産業基盤・技術生産
□ 水経済圏(潮流圏) / ネプトラ / 交易・流通・癒しの圏 / 魚介・薬草・香料・医療魔液 / 商業・医療・文化交流
□ 風経済圏(自由圏) / エーリア / 貿易・空運・物流の圏 / 飛空船・輸送船・航海術 / 輸送・中継・金融市場
□ 雷経済圏(革新圏) / エレトゥス / 技術・魔導工学・産業の圏 / 魔導機械・電力・通信装置 / 産業革命の震源地
□ 岩経済圏(堅石圏) / グラシア / 鉱山・防衛・建築の圏 / 鉱石・魔鉱・城塞建築資材 / 資源供給・防衛技術 / 闇経済圏(影圏)
□ テネブル / 情報・呪術・密貿易の圏 / 禁書・闇薬・魔法契約符 / 情報・裏貿易・諜報経済
▼ 「三大環交易構造」――世界の物流骨格
アルザリオスの貿易網は、海流と風系に基づく 三大環状航路 で構成される。
これが世界の血流であり、宗教や政治よりも確実に各国を繋いでいる。
【名称/経路/構造・役割】
□ 【内環航路】《神殿回廊》 / ルミナス → ネプトラ → エーリア / 巡礼・聖職者・聖物を運ぶ。最も安全な航路。
□ 【中環航路】《商潮路》 / イグニス → エレトゥス → ネプトラ / 工業製品と資源を往復。物流の主動脈。
□ 【外環航路】《影潮連環》 / テネブル → グラシア → ネプトラ北岸 / 闇交易・密輸・禁術研究の裏ルート。
■ 2. 経済圏間の関係 ― 「新七極均衡時代」
世界秩序の変化:帝国後の多極構造
ルミナ帝国の崩壊後、世界は再び“多極”に戻った。
それぞれの大陸が 自給+専門化 に移行し、
交易によって互いの欠点を補う体制が確立された。
七極モデル(国家間パワーバランス)
【軸/主導大陸/性格/同盟・対立関係】
□ 宗教軸 / ルミナス / 信仰・国際司法 / ネプトラ(協調)⇔ テネブル(対立)
□ 技術軸 / エレトゥス / 魔導革新・工業化 / イグニス(連携)⇔ グラシア(緊張)
□ 経済軸 / ネプトラ / 商業・金融・医療 / エーリア(連携)⇔ ルミナス(摩擦)
□ 軍事軸 / グラシア / 防衛・兵站 / イグニス(技術協力)⇔ テネブル(抑制)
□ 諜報軸 / テネブル / 情報・秘密外交 / 全大陸と微妙に連携(裏の仲介役)
□ 交通軸 / エーリア / 貿易・航運 / 全圏中立、世界物流を実質支配
□ 魔力軸 / イグニス / 魔鉱資源・武具生産 / エレトゥスと共同開発、ルミナスと摩擦
■ 3. 海洋覇権と航路統制
○ 海洋秩序:潮流連盟(The Tide Accord)
終焉戦役後、航路を管理する国際組織として
潮流連盟 が創設された。
加盟はエーリア・ネプトラ・ルミナスの三大海洋国を中心に、現在15国家。
・任務:航路安全、通商税の統一、遭難救助、海賊抑制。
・本部:ネプトラ大陸・港湾都市 《アルメリア》。
・評議長:海王国ネプトリアの「潮王アリシオン三世」。
ただし裏では、
テネブルの“影商連合”やイグニスの“赤潮船団”が
非公認航路を支配し、密輸・遺物取引を続けている。
▼ 海賊と自由航路
・南方のセリオネ洋では、“風商”と呼ばれる自由海賊商団が半合法的に活動。
・彼らは潮流連盟に属さない「自由交易協定(Free Sea Charter)」により、税を逃れつつ商品を流通させる。
・ルミナスはこれを「信仰への冒涜」として取り締まるが、実際には彼らの物流がなければ各国経済が回らない。
→ 結果:表の航路は教会国家が管理し、裏の海は海商が支配する。
この二重構造がアルザリオス経済の特徴。
■ 4. 金融・通貨・貿易統制システム
○ 世界通貨制度:共通金貨 《セプト》
戦後に制定された国際通貨単位。
七神の印章を刻む七種の金貨で構成される。
【種類/刻印/通称/使用地域】
□ 光印金貨 / ルミナ神紋 / セプト・ルミナ / 宗教国家・正規市場
□ 炎印金貨 / フレイア紋章 / セプト・フレア / 工業国・鍛冶ギルド
□ 水印金貨 / アクアリス紋 / セプト・タイド / 海洋国・商業都市
□ 風印金貨 / アエラ紋 / セプト・ゲイル / 自由都市・航空商団
□ 雷印金貨 / エレクトロス紋 / セプト・ボルト / 技術国・工業圏
□ 岩印金貨 / テラ=グラス紋 / セプト・ストーン / 鉱山国・北方圏
□ 闇印金貨 / テネブラ紋 / セプト・ノクス / 闇市場・密貿易圏
※ 金貨1セプト=銀貨100枚=銅貨10,000枚相当。
※ 潮流連盟の貿易税率は金貨1セプトにつき2.4%固定。
▼ 経済実態(推定)
【項目/世界比率/備考】
□ 海上貿易依存率 / 72% / 陸路より圧倒的に効率的。風・潮が物流を支える。
□ 主要輸送手段 / ①飛空船(風圏)②魔導蒸気船(雷圏)③潮流艇(水圏) / 燃料は魔導石・雷素結晶。
□ 最大貿易都市 / アルメリア(ネプトラ)、ゼニア(エレトゥス)、ヴォルカム(イグニス) / 各大陸を結ぶ“貿易三角”。
□ 闇経済規模 / 正規市場の約17% / テネブル主導。禁呪・遺物・情報取引。
■ 5. 国際外交・安全保障網
○ 世界外交秩序:七柱協約(Septim Concord)
終焉戦役後、再び“神の力”が暴走しないよう制定された多国間条約。
ルミナス聖王国を中心に、七大陸代表が誓約を結ぶ。
・条約内容(簡略)
① 神遺物・神核の軍事利用禁止
② 魔神族に関する研究の制限
③ 七属性魔力の融合実験を禁止
④ 各大陸の宗教・文化の独立を尊重
⑤ 属性戦争の再発防止
・加盟国数:42国家(ほぼ全主要国)
・非加盟勢力:テネブルの一部独立都市、赤潮商団、風商連合、闇教派 《アトル・ヴェルム》。
▼ 軍事・警備
・各大陸は「防衛同盟圏」を持つが、現在の主要脅威は国家ではなく“海賊・異能者・魔獣”。
・グラシア大陸が「世界防衛協議会(WDC)」を主導し、各大陸から傭兵・治安部隊を派遣している。
この協議会の前身には、ゼンがかつて所属した帝国騎士団“蒼竜”の理念が継承されている。
■ 6. 世界経済のリアルな構造的課題
1. 属性格差問題
光・雷圏は繁栄し、火・岩圏は労働依存型経済に。
“属性差別”が再燃しつつある。
2. 信仰 vs 技術の対立
ルミナス(信仰国家)とエレトゥス(科学国家)の思想衝突が拡大中。
学術・宗教戦争「理信争議」の火種。
3. 潮流支配権を巡る陰謀
ネプトラとエーリアの間で航路独占権を巡る密約疑惑。
背後ではテネブルの影商人が動く。
4. “灰の伝説”の利用
ゼン・アルヴァリードの名が、一部国家で政治利用されている。
「灰の盾の加護」を名乗る民兵・聖騎士団が出現。
中にはヴァル=ゼルグ残党と繋がる疑惑も。
■ 総括 ― アルザリオス戦後世界の実像
「七神の加護は薄れた。
代わりに人が神の代わりに世界を動かす時代となった。」
現在のアルザリオスは、
神々の沈黙の上に築かれた“人間の均衡世界”である。
表では貿易・信仰・技術が進歩し、
裏では密貿易・情報戦・魔遺物の奪い合いが続く。
そして――
マガローデ洋の中心、“永久渦マガル・ゲート”の深淵から、
再び微弱な魔力の脈動が観測され始めている。
それは、世界が再び“八柱目”の影を孕みつつある前兆であった。
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アルザリオス文化・宗教・人類構造体系
「終焉戦役後の人類文化圏と価値観」
■ 【Ⅰ】神々の時代から人の時代へ
― “神託の喪失”がもたらした精神革命 ―
終焉戦役の後、神々は再び沈黙した。
光も炎も風も、祈りに応えなくなった世界――。
この出来事は人々にとって、神話的崩壊であると同時に「精神的覚醒」でもあった。
人々は初めて悟った。
「神々がいなくとも、世界は回る。
祈りが届かなくとも、誰かがそれを叶えてくれる。」
以後、人類は神々を恐れるのではなく、“共にある象徴”として再定義した。
この思想転換を「第二啓明 (セカンド・イルミナ)」と呼ぶ。
■ 【Ⅱ】七宗派構造 ― 信仰の再定義と再編成
かつては絶対神的存在だった七柱の神々は、
終焉戦役を経て“哲学的象徴”へと変化した。
宗教は多神崇拝から倫理学・人生観・属性思想へと変容している。
【宗派名/対応神/現代的解釈/主要信条・倫理観】
□ ルミナ神教(聖光教) / ルミナ(光) / “正義と共存の理” / 「正義は照らすもの、裁くものにあらず」
□ フレイア炉教(鍛炎教) / フレイア(火) / “労働と情熱の信仰” / 「鍛えるは己を燃やすこと」
□ アクアリス潮教 / アクアリス(水) / “流れと癒しの哲学” / 「心は水のように、形を変えて満たせ」
□ アエラ自由教 / アエラ(風) / "自由と循環の理” / 「風は誰のものでもない」
□ エレクトロス創造教 / エレクトロス(雷) / “知識と革新の宗教” / 「新しき雷は、旧き神を超える」
□ テラ=グラス聖殿会 / テラ=グラス(岩) / “安定と責任の信仰” / 「土は約束の証」
□ テネブラ古教(影祀信仰) / テネブラ(闇) / “記憶と死の受容” / 「影は恐れではなく、過去の形」
▼ 現代の宗教観:
神々はもはや命令者ではなく、“人の生き方の道標”。
多くの信徒は複数神の教えを混合して信仰する。
例:「風と水の信徒」「光と影の巡礼者」など。
■ 【Ⅲ】人類文化圏と価値観の多様化
神の沈黙がもたらしたのは、信仰の衰退ではなく、
「信仰の個人化」「文化の多様化」だった。
人々はそれぞれの神の性質を生活・職業・芸術に取り込み、
結果として七属性を超える“混合文明”が誕生している。
① 光文化圏(ルミナス大陸中心)
・価値観:正義・誠実・秩序。
・社会構造:教会と法廷が融合し、裁判官=聖職者が務める。
・芸術傾向:聖画・金属細工・合唱。
・代表理念:「罪よりも赦し、闇よりも理解。」
② 炎文化圏(イグニス大陸)
・価値観:努力・情熱・鍛錬。
・社会構造:ギルド制度。鍛冶師が政治を担う。
・芸術傾向:金属彫刻・炎舞・詩的労働歌。
・代表理念:「不完全こそが美である。」
③ 水文化圏(ネプトラ大陸)
・価値観:癒し・柔軟・共感。
・社会構造:商人と神官が同格。医療・薬学の中心地。
・芸術傾向:舞踊・香料・水晶装飾。
・代表理念:「流れる者は決して腐らない。」
④ 風文化圏(エーリア群島)
・価値観:自由・旅・発見。
・社会構造:議会民主主義。階級よりも評判重視。
・芸術傾向:音楽・詩・空船祭。
・代表理念:「風を縛る者、風に捨てられる。」
⑤ 雷文化圏(エレトゥス大陸)
・価値観:理性・革新・速度。
・社会構造:学術評議制。研究者が貴族に等しい。
・芸術傾向:発明・演算・工学建築。
・代表理念:「知は神をも打つ雷なり。」
⑥ 岩文化圏(グラシア大陸)
・価値観:秩序・誓約・忍耐。
・社会構造:封建的だが、法が絶対。
・芸術傾向:石像・建築・オルガン音楽。
・代表理念:「変わらぬことは、変わり続ける努力。」
⑦ 闇文化圏(テネブル大陸)
・価値観:内省・静寂・真理探求。
・社会構造:学匠と幻術師による評議制。
・芸術傾向:影絵・文学・劇。
・代表理念:「恐れるべきは闇ではなく、見ないこと。」
■ 【Ⅳ】人種・種族の共存構造と社会的階層
○ 人類と亜人の共生期
戦前まで差別・奴隷制が残っていた地域も、
終焉戦役を経て「属性を超えた人類共同体」へと移行している。
【分類/種族名/特徴/社会的地位】
□ 主人種 / ヒューマン / 多属性対応型。全大陸に分布。 / 支配層・中流層
□ 亜人種 / 炎脈族・潮人・雷導族・空航族など / 各大陸特有の適応体。 / 職能階級・専門労働者
□ 旧神族 / 影民族・石生族など / 神の血を引く希少種。 / 隔離|尊崇対象
□ 魔神族 / (絶滅扱い) / ヴァル=ゼルグの血脈。研究禁止。 / 禁忌存在|異端視
▼ 社会構造の現実:
名目上の平等は進んだが、未だ属性による経済格差は残る。
特に「光圏の貴族」と「闇圏の民衆」の間には思想的断絶が深い。
■ 【Ⅴ】教育・学術・思想の近代化
終焉戦役後、学問と宗教が一体化していた時代が終わり、
「知は神から離れ、人のものへ」と変わった。
これが “アルザリオス近代思想運動(知識覚醒期)” の始まりである。
学問体系の再分類
【学問分野/主大陸/内容】
□ 神学再編論 / ルミナス / 神の存在を哲学的に再定義する学派。
□ 魔導理論学 / エレトゥス / 魔力と科学の統合理論。新技術の根幹。
□ 元素文化史 / ネプトラ / 七属性と文化発展の関連を研究。
□ 社会契約論 / グラシア / 封建と自由の共存理論。
□ 精神工学 / テネブル / 意識・記憶・夢を扱う新魔術理論。
□ 空間経済学 / エーリア / 空航貿易と地理政治の学問。
□ 物質融合学 / イグニス / 鉱石・魔素・炎属性の変換研究。
この7学派が、現在の“世界七大学術院”を構成している。
特にネプトラ学派はゼンの記録を元に「灰色の哲学」と呼ばれる思想を継承。
それは、“受け流す生き方=オールノッキングの哲学”として広まった。
■ 【Ⅵ】「灰色の哲学」――ゼンの影響と人々の価値観変容
ゼン・アルヴァリードは公式には歴史から消されたが、
民間では「灰色の盾の教え」として、倫理思想として定着している。
◆ 教えの要点:
1. 力は支配するためでなく、受け止めるためにある。
2. 正しさは光にも闇にも属さず、ただ人の心に宿る。
3. 争いの終わりとは、勝利ではなく理解である。
この思想は、宗教でも学問でもない。
戦争を知る者たちの間で自然発生した“生き方の指針”であり、
特に退役兵・冒険者・労働者の間で広く信仰されている。
ネプトラの一部では「灰の庵」と呼ばれる集会所があり、
ゼンを象徴する“黒鉄の匙”が祈具として奉納される。
■ 【Ⅶ】文化と芸術の再興 ― 「戦後の美学」
神々の沈黙は、芸術においても“自由”をもたらした。
宗教的制約から解き放たれた芸術家たちは、
七属性の融合を試み、「調和芸術 (ハーモニア)」という新潮流を生んだ。
【芸術分野/傾向/著名作品・様式】
□ 絵画 / 光と影の共存・灰色調 / 《灰盾の食卓》・《聖光の沈黙》
□ 音楽 / 七属性旋律・元素和声 / “七潮交響曲”・“灰色の祈り”
□ 建築 / 属性融合都市設計 / ネプトラの《潮都アルメリア》・エレトゥスの《雷塔アーク》
□ 文学 / 戦後人間主義・哲学詩 / 詩集『風は眠らず』|劇『終焉塔』
□ 料理 / 属性交感料理(味覚で神性を再現) / ゼンの食堂の象徴文化に直結。
“神の加護がない世界でも、味は生きている”
― ネプトラの詩人ラゼル・イーヴァ
■ 【Ⅷ】まとめ:
― 神々の去った世界における“人間の新しい信仰”
かつて神々は人を創り、
今、人が“神の理”を創っている。
終焉戦役後のアルザリオスは、
宗教の時代を終え、哲学と文化の時代へと移行した。
だがそれは決して神々の否定ではなく――
「神々の意志を継ぐ者が人である」
という、新たな共生の始まりである。
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アルザリオス地理文明学大全
「生活する人々と地理文明のリアリティ」
■ 【Ⅰ】七大陸の地理文明構造 ― “土地が文化を決める”
アルザリオスでは、地形と気候が宗教よりも文化を左右する。
神々の力が退いた今、
人々は“土地の理 (ジオロジア)”を信仰の代わりにしている。
【大陸/地勢/文化の核/都市様式/主産業】
□ ルミナス(光) / 高原と渓谷 / 信仰・学問 / テラス都市・聖堂街 / 教育・司法・宝石
□ イグニス(火) / 火山・砂漠 / 労働・技術 / 地熱都市・鍛冶砦 / 鉱業・工業
□ ネプトラ(水) / 大河・沿岸 / 商業・医療 / 水上都市・桟橋街 / 医療・貿易・食糧
□ エーリア(風) / 群島・空中 / 自由・流通 / 浮遊都市・塔集落 / 航運・音楽・空運
□ エレトゥス(雷) / 台地・峡谷 / 科学・創造 / 機構都市・電塔都市 / 魔導機械・通信
□ グラシア(岩) / 山岳・氷原 / 誓約・防衛 / 石造城塞都市 / 鉱山・建築・防具
□ テネブル(闇) / 霧原・峡谷 / 内省・記憶 / 地下都市・霧街 / 書物・情報・幻術
■ 【Ⅱ】地理と気候に基づく「生活環境分布」
アルザリオスの気候帯は、現代地球と同様に緯度によって変化するが、
魔力流の影響により一部では常識を超えた気象現象が発生する。
【緯度帯/地域例/主要現象/住民の生活形態】
□ 北極圏 / グラシア北部 / 永久霜柱・極光嵐 / 地下都市生活、鉱脈熱による暖房
□ 北温帯 / ルミナス高原 / 風霧と虹光雨 / テラス農業、光を利用した農耕
□ 赤道圏 / ネプトラ・エーリア / 熱帯潮風・浮遊蒸気嵐 / 水上住居、潮汐に合わせた市場
□ 南熱帯 / イグニス北部 / 火山塵・燃砂風 / 石造都市、熱避難路の整備
□ 南乾燥圏 / イグニス南・風の群島端 / 夜間冷却・魔熱砂漠 / 遊牧・地下貯水文明
□ 高山帯 / エレトゥス台地 / 落雷と強風 / 断層都市、避雷塔建築
□ 暗霧圏 / テネブル / 永夜霧・幻光流 / 魔光石照明・静音都市
■ 【Ⅲ】都市構造・建築様式のリアリティ
○ 各大陸の都市タイプ比較
【大陸/都市形態/建築資材/生活特徴】
□ ルミナス / "階層聖都型” / 白石・金属線条 / 上層が聖堂、下層が市民区。光導管で昼夜照明。
□ イグニス / “砦工房型” / 黒鉄・火山石 / 鍛冶炉が家の中心。家庭ごとに炉を持つ。
□ ネプトラ / “水環都市型” / 珊瑚・青石・木材 / 水路で街が繋がり、家は舟着き場に面する。
□ エーリア / “塔連結型” / 軽石・浮遊結晶 / 高層階層社会。空路交通が発達。
□ エレトゥス / “機導都市型” / 鉄鋼・魔導管 / 都市全体が魔力循環網で稼働。
□ グラシア / “城塞階層型” / 花崗岩・氷鉄 / 都市が要塞化。鉱夫と戦士が共存。
□ テネブル / “地下連結型” / 黒曜石・湿岩 / 地下洞を掘り進み、層状に拡張。図書館と市場が融合。
■ 建築理念と生活思想
「建物とは、神の理を形にしたもの」
― 古代グラシア建築家・トリス・ヴァルムの言葉
【属性/建築哲学/構造的特徴】
□ 光 / 神聖と秩序 / 光導管・反射構造
□ 火 / 強さと再生 / 炉中心構造・耐熱壁
□ 水 / 流動と調和 / 可動建築・水冷構造
□ 風 / 自由と軽量 / 柱連結・浮遊基盤
□ 雷 / 効率と精密 / 配線・共振構造
□ 岩 / 永続と誓約 / 高密度石・螺旋構造
□ 闇 / 静寂と保護 / 音響吸収・影壁構造
■ 【Ⅳ】農業・食文化・生態系の多様性
七属性は食材や農耕にも影響を与えており、
各大陸には独自の“属性農法”が確立している。
【大陸/農耕方式/特産品/食文化特徴】
□ ルミナス / 光温農法(反射農業) / 光麦・金葡萄 / 白ワイン・光粥
□ イグニス / 地熱灌漑農法 / 炎豆・溶鉄根菜 / 香辛料豊富な煮込み・火焼パン
□ ネプトラ / 潮汐循環農法 / 海米・水果 / 魚介煮・薬膳粥・海藻麺
□ エーリア / 空耕(浮遊栽培) / 風草・浮根菜 / 軽食・乾燥肉・風蒸料理
□ エレトゥス / 雷磁農法(魔電栽培) / 電根・雷果 / 刺激的な酸味と辛味料理
□ グラシア / 地下温床農法 / 石麦・冷苔豆 / 燻製・保存食文化
□ テネブル / 影菌培養農法 / 闇茸・夢果 / 黒パン・幻視茶・冥糖菓子
各属性食材は魔力循環に影響するため、“属性食バランス”が健康指標とされている。
医師は医療だけでなく食の属性診断も行う。
■ 【Ⅴ】交通・通信・物流ネットワーク
戦後、交通は「魔導機械」と「飛空航路」の融合で劇的に進化した。
この世界では、魔力が電気・蒸気・風力の代わりに使われる。
【移動手段/主使用大陸/特徴】
□ 魔導蒸気船 / ネプトラ・イグニス / 鉄鋼製。潮流利用で高速航行。
□ 飛空船(浮航艇) / エーリア・ルミナス / 浮遊鉱で浮かび、風航士が操縦。
□ 雷導列車 / エレトゥス・グラシア / 雷素軌道を走る磁力列車。
□ 地下滑走路 / テネブル / 闇導管を滑走。静音輸送。
□ 獣搬路 / グラシア・イグニス / 鉱山獣や炎駿を利用。
◆ 世界最長の交通路:
《七潮回廊鉄道》
エレトゥスの雷塔都市からネプトラの潮都を経て、ルミナス聖都に至る大陸横断鉄道。
「世界を一周できる唯一の線」と呼ばれる。
■ 【Ⅵ】生活習慣・衣服・住環境
【属性/住環境/衣服/生活習慣】
□ 光 / 明窓高天・白布装飾 / 薄布と金糸刺繍 / 朝日祈祷・光食(朝粥)
□ 火 / 炉中心・石床 / 厚手革衣・赤布 / 労働食重視・晩餐文化
□ 水 / 通風性重視 / 薄衣・染布 / 昼寝と香浴
□ 風 / 軽量構造・吊床 / 羽衣・帆布衣 / 夜風食(夕刻会食)
□ 雷 / 機構住宅・照明多 / 金属織服 / 短時間睡眠・集中労働
□ 岩 / 防寒重視 / 毛皮・鎖衣 / 家族共同労働
□ 闇 / 静音構造・厚布壁 / 黒装束・静音靴 / 夜行性・記録読書文化
【Ⅶ】地域間格差と生活レベル
世界は平和を取り戻したが、生活水準には明確な地域差がある。
【格差階層/大陸例/社会的特徴】
□ 上位層 / ルミナス・エレトゥス / 教育・医療・通信が発達。高度情報社会。
□ 中位層 / ネプトラ・エーリア / 物流中心。市民生活豊か。
□ 下位層 / イグニス・グラシア / 重労働中心。家族単位社会。
□ 独立層 / テネブル / 情報資源は豊かだが物資不足。知識階層社会。
■ 【Ⅷ】文明全体の方向性と“灰色の時代”の象徴性
アルザリオスは今、
神の理でもなく、争いでもなく、
“生きる”という日常そのものを文化とする時代にある。
「大戦の英雄たちが残したのは、剣でも魔法でもない。
日々の暮らしを守る知恵だった。」
ゼン・アルヴァリードの哲学「受け流しの理」は、
人々の日常の中に浸透している。
──火を恐れず、風を閉じ込めず、
水を止めず、岩を壊さず、
雷を怒らせず、光を奪わず、
闇を拒まず、ただ受け止める。
その思想が、今日のアルザリオス文明の基礎となっている。




