自販機あらしと、ゲームセンターあらし
アイドルグループ(?)の嵐が活動終了するそうですね……とはいえ、私はこの人たちのことをほとんど知らないし興味もないので、特にコメントはありません。
ただ、嵐と聞くと思い出すことがあります。最近、Xにて自販機が壊されている画像が投稿されていました。一緒に、こんな内容の文章もポストされていました。
「自販機荒らしが増えた。外国人の仕業だろう。日本も物騒になったものだ」
私はこのポストを見て「う、うーん」と思ってしまいましたね。
私が幼い頃は、地元にて自販機が壊されている光景をよく見ました。いや、よく見たというと語弊がありますが……少なくとも、三ヶ月に一度くらいは見ていた記憶がありますね。
学校への行き帰り、ふと見ると自販機が壊されている……初めて見た時は「何じゃこりゃ」と思いましたね。電気が消えており、テープでぐるぐる巻きにされていたのですよ。
最初は、何が起きたのかわかりませんでした。が、親や友人らに聞くと「自販機荒らしにやられた」とのことでした。バールか何かでこじ開けられ、中から現金を取られたのです。店の人間としても開けっ放しにしておくわけにもいかないので、とりあえずダクトテープか何かで貼り付けたようなのですよね。
そんなのを、三ヶ月に一台くらいは見ていたような気がします。地元では、自販機荒はさほど珍しくない光景だったのですよね。
犯人が日本人だったのか、あるいは外国人だったのか、そのあたりは定かではありません。
当時、地元には不法滞在者と思われる外国人が少なからずいましたが、ギャングみたいなヤンキー集団やチーマーなんかもいました。また、職業不詳のおっさんおばさんも少なからずいたのです。さらに、ハルイチ(新宿の黒豹の章に登場)みたいなヤクザに片足突っ込んだチンピラもいました。
ですから、外国人がやったのかもしれませんが、日本人がやった可能性もあります。
いずれにせよ、自販機荒らしは昔から存在していたのは間違いありません。
まあ、自販機荒らしは金目当ての犯行なのですが……私の地元では、さらに意味不明な荒らしがありました。
商店街にあったゲームセンターですが、そこのゲーム機が壊されメダルを奪われるという事件があったのです。どうやら、そこのゲームセンターを溜り場にしていたヤンキーの仕業のようですが、詳細は未だに不明です。
この事件ですが、やっていることが本本当にわけがわからないのですよね。
知らない方のために説明します。当時のゲームセンターには、メダルコーナーというものがありました。パチスロやパチンコや競馬みたいなゲーム機が並んでおり、プレイするにはメダルを現金で買わないといけません。
そしてメダルゲームをプレイすると、運が良ければ大当たりし大量のメダルを獲得できます。しかし運が悪ければ、メダルは機体の中に飲まれていくわけですね。このあたりのシステムは、パチンコやパチスロと同じです。
ただし、ゲームセンターのメダルは、現金と交換することは出来ません。メダルを買うには現金が必要ですが、メダルを何千枚ゲットしようが現金には替えられないのです。
つまり、ゲームセンターのメダルは何万枚ゲットしようが、一円の価値もないのですよ。ただ、店のメダルコーナーで延々とゲームが出来るだけの代物です。社会的には、何の価値もないのですよ。言い方は悪いですが、詐欺師の仮想通貨みたいなものですね。
そんなもののために、わざわざゲーム機を壊してメダルを盗む……どう考えても、割に合わない犯行だと思うのですが、実際にやった者がいたのですよね。
あと、知り合いがバイトしていたゲームセンターでは、メダルをカツアゲするヤンキーがいたそうです。金ならともかく、ゲームセンターのメダルですからね……まあ、現金のカツアゲも、絶対にしてはいけません。
メダルではありませんが、当時ゲームセンターの外に設置してあったUFOキャッチャーが壊され、ぬいぐるみが盗まれた……などという事件もあったそうです。
いずれにしても、警察に逮捕されることに代わりはありません。逮捕されたら、その後の人生に大きなマイナスとなるのですよ。なので、犯罪にかかわるのは絶対にやめましょう。
蛇足ですが、かつて新宿のとあるゲームセンターで使われていたメダルは、店の裏で換金できた……という噂がありました。一九九〇年代の話ですし、おそらくは口裂け女と同レベルの都市伝説だとは思います。が、本当だったら面白いですね。




