ルミナス大陸 詳細設定 (1)
◆ ルミナス大陸 ― 大陸地形・気候構造・自然地理体系 ―
(文明レベル:魔導文明期・交通網発達)
ルミナス大陸は、アルザリオス世界東方の中央部に位置し、七大陸の中でも最も「安定した地殻」と「高い魔力密度」を併せ持つ文明の中心地である。
地図上では右中央の中型大陸に相当し、北から南へと伸びる高原地帯と山脈帯が特徴的な地形を形成している。
大陸全体の形状は、縦長の逆三角形。
北部は山岳と冷涼高原、中央は盆地状の聖光地帯、南部は緩やかな森林丘陵と沿岸地形へと続く。
■ 1.大陸全体の地形区分
ルミナス大陸は大きく「五大地形圏」に分類される。
● 【A】北ルミナ高地(North Luminous Highlands)
大陸の最北部に位置し、地図の上部に見える濃い緑の山岳帯。
標高は1,800〜3,000m。気候は冷涼かつ湿潤で、年間を通して霧が発生しやすい。
“光脈”と呼ばれる魔力流が地中を縦横に走り、結晶化した光石が自然に露出している地域も多い。
特徴:
・霧樹林と呼ばれる幻想的な森が広がる
・魔力濃度が高く、古代神殿や封印遺跡が点在
・人口は少なく、山間に修道院群が存在
・北部国境付近には対テネブル交易路が細く延びる
この地形が南の聖光盆地に天然防壁としての役割を果たし、帝都の安全保障に大きく寄与している。
● 【B】聖光盆地(Holy Luminous Basin)
大陸中央部に広がる最も重要な地域で、帝都セレスティアが位置する“光の心臓部”。
標高は約750〜900m。
四方を高原・山脈に囲まれ、中央に巨大な楕円形の盆地が形成されている。
特徴:
・魔力流が集中する“光脈交差点”が存在
・地中の地層が光石質で反射率が高く、都市全体が白金に輝く
・盆地の外周に七つの環状都市圏が広がる(帝都を中心に放射状)
・気候は温帯で四季がはっきりしている
ルミナス聖皇国の政治・経済・信仰の中心。
魔導列車、飛空艇交通、雷導鉄道のハブもここに集約されている。
● 【C】中央南部丘陵帯(Luminus Greenbelt)
帝都の南へ進むほど地形はなだらかになり、高原から丘陵へと移行する。
ここは“ルミナス経済圏”の背骨となる広大な農耕地帯で、以下の特徴がある。
・光麦・白果・光藻などの特産農産物が収穫
・小規模都市が点在し、魔導列車の地方線が広く走る
・飛空艇の補給地が多く、空の物流網の主要エリア
丘陵地帯は交易都市や学術都市が多く、帝都の外側を支える第二の都市圏として栄えている。
●【D】南縁沿岸帯(Southern Luminous Coast)
大陸南端部は、入り組んだ湾岸と半島が続く風光明媚な地域。
海へ向かって開けているため、貿易港・造船都市・漁業都市が発達。
特徴:
・ネプトラ大陸との交易航路の起点
・海路貿易(海洋貿易=“潮流交易”)の要衝
・造船ギルド・飛空艇港が存在
・気候は温暖で、果樹園と港町文化が栄える
帝都とは魔導列車で直結されており、南北の物流が強固に結ばれている。
●【E】東方断崖地帯(East Luminous Rift Zone)
大陸右端に位置する、巨大峡谷と断崖が続く地域。
ミストウッドに似た常霧地帯も存在し、魔力不安定地として有名。
・海に向かう巨大渓谷が数本走る
・古代文明の遺跡が多数埋没
・魔導資源(光晶鉱)の採掘地帯
・一部、帝国地図に載っていない地域もあり、ガルヴァ山郷のような“幽域”が点在する
これが帝都の東側の天然の境界線となり、外界からの侵入を防ぐ盾となっている。
◆2.大陸の気候構造
ルミナス大陸の気候は大きく三帯に分かれる。
●【1】北部冷涼帯(亜寒帯高原)
・年間気温:-5〜18℃
・降雪多い
・霧と弱い光が特徴
・高原修道院や研究都市が多い
魔力流が強く、天候がやや不安定。
魔導雷が自然発生することもある。
●【2】中央温帯(聖光帯)
・年間気温:5〜28℃
・四季鮮明
・乾燥と湿潤のバランスがよく、大陸最高の居住環境
帝都と周辺都市はこの範囲。
農業・工業・研究がバランスよく発達し、国内人口の55%以上がここに集中する。
●【3】南部温暖帯(沿岸風帯)
・年間気温:10〜32℃
・海風が強く湿潤
・果樹園・漁業都市が発達
南部港湾都市はネプタラ商人との交易が盛んで、文化融合が進んでいる。
◆3.大陸の自然資源と魔力脈体系
●光脈(Luminous Leyline)
ルミナス大陸の地中には、世界でも最も安定した魔力流“光脈”が広がる。
これは地中の光晶鉱脈と共鳴し、魔力を循環させる巨大ネットワークである。
用途:
・魔導鉄道・都市障壁のエネルギー源
・飛空艇の魔導炉を補助
・結界術・治癒魔法の保護効果を増幅
特に帝都セレスティア下には“七本の光脈”が集中する“光の交差点”があり、
これが帝都の繁栄の根幹となっている。
●主要資源
・光晶鉱:魔導エネルギーの触媒。防壁・魔導炉に必須
・高原銀鉄:軽量で魔力伝導率が高い金属
・光麦:魔力を微量含む主食作物
・白果:貴族向け高級果物
・光樹木材:魔導建材の主材料
これらの資源がルミナス経済圏の根幹を支えている。
◆4.大陸の歴史的地形構造
ルミナス大陸の現在の地形は、古代の“セプティム戦争”による断層変動と光脈暴走の影響で形成された。
地形生成の流れ:
1. 古代、光神ルミナが“中央海”を照らし、大陸に光脈網を形成
2. 七神の内乱で各大陸に地殻変動が発生。ルミナス大陸では数多くの断層と峡谷が生じ、現在の高原と盆地が誕生
3. 終焉戦役時にヴァル=ゼルグが光脈を暴走させ、一部地域が歪曲
4. ゼンの中和作用により大陸は安定したが、いくつかの“異常地帯”は残存した
◆5.まとめ:ルミナス大陸の地理的本質
・北は霧と山岳、南は海と交易、中央は聖都と文明の核
・魔力脈と高原地形が多層都市文化を形成
・安定した地形が高度な魔導文明と交通網を発展させた
・霧と断崖の“幽域”が物語の伏線となる地理的奥行きを与える
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◆ ルミナス大陸 ― 主要都市群・経済圏・交易路・軍事都市 ―
ルミナス大陸は、帝都セレスティアを中心に、七つの大都市圏と十二の主要域都市、無数の中小都市によって構成される高度都市文明圏である。
長い間神の権威と教義によって統制されてきた伝統的な国政と歴史があったが、神々の沈黙後は“宗教+教育+魔導産業”が複合的に支え合う、極めて現代的な魔導近代国家へと変貌した。
帝都を中心に放射状に広がる都市構造は「聖光圏」と呼ばれ、これは魔導列車・飛空艇・雷導鉄道が網目のようにつなぐ“光文明ネットワーク”を形成する。
以下、帝都を除く主要都市群を順に記述する。
■ 1.七大都市圏
帝都セレスティアを中心に、七つの巨大都市が大陸中部・南部に配置されている。
これら七都市は 宗教・行政・軍事・研究・農業・物流・海運 の七機能を分担し、帝国全体の均衡を保つ。
● 【A】学術・魔導産業都市
セレス・アストリア(Celes Astoria)
― 大陸最高学府 《アストリア複合学術院》の城下都市 ―
位置:帝都西方、聖光盆地外縁
人口:約250万人
特徴:
・七大学術院のうち、光学・魔導工学・法術研究の総本山
・巨大魔導図書院 《アーカ・ルミナ》が存在
・魔導列車の研究・開発拠点
・帝国行政院の“技術審査局”が置かれ、発明の検証を担当
都市景観:
白金の塔が林立し、研究用の魔導炉から常に微かな光が空へ昇る。
夜の街は実験用光粒子で輝き、世界でもっとも“明るい夜景”を持つ都市として知られる。
役割:
・学術の中心
・魔導技師・研究者の育成
・帝国技術力の源泉
・ゼンが若い頃に短期研修で所属していた記録が残る(本人は覚えていない)
● 【B】農耕・食糧供給都市
レウラ平原都市群(Leura Plains Union)
― ルミナス大陸の“穀倉地帯” ―
位置:帝都南方〜南西の大平原一帯
人口:三都市合わせて約382万人
特徴:
・光麦・白果・光藻・魔導野菜の生産拠点
・飛空艇の低空航路と魔導灌漑施設が張り巡らされている
・三市連合制。
1) レウラ=中央管理都市
2) ヘルメス=農機・魔導灌漑技術都市
3) グランフィル=食文化と市場の中心
この三都市は“帝国の胃袋”と呼ばれ、帝都向けの食糧供給の70%を占める。フェルミナが離宮していた別邸もこの平原の一角にある。
● 【C】軍事・国境防衛都市
セレスタ・ヴァルテン(Celesta Valten)
― 北方防衛の盾、蒼竜騎士団副本部 ―
位置:大陸北部高地の南端、帝都北街道の先
人口:約180万人
特徴:
・テネブル大陸方面からの侵入を防ぐ北方最大の要塞都市
・城壁は光反射石で構築され、魔導障壁は“帝都に次ぐ強度”
・蒼竜騎士団の北方基地が置かれている
・気候は寒冷、雪氷魔獣が多く駐屯兵の訓練地として最適
ゼンが蒼竜隊長時代、何度も視察・演習を行った土地。
今も古参の騎士団員たちは彼を「北の盾」として語り継いでいる。
● 【D】商業・金融・宗教複合都市
ラゼノス(Lazenos)
― “光の商都”。帝国最大の金融・商業集積地 ―
位置:帝都東南、丘陵と河川が交わる交易の要衝
人口:約150万人
特徴:
・ルミナ金貨鋳造所が置かれる金融中心
・七洋商会(海洋ギルド)、陸上商会、神殿商会が本部を置く
・光川(オルタ川の支流)沿いの物流が発達
・宗教儀礼と商業交易が共存する珍しい都市文化
酒場・市場・古物商店が多く、旅人や飛空艇乗りが絶えず訪れる活気ある都市。
“幻の食堂”灰庵亭の記事は、この都市の小出版ギルドから出た噂が発端。
● 【E】南部港湾都市
ルミエル=マリオン(Lumiel Marion)
― 海と風の接点、ネプタラ連邦への表玄関 ―
位置:大陸南部の最大湾岸部
人口:約200万人
特徴:
・南ルミナ最大の国際港湾
・飛空艇港+海港が併設されるハイブリッド交通都市
・エレトゥス・エーリア・ネプトラ大陸行きの定期航路が集中
・海洋寺院と“光潮灯台”がある
・食文化は海鮮系で、帝都よりカジュアル
帝国外交の前線基地であり、フェルミナの政略婚約問題の裏ではこの都市の商会が大きく揺れている。
● 【F】産業・工業複合都市
フォージ=ルクレイル(Forge Lucreil)
― 鉱石・工業・魔導機械の帝国基幹工業都市 ―
位置:中央南部丘陵地帯のやや東
人口:約150万人
特徴:
・光晶鉱精錬所が集中
・魔導鉄道車両、飛空艇部品、雷導機関の製造拠点
・帝国で最も煙突の多い“光の下の影”と呼ばれる工業都市
・技師・傭兵・鍛冶工が多く、治安はやや荒い
ゼンがガルヴァ山郷へ移住する際、旧友の鍛冶職人から調理道具を受け取ったという裏設定も馴染む都市。
● 【G】霧と谷の文化都市
エルヴァン=リード(Elvan Reed)
― 霧渓谷の芸術都市、旅人の憩いの地 ―
位置:大陸東方の霧渓谷地帯
人口:約180万人
特徴:
・常霧の谷間に広がる幻想都市
・詩歌、竪琴、光彩画などの芸術が盛ん
・光神殿の巡礼都市としても著名
・魔力の乱れが強く、独自の“霧舞術”という武術文化も存在
フェルミナ王女は幼い頃に療養でここを訪れ、美術館の光画に感動して“光の詩歌”を始めた過去がある。
■ 2.主要経済圏(ルミナス三大経済ベルト)
ルミナス大陸の経済は、三つの巨大ベルト地帯によって動いている。
●【1】中央光脈経済ベルト(Luminous Core Belt)
範囲:
帝都セレスティア〜セレス・アストリア〜ラゼノス
産業:
・魔導産業
・学術・出版
・金融
・軽工業
大陸最大の富の集中地帯。
人口密集のため、政治・宗教・研究者がひしめき、知識階級が権力を持つ。
●【2】南部海港経済ベルト(Southern Maritime Belt)
範囲:
南部沿岸〜ルミエル=マリオン〜東方霧渓谷
産業:
・海上貿易
・船舶・飛空艇整備
・水産
・観光・芸術
ネプタリア貿易の中継地帯。
政略婚約の重要性は、このベルトの経済影響が理由の一つ。
●【3】中央南部農耕工業ベルト(Green-Forge Industrial Belt)
範囲:
レウラ平原〜フォージ=ルクレイル〜帝都南門
産業:
・農業
・食品加工
・工業・鍛冶
・物流拠点(魔導列車の大型貨物基地多数)
帝国の生活基盤すべてがここにあると言われるほど重要。
◆3.大陸内交通網の詳細
ルミナス大陸は、世界でもっとも発達した交通体系を持つ。
●飛空艇航路
・帝都~南港(4時間)
・帝都~北方砦(3時間)
・帝都~エルヴァン(2時間)
飛空艇は貴族・商会・巡礼者が利用。
●魔導列車
・全15路線
・最高速度:時速250km
・乗客用、貨物用に分かれ、帝国の物流の中心
フェルミナの脱走ルートでも非常に重要な交通背景となる。
●雷導鉄道
雷属性技術を応用した高速移動システム。
エレトゥス大陸との国際共同開発で、軍用の高速連絡路として利用されている。
■ 4.軍事都市・防衛機構
大陸には三つの主要防衛ラインがある。
●北方大盾
→ テネブルからの侵攻警戒
●東方断崖線防衛網
→ 霧渓谷の侵入阻止
→ 異常地帯の監視
●南方海上防衛ライン(光潮艦隊)
→ 海賊・密輸対策
→ ネプタラとの共同警備
帝国の軍事力は“防衛特化”が基本方針で、
ゼンが所属していた帝国魔道師団の第二師団、『紅の大盾』はその象徴である。
■ まとめ
ルミナス大陸は、
光の文明圏・海と陸をつなぐ交易圏・軍事と学術の拠点
という三つの顔を持つ高度文明国家である。
・帝都を中心に七都市が並び
・三大経済ベルトが大陸を支え
・魔導列車・飛空艇・雷導鉄道が網目のように広がる
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◆ ルミナス大陸 ― 十二の主要域都市(Major Domain Cities)
十二都市は、七大都市ほどの規模ではないものの、
地域経済・軍事・宗教・交易 を支える“帝国の骨格”である。
いずれも人口50〜100万級で、地形・産業・文化が大きく異なる。
【1】グレイス=オルデン
― 聖皇国北養都・白亜療養都市 ―
位置:ルミナ高原北端
人口:80万人
特徴:
・帝国三大療養地のひとつ
・光脈泉「オルデン湧光群」があり、魔力病患者が訪れる
・冬は厳しいが、白亜の建築群が美しい
・ゼンが終焉戦役後に“短期静養”した記録が、神官文書に残る(本人は覚えていない)
役割:医療・魔力療治・僧侶研修
【2】ノルヴァ=カレッド
― 北方資源都市・青鉄鉱脈の町 ―
位置:北方山脈南麓
人口:60万人
特徴:
・青鉄鉱・光晶鉱の採掘で栄える
・冬は雪の壁ができるほど豪雪地帯
・蒼竜騎士団の武具の多くがここで鍛造
・住民は実直で無口、しかし義理堅い
役割:鉱山・鍛冶・武具供給
【3】ラ・フレナ=コルディナ
― 光風の丘陵都市・書記官の街 ―
位置:帝都北東の丘陵地帯
人口:100万人
特徴:
・行政官・書記官の育成で有名
・風通しの良い丘陵に石造りの高層建築が並ぶ
・帝国の官僚の1/4がこの都市出身
・保守的で硬いが、教育水準が非常に高い
役割:行政人材・法学・文官養成
【4】アレム=ハイドラ
― 三河分岐の水運都市 ―
位置:大陸中央・三つの河川分岐点
人口:100万人
特徴:
・内陸水路交通の中心
・“大陸最大の物流倉庫群”がある
・水上治安を守る「水龍騎士団」が駐留
・食料・木材・金属・布の流通拠点で、冒険者も多い
役割:物流・水運・河川治安
【5】リュミナール=スレイン
― 南高原の魔導学院都市 ―
位置:大陸南東の高原帯
人口:90万人
特徴:
・《スレイン魔導学院》の城下町
・光魔導・結界術・精神系魔術の研究で有名
・学院都市だが治安は良好
・留学生に人気の都市
役割:魔導教育・結界研究
【6】メルダ=ユリシア
― 光葡萄と聖酒の故郷 ―
位置:大陸中央西、乾燥帯近くの谷間
人口:70万人
特徴:
・光葡萄“ルクラン種”の名産地
・帝国の聖餐式ワインの80%がここで作られる
・祭りが多く、気質は陽気
・フェルミナも子供の頃、儀礼でここの聖酒を使った
役割:食品・儀礼用品・観光
【7】エルネスト=ガルダ
― 帝国最大の武具市場 ―
位置:大陸中央の森林地帯
人口:55万人
特徴:
・武具・防具の市が有名
・帝都の神聖魔導兵団〈白影〉の調達拠点
・盗賊が多い森に囲まれており、警備隊が強い
・クレアが騎士団時代にしばしば訪れていた
役割:武具取引・兵站供給
【8】ガレシュ=フォルム
― 雷導技術の中継都市 ―
位置:大陸南東部、エレトゥス境界線付近
人口:100万人
特徴:
・雷導鉄道の連結中継点
・エレトゥス大陸から技術者が多数移住
・市街の灯りは雷光を反射し青白く輝く
・技術者気質の住民が多く、政治より技術が優先される
役割:技術交流・交通中継
【9】ヴァリア=ソルテ
― 砂丘と風塔の観測都市 ―
位置:北西部の乾燥帯
人口:85万人
特徴:
・風塔(巨大風力観測塔)の建設地
・光と風の研究が盛ん
・半砂漠ながら、魔導灌漑で緑地も点在
・過去に七神の“風の残響”が観測されたと言われる
役割:気象観測・風系魔導の研究
【10】コリナ=ヴェルシア
― 光彩芸能の都 ―
位置:南西沿岸
人口:70万人
特徴:
・芸術(光彩絵画・舞台・聖詩歌)が盛ん
・劇場 《光輪座》は帝国最大規模
・王宮専属芸能団の研修施設もある
・港も持ち、漁業と観光で栄える
フェルミナはここで「初めて人前で歌った」過去があると言っても自然。
【11】バルドレイ=アーク
― 帝国南門の“軍事・交易要塞都市” ―
位置:大陸最南端の陸上国境
人口:110万人
特徴:
・南方諸国への陸路玄関
・要塞城壁は帝国中で二番目の厚さ
・傭兵・商人が多く、治安はやや荒れ気味
・交易税収入が大きく、枢機院が強い影響力を持つ
役割:国境防衛・南方交易
【12】イルメラ=フロウズ
― 大陸東端の“霧海の港” ―
位置:東海岸の霧海沿岸
人口:80万人
特徴:
・海面を覆う“霧海”に臨む港
・航海難所のため、高度な操船士が育つ
・イグニス群島への小航路が多数
・古代の“光海路”の遺跡が発掘される土地
役割:海運・探検・遺跡調査
■ 十二都市の総括と役割構造
十二都市は、
・北:資源・防衛
・東:技術・海運
・西:行政・文官
・南:交易・海港・農業
という地理的配置で明確に役割分担されている。
これによりルミナス大陸は
「光(宗教・文化)」「知(学術・技術)」「物(物流・食糧)」「盾(防衛・軍事)」
という文明の四本柱を安定して供給できる。
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■ レフレール町 ― Refflaire
― 「光都セレスティアの外輪に咲く、風と香草の中継町」 ―
【1】総合概要
分類:中規模城下町(人口:11万8,000人)
位置:帝都セレスティアから東南へ62km、光都街道“第三聖道”沿い
気候:温帯高原。風が強く、朝夕は冷涼。
レフレールは、光皇都セレスティアの“外輪経済圏”を構成する
七つの中継町のひとつであり、
その中でも 「草原と街道の十字路」 と呼ばれる重要な交通拠点である。
帝都から見て最も早く“山越え前の本格的な旅支度ができる町”で、
旅人・巡礼者・商隊が一年中行き交う。
フェルミナとクレアがセレスティアを抜けたあと、
ガルヴァ方面で最初に文明らしい文明を感じられる街が、このレフレール町である。
【2】地理・景観
■ 位置構造
レフレールは
・西:帝都セレスティア
・東:山地→ゼンのいる灰庵亭方面
・南:農耕地帯と小村群
・北:光風丘陵(ラ・フレナ=コルディナへ続く)
に隣接し、街道交通の“節目”として機能している。
■ 町を象徴する景色
・町の外周を囲む レフ草原(風香草〈レフミント〉の群生地)
・町の西門から見える 帝都の金環の輝き
・早朝に吹き下ろす 「白風」 と呼ばれる冷風
・東側は遠くに 霧の山脈(ゼンの住む地域) の影が見える
晴れた朝、町が柔らかい金色の光に包まれることから
レフレールの語源は「黎明に香る町(Re-flare)」と言われる。
【3】町の構造と主要施設
レフレールは、
“旅人の町”と“香草の町” の二面性を持つ。
■ 〈街の構造〉
・西門:帝都から来る隊商・巡礼の入口
・東門:山地へ向かう登山路・商人街
・中央通り:旅人商店と香草市場が並ぶ
・南区:農民・職人の住宅地
・北区:高台に行政・治安施設
■ 〈主要施設〉
1. レフレール大市(香草市場)
・香草、薬草、光薬花などを扱う
・帝都の薬店の約3割がここから仕入れる
2. 宿屋〈風紋亭〉
・旅人向けの宿
・厨房の料理が美味で、クレアが唯一“文句の出ない食事”と言ったほど
3. 騎士詰所(レフレール治安隊)
・白翼・蒼竜の合同補給所だった場所
・今は町の騎士が駐在
・クレアはここに顔を知られている可能性が高い
4. 光街道管理庁・第三聖道支部
・帝国の街道と交通を管理
・飛空艇の低空航路の許可もここで出る
5. 香草乾燥所〈風音小屋〉
・レフミントの乾燥・加工施設
・香草茶やポーションの材料が帝都へ送られる
【4】経済構造と特産
■ 主要産業
1. 香草・薬草の栽培と流通
レフミント/光香草/聖樹芽
2. 旅人向け商業
簡易魔導具、保存食、革製品、道具類
3. 宿泊・交通サービス
馬車交換所、簡易雷導車の給魔所
4. 農産品
光麦・白果など、帝都への供給地
■ 特産品
● レフミント茶 — “心を落ち着かせる香り”
光脈微粒子を含み、精神疲労の回復効果が高い。
フェルミナが飲めば 緊張が半分になる と言われる。
● 山越えケルヴァン用の携帯食〈山路パイ〉
香草と芋を練り込んだ保存パイ。
ゼンも昔、任務で食べていた。
● 光麦パン〈ホワイトローフ〉
香りが軽く、腹持ちが良い。
【5】文化・人々の気質
■ 気質
・明るく気さく
・旅人慣れしており、余所者への警戒心が薄い
・馬車・ケルヴァンの扱いが得意で、女性も逞しい
フェルミナが“旅人”と名乗っても、
怪しまれず受け入れられる町である。
■ 行事
・白風祭
春の風が吹く日に香草を空へ撒く祭り。
旅の安全祈願として人気。
・光街道感謝祭
街道の守護者に捧げる祭。
各地の踊り子が集まる。
【6】治安と政治
■ 治安
全体的には良好。
巡回騎士+町人自警の二重構造。
ただし、
・山越え商人を狙う盗賊
・闇市場の香草密売
が時折問題になる。
■ 政治
領主は「レフレール伯」だが、
実務は 街道管理庁+香草組合 の二大勢力が握る。
【7】総括
レフレール町は、
・帝都の華やかさから最初に離れ
・旅の空気を感じ
・東の山地(ゼンの居場所)への入口
となる場所である。
都会でも田舎でもない、
旅情と生活感のバランスが絶妙な町。
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✦ ロアン村 ― 旅人を迎える高原の小村
Roan Village / “高原の灯火”
【1】基本情報
[項目/内容]
□ 名称 / ロアン村(Roan Village)
□ 所属 / ルミナス聖皇国・東光路(聖道第4支線)沿い
□ 標高 / 約980m(高原地帯の低〜中層)
□ 人口 / 約320人(農民70%/牧畜20%/職人・商人10%)
□ 気候 / 温帯高原気候(昼夜差大・風強め)
□ 主産業 / 光麦栽培・薬草採集・山羊・ケルヴァン飼育
□ 治安 / 非常に安定。聖皇国の巡回隊が月2回巡回
□ 名称の由来 / ルミナ語で“風に耐える小さき火”の意
【2】村の位置と地勢
ロアン村は、
レフレール市から東へ約15km、ガルヴァ山系の麓に位置する
高原地帯の“緩衝村”である。
・北:緩やかな丘陵地帯(光麦畑が広がる)
・東:ガルヴァ山系への登山道の入口(険しい岩場)
・南:浅い谷とせせらぎ(村の水源)
・西:レフレール市へ続く馬車道(交易の生命線)
高原特有の冷涼な空気と風が常に吹いており、
星空の美しさは東光路でも最上級とされる。
【3】村の成り立ち・歴史
■ 創設期(帝国暦1000〜1100)
・レフレール市が都市化したことで、
周囲の農耕地が拡大し、移住民や開拓者がこの地へ進出。
・当時は“ロアン集落”と呼ばれる小規模な農耕地帯。
■ 成長期(帝国暦1200〜1300)
・東光路の副道が整備され、旅人の往来が増加。
・山越え前の休息地として需要が高まり、宿・鍛冶・厩舎が生まれる。
■ 終焉戦役以降(帝国暦1365〜1378)
・ガルヴァ山系は戦役の影響を受け、危険地帯化。
・ロアンは巡回隊の駐屯地点として一定の重要度を持つ。
・ゼンが戦役で通過したという噂が残っている(真偽不明)。
■ 現在(帝国暦1385)
・山越えする旅人、薬草採集者、学者の拠点として人気。
・危険ではないが、“戦役後急増した盗賊や無法者の犯罪被害が及ぶ、油断はできない地域”として知られる。
【4】村の構造
ロアン村は、中心に“暖灯広場”を置き、
放射状に道が広がる典型的な高原村落構造である。
■ 主な地区
1. 中央区(暖灯広場)
・村長宅、共有井戸、簡易神殿(ルミナ神の祠)
・夜になると灯篭が灯り、静かで温かい雰囲気
2. 北農地区
・光麦畑と豆畑が広がる
・帝都に出荷される光麦の“特級品”はここで育つ
3. 西街道区
・レフレール市への玄関口
・商店、雑貨屋、旅人向け屋台が並ぶ
4. 南水路区
・小川沿いに家が並ぶ静かな区域
・水車小屋があり、小麦粉や薬草粉末を挽く
5. 東麓区
・ケルヴァン厩舎、牧草地、山道の入口
・登山者や薬草師が利用する拠点
【5】村の文化・生活
■ 村人の気質
・明るく控えめ
・旅人に慣れており他人への警戒心は低い
・“自然と共に生きる”という感覚が強い
■ 行事・祭り
・《風受祭》
春の訪れを祈る祭り。
若者が丘に登り、風の流れの強さで豊作を占う。
・《高原灯夜祭》
秋の収穫期、全家庭が灯篭を飾る温かな祭り。
星の下で歌われる“光の子守唄”が名物。
【6】経済・産業・特産品
■ 主な産業
・光麦栽培(帝都・レフレール向け)
・ケルヴァン飼育(耐寒・長距離型の血統が人気)
・高原薬草(鎮静草・防腐草)
・山羊の乳製品 (チーズ・バター)
・木工(高原松を使用)
■ 特産品
・ロアン光麦パン:光麦を石窯で焼いた素朴なパン
・高原ミルクチーズ:少し癖があるが濃厚
・星見茶:高原の夜に飲むハーブ茶
・山羊バターのビスケット:旅人に人気
・霜降り薬草 (しもふりやくそう):気付け薬の材料
【7】治安・軍事
■ 治安
極めて良好。
事件といえば“羊が逃げた”レベル。
■ 防衛
・聖皇国巡回隊が月2回訪れる
・村人の自主防衛隊が存在
・魔獣は年に2〜3回出る程度(低脅威)
■ 旅人の安全
山道に入る前の“最終安全地帯”として利用される。
【8】旅人支援・施設
■ 旅籠 《ひつじ雲亭》
・素朴だが清潔
・宿泊費は安め
・暖炉料理が評判
・クレアも騎士団時代に何度か宿泊した
■ ケルヴァン厩舎
・中型〜大型獣の預かり可
・蹄具の簡易整備も行う
・飼育員が優秀で旅人からの評価が高い
■ 村人のもてなし
・余った野菜や温かいスープを分けてくれることも
・星空観察の名所も教えてくれる
【9】周辺地図(簡易)
<北・高原農地>
光麦畑
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│ 中央区 │
│(暖灯広場)│
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<西・レフレール> <東・ガルヴァ山系>
商店・街道区 登山道入口・厩舎
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<南・水路区> 小川・水車




