生活保護と覚醒剤とガールズバー
先日、Xにて不思議なポストを見ました。要約すると、次の通りです。
「生活保護をもらって覚醒剤をやっているオッサンがいる。また、そのオッサンは毎日ガールズバーに通い最低料金で粘るので、みんなに嫌われている」
私は、このポストを見て「ん? 変だな」と思いました。もっとも、私には関係ないのでほっときました。いずれ、他の人がツッコむだろうとも思っておりました。
それから何日か経ちましたが、誰もツッコむ気配がありません。なので、この場にておかしな点を書かせていただきます。
まず私は、念のため生活保護について調べてみました。ひとり暮らしなら、幾らもらえるのだろうか? と。すると、十万から十三万だそうです。
次に私は、ガールズバーについても調べました。なにせ行ったことがないもので、幾らぐらいかかるのだろつか? という点について調べたところ、最低三千円とのことでした。
つまり、毎日ガールズバーに通えば、一月に約九万円かかることになります。仮に保護費を十三万円もらっていたとしても、残り四万円です。これで家賃や電気代や水道代、さらには食費やその他もろもろの雑費が払えるのでしょうか。生活は破綻しますよね。
百歩譲って、一回二千円ほどで済む格安の店があり、そこに通っているとしましょう。これなら月六万となります。どうにか生活できるかもしれません。しかし、ここでもうひとつの問題があります。
件のポストによれば、オッサンは生活保護で覚醒剤をやっていると書かれています。覚醒剤は、末端価格がグラム六万だそうです。それより安い値段で買えるルートを知っていたとしても、二グラム三グラムと続けて買っていけば、かなりの額になりますよね。
仮にオッサンが一月に一グラムしか消費しないと考えても、プラスして毎日のガールズバーがあるわけです。この生活、保護費で賄うには、かなりキツいのではないでしょうか。
ちなみに、年季の入ったポン中(覚醒剤の依存症を指すスラング)の中には、二日で一グラムを使い果たしてしまう者もいるそうです。
もうひとつ、おかしな点があります。
基本的に、ポン中という人種は人生の全てを覚醒剤に捧げています。というより、覚醒剤の奴隷となってしまう病気なのですよ。
当然ながら、まず優先されるのは覚醒剤です。ガールズバーに通う金があったら、覚醒剤を買うのですよ。
ただでさえ、生活保護という細い収入源で、しかもガールズバーに通いつつ覚醒剤を買う……ポン中には、そんな金の遣い方は難しいのではないかと思います。
しかも、覚醒剤をやる人間は部屋にこもりがちなんですよね。他人の目が気になってしまい、外に出づらくなるそうです。そんな状態で、ガールズバーに通う……これは、ちょっと変な気がしますね。
というわけで、私は件のポストは……おかしい、と言わざるを得ないです。
では、このポストは何なのか? まず考えられるのは、ポスト主が嘘をついているということです。生活保護叩きのため「生活保護受給者の中には、こんなクズがいる!」と主張している可能性は……ない、とは言い切れません。
ただ、もうひとつの可能性もあります。それは、このオッサンが嘘をついているかもしれない……ということです。
人生が終わってしまったオッサンたちの中には「自分は昔ワルかった」ということを自慢する人がいます。いや、それしか自慢できることがないのです。本来なら、自慢できることではないのですが……普通の人がしていない体験をしているという事実が、勘違いを起こさせてしまうのです。
そんなオッサンの中でも、さらに始末に負えないのが「俺は昔ワルかったし、今もワルいよ」アピールをするタイプです。
そういったタイプの人が「俺は今も覚醒剤やっているんだぜ、ワルいだろ」などと言い出し、ポスト主はその発言を真に受けているのではないか……その可能性もあります。
こういうオッサンに出会ってしまったら、まともに相手にせず「そうなんですか〜凄いですね」とか何とか言って流しておいた方がいいでしょう。ただし、距離は置くべきです。あんまり仲良くなると、かなり面倒なことになります。一歩間違うと、無敵の人になる可能性もありますので……。




