環境問題児たち
二〇二五年、トランプ大統領が紙製ストローを廃止し、プラスチック製ストローに戻す大統領令に署名したそうですね。
で、ふと思い出したのですが……私が小学生もしくは中学生くらいの頃の話ですが、ニュース番組に歌手が出ていました。
今もはっきり覚えているのですが、その歌手は環境問題について語っており、森林伐採に対し深く嘆いているようでした。
途中で、歌手はなぜか箸を取り出し、このようなことを言い出しました。
「私は、自分の箸を持ち歩いています。割り箸を使うことによる森林伐採を、少しでも減らすためです。小さなことと思われるかもしれませんが、小さなことでも大勢の人間がやっていけば、それは大きな成果に繋がります」
率直に言います。幼い私は、この発言を聞いて少し不快になりました。たかがマイ箸を使っているくらいのことで、偉そうにすんな……と思ったのです。
それから、かなりの月日が経ちました。今も、この歌手がマイ箸を使っているかは不明です。
さて、環境問題に関しては……やはり温暖化問題がアツいですね。特に去年の夏は、猛暑というレベルを超えていた気がします。こうなると、今年の夏はどうなってしまうのでしょうか……まあ、下級国民の私は、ひたすら耐えるしかないのです。暑さに耐え、何とか生きていくしかありません。
テレビやネットなどでも、環境問題についてアツく語る識者は少なくありません。それはそれで結構なのですが……その中に必ずと言っていいほど「日本は、欧米に比べて数周回分は遅れている!」などと主張する方がいるのですよね。
そう言われると、私のような低学歴の人間は、ついイラッときてしまいます。
漫画家・西原理恵子さんの元夫であり戦場カメラマンの故・鴨志田穣さんは、欧米人をひどく嫌っていたそうです。
特にフランス人に対する嫌悪感は激しいものがあったとか。六十キロそこそこの体格でありながら、デカいフランス人に立ち向かい殴り合ったりもしていたそうです。
強面のゲッツ板谷さんは著書の中で「カモちゃん(鴨志田さん)のケンカ屋魂はハンパじゃない」と評していました。ゲッツ板谷さんは元暴走族で、若い頃はヤクザの事務所にも出入りしていたとか。そんな人がビビるくらい、ケンカっ早い人だったようです。
鴨志田さんが、なぜフランス人を嫌っていたのか……彼らのアジア系に対する人種差別には、凄まじいものがあったからだそうです。「奴らはアジアの人間をチェスの駒みたいに思ってやがる」と言っていたとか。
特に戦場のような生きるか死ぬかのような場所では、オブラートなしの剥き出しな差別感情をぶつけられたとか。鴨志田さんは、そうした体験からフランス嫌いになってしまったのでしょうね。
私は、鴨志田さんほどフランス嫌いではありません。が、フランスで開催されたオリンピックの白人びいきな判定には……さすがに「おいおい」と思いましたね。
ちなみに、パリオリンピックで噴出した様々な問題点は私などが挙げるまでもないでしょうが、「メダルの劣化」というニュースを聞いた時は流石に笑ってしまいました。画像を見ると、赤錆のようなものが付いているのですよね。何じゃこりゃ、と思いました。
漫画『おそ松くん』(さんではありません)では、イヤミというキャラが登場しています。一応、説明すると……このイヤミ、何かというとフランスを引き合いに出すのですよね。事あるごとに「こんなもの、ミーがおフランスで食べた料理に比べればゴミざんす」「ミーは、おフランス流のエレガントでゴージャスなやり方でやるざんす」などと言っておりました。
最終的には、おそ松やチビ太らにひどい目に遭わされるパターンが多かった気がします。
このイヤミ、バカな欧米かぶれを象徴しているキャラなんですよね。自分の頭で考えることなく、自分なりの価値観も持たず、欧米のものを全て完璧だと思い込み、何かにつけ「おフランス」を持ち出しマウントを取る……もはや宗教の信者ですね。実際、作品の中でも周囲から呆れられている描写がありました。
おそ松くんは、昭和に書かれた漫画ですが……令和の日本でも「欧米では〜」などと言い出しマウントを取る人は少なくない気がしますね。
こんなことを書いていますが、私はフランス映画は好きです。『スズメバチ』『ドーベルマン』『アルティメット』といったフランスのアクション映画には、他にはないセンスを感じます。
昔に観た『さらば友よ』というフランス映画は印象深いですね。アラン・ドロン演じるディノ・バランと、チャールズ・ブロンソン演じるフランツ・プロップが、奇妙な事件に巻き込まれていくクライム・サスペンスです。
この映画、ラストにてディノが「イエーイ!」と叫ぶのですが、はっきり言ってカッコ悪いんですよね。それは間違いありません。
ただ最近、「あのラストシーンは意味がわからない」という声をネットにて目にしました。正直「なぜ、あれがわからんかなあ……」という気分になりましたね。
当時、世界でもトップクラスのイケメン俳優であるアラン・ドロンが放った、無茶苦茶カッコ悪い「イエーイ!」は……諸事情により、友との親しげな姿を他人に見せるわけにはいかない。そのため「イエーイ!」というセリフを、友への最後の挨拶として用いる。またカッコ悪い姿を晒してでも、友への別れの言葉を叫ばずにはいられなかった……なんか、ジーンときましたね。
この映画を未見の方には、わけのわからない文章だったことでしょう。申し訳ありません。ただ、こんな文を読んで興味を持たれたなら、是非とも観てみてください。
このアラン・ドロン、存命中に日本の『スマスマ』という番組に出ました。
で、スマップの作ったブイヤベースを食べ「何だこれは? こんなマズイもの食べたことがない。お前らはブイヤベースという料理をわかっているのか?」などと罵詈雑言に近い言葉を吐いたそうです。もっとも、通訳は「大変ユニークな味ですが、私にはちょっと……」などと、オブラートに包んだ言い方に変えていたとか。
この言葉の裏には、アラン・ドロンの日本人に対する差別意識があったのかもしれません。まあ、単にスマップの作ったブイヤベースがクソまずかっただけという可能性もありますが……。
ちなみに、この話をしたのはフランス人のポール・マレさんです。かつてタレントをしており『5時に夢中!』という番組でこのエピソードを語っておりました。
さらに言うと、このポール・マレさんも言葉の端々や態度に、日本人をナメきっているような部分が見え隠れすることがありました。
書いていくうちに、話がどんどんズレてしまいました。まとまりがなくてすみません。
ただ、アジア系の人間に対するヨーロッパ系の差別意識には根深いものがあります。これはフランスに限らず、イギリスもそうだと聞きました。実際、私の友人もイギリス人から露骨にナメきった態度を取られたことがあるそうです。
私は、そんなヨーロッパに対し、好かれてもいないのにわざわざ擦り寄ろうとは思いません。ましてや日本人に、環境問題について「日本は欧州に比べ数周回遅れてる!」などと言われると「で? だから何?」と言いたくなるのですよね。
もちろん、環境問題は大切でしょう。ただ、日本には日本なりのやり方があるはずです。国土や国民性など、まるで違う国のやり方をそのまま持ってくるのは、果たしてどうなのでしょう。イヤミのように「おフランスでは〜」などと言われても困るのですよね。
私のような下級国民に出来るのは、せいぜいマイ箸を使うレベルのことでしょうか……などと思っていたのですが、調べてみると割り箸は余った木材や残材などを用いており、むしろエコなのだとか。では、あの歌手のドヤ顔は何だったのでしょうか……と思ってしまいますね。
蛇足ですが、環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの資産は二十七億円という情報をネットで目にしました。真偽の程は不明ですが……本当だとしたら、環境活動家というのはずいぶん儲かるのですね。




