表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
針子の乙女  作者: ゼロキ
42/77

再び新しい生活

その後、色々と話合いがあったらしいけれど、私は寝落ちてしまったらしい。


蜘蛛の進化?を、見守って・・・・羽化?した蜘蛛を撫でて、

「どうなった?」

と聞いてきたアージット様に、振り返って、この可愛い精霊さんに似た姿を見せて、かわいいですと言おうとしたのに、口が開かなく・・・・辛うじて笑顔を向けたことだけは覚えている。


ニコっと笑い、そのまま倒れた私が、ただ寝落ちただけと診断されるまで、

「皆様、真っ青でしたよぉ」

「呼吸が止まりました」

「冷静に考えれば、当然・・・・と、言うか、いつもよりもってたんですけどねぇ」

アハ、よく寝落ちして、就寝準備させてすいませんです。ミマチさん、ストールさん。

確かに、1日・・・・正確には、半日とたたない間に国布精霊さんの呪いを散らして、ハーニァ様のドレスに手を入れて、アムナート王様とハーニァ様の精霊さん達を結びつけて・・・・・・・・アリアさんにドレスを作り、改めて国布精霊さんの呪いを封じ込めたのだ。

以前の私なら、とっくに倒れていた。

アリアさんが治療してくれたおかげ、だったのだろう。


目を覚ますと、ロダン様のお屋敷の、医務室だった。

そしてベッドサイドで、ロダン様の所に引き取られてから、ずっと診察してくれていたお医者さんが涙ぐんでいた。

さすがに、始祖の蜘蛛・・・・アリアさんの一時的な復活や、迷宮出現に、隔離された私は精密な検査を受けていた。

衰弱時代の私も知っている、ロダン様の所の主治医に。


結果


精霊の守護があっても、虐待の期間は長く・・・・私の体は弱かった。

子供を産める体になれる可能性も低く、言われていなかったが寿命も二十代にはなれるが三十代にはなれない可能性が高かった。


それがかなり、改善している・・・・と。

「成長は遅いし、見目もそれほど変わらないだろうが、ちゃんと子供を産んで孫まで見れる可能性が高まったのだ」

お医者さんの言葉に、メイドのお姉さん達も皆、喜びで涙ぐんだ。

私の体にアリアさんの癒やしの力が作用して、3日間は起きている間もうとうとしていた。

だから周囲の喜びようも、眠気に負けてどこか夢の中のようだった。


いや、寿命尽きるまで、針子仕事が出来れば満足だし。

前世の記憶があるからか、若くして寿命が尽きるはずだったと言われても、全く動揺はなかった。

精神的には、三十代になっているしね。

実感が湧かないせいかもしれないけれど。

同じ転生者のアリアさんの、死への喜びを見てしまったせいでもあるかもしれない。

蜘蛛の契約は、アリアさんが終わり・・・・私が蜘蛛に名前を付けられるようになったら、更新出来るらしいから、血縁に受け継がれるのではなく、腕や人柄で蜘蛛が選べるようにするつもりだし。

前世も恋愛とは縁遠かったから、子供を産めるようになると言われてもねぇ・・・・・・・・

あ、でも、赤ちゃんの靴下とかお洋服、可愛いよねぇ・・・・


眠気から覚めた私に、ちっちゃい可愛い物繋がりの連想で、ぬいぐるみ制作ブームが訪れた瞬間だった。


大抵の平民、一般家庭では服を縫うのは母親の役目である。

勿論街にも服屋さんはあるけれど、どちらかというと古着屋さんが大半だ。

貴族の人達や、裕福な人達のために存在する服屋もあるが、そうゆう所は敷居が高い。

布地を取り扱っているのも服屋で、平民向け服屋では端切れも安く引き取られ安く売られている。

クッション……というより座布団っぽい一応クッションの、中綿の代わりにされてたりする。

一応、綿も存在しているけどね。

使い道がそれくらいしかないらしい。あとは繕いのためとか?

………パッチワーク、存在してなかった。

人形とかは高級なのは存在している、妹も両親に買ってもらってたな……ビスクドールみたいな陶器系統の……でも前世のものより造作がちと……うん、夜中動き出して人襲いそうな不気味さのある容姿だった。

妹はわざわざ自慢しに来たけど、怖かった。

アレを喜べる妹の感性も。

・・・・もしかして、アレを欲しがって喜べる上流階級の令嬢達の感性も。


ぬいぐるみは・・・・あまり立体的でないものなら存在していた。

よく言って、小さな枕の亜種?

あれはあれで可愛かったが……前世を知る身からすると、こう…

で、作ってみた。


パッチワークのクッションやら手提げ袋、巾着袋

大きな物で、布団

デフォルメが愛らしい布人形や、口をパカパカ出来るやつとか

ぬいぐるみのクマだとか、動物各種や、編みぐるみ

周囲が私の引っ越し準備で慌ただしい中、一人で荷物を増やしていた。・・・・ん、予定より早くアージット様の所に、行くことになってたのだ。

何せ、決戦結婚式は半年後だ。

戦闘用、結婚衣装制作だ。

周囲が慌ただしい中、眠気から復活した私はかなり元気だったのだけど、手伝わせてもらえなかったのだ。

だからその間ちっちゃい可愛い物をいっぱい制作したら、精霊達が興味津津になってしまった。

精霊はあまりやらないが、人の体をすり抜けることが出来る。

好評だった口をパカパカ出来る人形に手を入れて、「がおー」と口をパクパクさせて休憩中のメイドのお姉さま方と遊んでいたら、その口の所から……精霊さんが顔をうにょっと………

サイズ的に着ぐるみパジャマっぽい状態に


「かっ、かわ、いい」


いきなり悶え出した私に、メイドのお姉さま方が首を傾げたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] アリアさんのドレスなシーンが無い気がするのは後でやる? それとも『生首ザクーり』からの繋ぎが少し唐突なのは投稿ミスだったり?
[気になる点] 「敷居が高い」は、現代では「気軽には行きにくい」などの意味で使われることが多くなっていますが、伝統的には「不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい」(『大辞林第3版』)…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ