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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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いじめ、カッコ悪い? 続編

 以前にも書きましたが、私はいじめに遭っておりました。まあ、内容についてくどくど書くのはやめておきます。なんというか、こういう話は不幸自慢のようなものになりがちですからね。ただひとつ書くと、私の手の甲には火の付いたタバコを押し付けられた痕があります。中学生の時にやられたものですが、未だに消えていません。

 ちなみに、いじめに遭った過去を持つ青年を数人集めて話し合う……という小規模のイベントに立ち会ったことがあります。が、これは上手くいかなかったですね。中のひとりが「みんな、まだまだ甘いなと思った。俺は、ここにいる人たちなんか比較にならないくらい酷いいじめを受けていた」と、マウントを取るような発言をしたんですよね。そこから空気が悪くなった……ように見えました。


 昭和から平成にかけては、いじめられっ子に対する自己責任論がまかり通っていましたね。「いじめられる側が、やり返さないのが悪い」「いじめられる側がしっかりしていれば、いじめには遭わない」という意見が当然のようにありました。さらには、昭和のおっさんの「こんなの、俺たちの若い頃は当たり前だった」「俺たちは、もっとキツイことをやってきた。それをくぐり抜けて来たから強くなった」というような「根性論」「いまどきの若い奴は論」にすり替えられてしまうこともあるんですよね。そういえば、なろうでも「いじめに遭った過去を恥ずかしいと思わないのか」という内容のエッセイがありました(今は削除されています)。

 この自己責任論は、未だ健在ですね。「いじめに遭う方に問題がある」というのは、必ず出て来る意見です。また、いじめ問題について語ると「あいつ、いじめられっ子だったんだろうなwww」という意見が湧いて来ます。つまり、いじめられっ子はカッコ悪いというのが大半の人の意見……というより、常識なわけですね。さらに、いじめに遭った体験を語ろうものなら「キモい」「不幸自慢」などと言う人もいます。最近では「弱者ビジネス」と同類のような目で見る人もいるようですね。

 口では綺麗事を言う人たちも、心のどこかでは「いじめられっ子、カッコ悪い」という意識は間違いなくあるでしょう。さらに心の奥底には……いじめっ子は「ヤンチャ」であり、スクールカーストの上位にいた者たちという意識はあるような気はしますね。

 そんなわけですので、いじめられっ子だった過去は黒歴史として封印し、知り合ったばかりの人たちには語らない方が無難だろうな、とは思いますね。

 ちなみに、とある昭和生まれの議員さんは中学生の時、クラスメートの服を脱がせて全裸にし、服を全部窓から投げ捨てたそうです。本人は「周りは、これをいじめと思っていなかった。こんなことは日常茶飯事のおおらかな時代だった」という意味のことを言っていたそうです。要は、昔はいい時代だったと言いたいのでしょうね。さらに「俺も昔はヤンチャしててよう」という自分語りなのかもしれません。




 最後に……万が一、このエッセイを読んでくれている読者さんの中で、現在いじめに遭っている方がいたとしたら(いないとは思いますが)、聞いて欲しいことがあります。

 はっきり言います。仮に、あなたが自殺したとしても何もなりません。あなたをいじめていた者たちは、後悔も反省もしません。よくて、一時的に嘆き悲しむだけです。彼らは、すぐに忘れます。「あいつは弱いから自殺した。ほっといても、社会の厳しさに耐えられず自殺しただろう」などという、自分に都合のいい自己責任論を持ち出して己を正当化するでしょう。

 実際、学生時代にいじめていた側の九割九分九厘が「えっ、俺そんなことやった? 覚えてない」と言います。これが現実です。

 なので、あなたをいじめた挙げ句に自殺に追いこんだ者たちは、間違いなく罪悪感ゼロのまま普通に生き続けることでしょう。あなたが自殺したことすら忘れ、何事もなかったかのように普通に生活するでしょう。天の裁きなどありません。神様は忙しく、我々人間の悩みなど聞いている暇などないのです。非常に不愉快な話ですが、これもまた現実です。

 かといって、そんな連中に暴力で逆襲したりすると、今度はこちらが罪に問われる可能性があります。まして、相手を殺したりしたら……あなたは逮捕されます。その後、教護院や少年鑑別所さらには少年院や少年刑務所に送られます。いずれも、人を更生させるより犯罪者の隔離に重点を置いた施設とのことです。特に、川越少年刑務所の悪評は語りぐさになっているほどです。ここでは、いちいち書きませんが。

 そんなわけですので、やけになってバカなことをしないでください。そんなことをしても、あなたの得にはなりません。あなたの人生にとって、大きな損となるだけです。

 なので、あなたのすべきことは……ひとまず逃げてください。いじめを受ける可能性のある場所から、できる限り離れてください。猛獣が出現する地域から離れるのは、人として当然のことです。恥ではありません。

 そして、計画を練りましょう。あなたをいじめている者たちを、合法的(・ ・ ・)に潰すための計画です。今の時代、ネットで情報を仕入れることは可能です。合法的に相手を破滅させるような計画を立てるのも、難しいことではないでしょう。

 その計画を成功させるために、まずは今を生きてください。あなたが死んでも、いじめた相手の人生において何らダメージにはなりませんので。つらくとも今を生き抜いて、必ず相手の人生を合法的な手段で潰してやってください。

 





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― 新着の感想 ―
[良い点] こんばんは。 赤井さんの作品は、「格闘技、始めませんか?」をよく読ませていただいて、こちらの「エッセイ書いたんだよ!」も面白そうな項目から読んでいました。興味深い内容で、楽しませて戴いてま…
2020/07/21 23:10 退会済み
管理
[良い点] この回は、被害経験を持つ大人が語りかける言葉として大きな間違いが有ります。 「いじめ」とは大雑把に過ぎる言葉です。 人どうしの関係のもつれや軽い嫌がらせ行為と、 傷害や窃盗や脅迫などの犯…
2020/07/17 23:17 退会済み
管理
[良い点] 赤井さんをいじめていたとは…… なんと身の程知らずな……
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