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針子の乙女  作者: ゼロキ
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ゲート

 それは、円柱の台座のようだった。

 柱部分には『ゲート15・迷宮温泉』と、日本語で掘られていた。

 水晶で出来ているので、近くに寄らなければ読めなかった。


 日本語


 で、ある。



 周囲では水の精霊が、ポコポコ生まれ半数は水に戻っていた。

 魔力が強い? でも安定していない?

 もしかして、ワープゲート?

 いやいや、ゲームじゃあるまいし・・・・・・・・


 私はこめかみを押さえた。

 この世界、ファンタジーでしたわあ・・・・・・・・



 「なんでしょう? 精霊の気配が強い?」

 「えっ! 声?」

 水中なのに、普通に聞こえて驚き、自分も普通に声が響いて、驚いた!

 驚いた私に、ルゥルゥーゥがくすくす笑った。

 「息が出来ることは知っていても、話せることは知らなかったのですね」

 「水中、話した、こと、ない」

 どうなっているんだ? 凄いな! 精霊の加護!

 空気みたいに振動しているのかな?

 「ユイ様、もしかして水の精霊様、たくさんいます?」

 「気配、分かる?」

 「水の精霊様だけですけどね」

 私は水晶の円柱に、もっと近づいてみた。

 「境目の水晶柱と同じ水晶ですね、加工されているようですが」

 「根元から、魔力、湧き出してる?」

 「どうやら、ユイ様の魔力に反応しているようですね」

 マジか。

 「この温泉には、以前にも来たことがありましたが、こんな状態ははじめてです」

 「なるほど」

 ・・・・・・・・こんな現象いつもあったら、先に説明しているか。

 台座に立ってみると、目の前に魔力の球体とプレートが現れた。

 「うわっ! 地図?」

 「魔力が物質化してますね。迷宮内では時々ある現象です」

 ルゥルゥーゥが球体に触れようとしたが、さわれなかった。

 1から20の数学が並んでいるプレートには、15だけ・迷宮温泉と文字が刻まれてる。

 指でつついてみる。

 魔力のプレートに指は沈まないで、板の感触を伝え・・・・・・・・・球体がくるりと回って、一部を光らせた。

 球体は地球儀のような物だった。

 「ユイ様はさわれるようですね」

 「あ」

 地形はこの国のものだった。

 水の魔力の塊が光っていた。

 「ここが、温泉迷宮」

 王宮部分には、金色の魔力の塊がある。なんとなく、アリアさんの顔が浮かんだ。


 この国には二カ所、ここ温泉迷宮と王宮だけ。


 魔力の塊は、球体の上に全部で・・・・二十一個あった。

 一個、多い。


 あからさまに大きさの違う魔力塊が、ひとつ。大きなダイヤモンドのような魔力が、別の大陸の端で輝いていた。

 そこに触れるとプレートの上部の余白に、文字が浮かんだ。

 他の一から二十は、どちらも触れても双方反応なかった。


 『ゲート0・神の座』


 「見たことのない文字ですね」

 日本語だものなぁ~

 「神の座って、書いて、ある」

 その瞬間、頭の中で鈴の音が響いた。


 《新規・転生者確認しました・神の座・転移登録・いたしますか?》

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