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針子の乙女  作者: ゼロキ
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ゲート復旧

 ゲート復旧・・・・・・・・王宮のというと、アリアさんの?

 「何でも、ゲートが作られた当初巻き込まれた始祖の蜘蛛殿・・・・・・・・ガイド殿の代わりに組み込まれてしまった彼女を解放して、ガイド殿をいんすとぉる? することが、私どもの一族がこの国に家を移した理由らしく」

 センリさんはため息をつく。

 「祖父母がこの国についた時には、ヌィール家当主はユイ様の祖父になったばかり、他の蜘蛛やその主人は処分・・・・・・・・済み。始祖の蜘蛛殿を目覚めさせる所か、その魂を消滅させかねない状態で、手出しできなかったのですな」

 「あ、ユイ様は行かなくて大丈夫ですよ~、というか他のガイドさん? の、領域。つまりはココにいて下さいってことらしいですよ~」

 なるほど?

 「センリさん、知らな、かった?」

 「両親には、伝わっているそうですな。ある意味、両親の代でまともな加護縫い者が現れなければ、始祖の蜘蛛殿の魂はもたないと思われていたようでして、神々はユイ様に感謝されてましたな」

 うわぁ、アリアさん本当に消滅の危機だったんだ・・・・・・・・

 私は蜘蛛の頭を優しく撫でた。

 「一度両親の元へ、いんすとぉる? の道具を借りうけて王宮に向かう予定ですな」

 「定期的に王宮には、ユイ様の作られた治療用手袋を届ける予定でしたから。ゲート開通すると色々都合が良いんです」

 「? 都合が良い?」

 「えっと、神様の所へは限られた人しか行けないらしいですけど、他ニ三カ所の危険地帯以外なら、ゲート使用資格者に害意をもたない者なら、六名までですが一緒に転移できるんですって」

 おぉ、なるほど・・・・・・・・王宮とココの行き来が楽になるのはいいね。

 王様とハーニァ様の装備品、試着とか手直しが余裕をもってできるかも。

 結婚式の衣装でもあるからね!

 「危険ですけど、王様方も戦闘メンバーに組み込まれていますし。開通したらお忍びで迷宮特訓できるかもしれませんしね~」

 「カイリも私も、その戦闘への参加は禁じられましたしな」

 「ま、センリちゃん結構ドジっこだし、元の怪力知られてても、だぁれも戦闘メンバーに入れようなんて考えてなかったから大丈夫♪」

 ミマチさんが笑い飛ばして、センリさんはうなだれた。

 でもちょっと嬉しそうに、口元はほころんでいた。

 前センリさん自身、格闘センスが無いためメイドになったって話してたものね。

 下手に力があるため幼い頃、冒険者を目指す知り合いに寄生されそうになったり、その知り合いに、力があるのに戦えないことを責められたりしたらしい。

 ちょっとセンリさんは、そのトラウマのせいで、余計力の扱いが下手になっていたみたいだった。

 「神様、センリさんに良く、して、くれたの、ね」

 「・・・・・・・・っ、はい。優しい方々でした。カイリにも感謝しているのですぞ? しかしそのっ、容姿と格好がはれんちですなっ!」

 うーん、実体化しているといっても、精霊さんだから力が服装になるのではないだろうか?

 「えっと、実物の服より、力で服、つくるように、お願いできない?」

 腰に巻いている布・・・・・・・・実体化しているけど、生まれた時からあったなら、力の一部だよね?

 「え?」

 「服、精霊さんと同じなら、力、が服になる? 力を服にして、着てほしいって、センリさんがお願い、できない?」


 午前中は、私の製作途中のアージット様の服や、デザイン画を見本にしたカイリさんのファッションショーでつぶれた。


 

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