自爆とカツアゲ黒人とダーティーハリー
今回は、いつもにも増して何も考えず書いています。訴えたいメッセージはないこともないですが、思想的なものは何もありません。まとまりもないです。話もあっこっち飛びますなので、私の文章を深読みしたり曲解したりした挙げ句、わけのわからない因縁をつけてこないでください。
幼い頃、叔父さんの家でとんでもないビデオを観ました。とは言っても、エロとかグロとかそういうものではありません。テレビで放送されたものを録画したようで、ところどころにCMが入っていました。
その作品、アメリカの映画なのは間違いないですが、タイトルは不明です。主人公は大学生であり、友達と愉快に青春を謳歌しています。静かな図書室で、女の子とコトに及ぶシーンもありました。アメリカの学園ものに有りがちな、能天気なストーリーでした……前半は。
ところが中盤あたりから、話の流れは変わります。主人公の友達が事件に巻き込まれ死亡したのをきっかけに、主人公は自警団を結成します。仲間とともに夜な夜な町を徘徊し、銃を手に悪党と戦うようになりました。まあ、アクション映画では有りがちなパターンかもしれませんが……軽いノリの主人公が自警団になるのは、ちょっと戸惑いました。ごく普通の若者が、若さゆえの純粋さから過激な活動に身を投じるようになる姿を描きたかったのかもしれませんが。
終盤になると、またまた展開が変わります。主人公たちは、店に強盗に入った黒人の少年を射殺するのですが……その少年は、おもちゃの銃しか持っていなかったんですよ。主人公たちは罪悪感に悩まされ、最後には部屋で「なぜ、こんなことになってしまったんだ……」と呟きながら、手榴弾のピンを抜き室内で爆発させます──
正直言うと、細かい部分は全く覚えていません。ここに書いた部分も、間違っている箇所があるかもしれません。ただ、ラストシーンは今も鮮明に記憶に残っております。幼い私に強烈な印象を残しましたね。
さて、一九七〇年代から九〇年代くらいまでに作られたアクション映画で、必ず……とまではいかなくとも、七割くらいは登場していたキャラが「路上にて一般市民に因縁をつけてカツアゲする黒人の若者」です。チャールズ・ブロンソン主演の『狼よさらば』は、妻を強盗に殺された男が拳銃を手に夜の街に出て、襲って来た悪党を片っ端から撃ち殺していく……という映画ですが、この作品にもカツアゲする黒人が出てきます。主人公ポール・カージーが射殺した悪人の半分くらいは、カツアゲ黒人だったように思われます。
クリント・イーストウッドの『ダーティーハリー』シリーズにも、カツアゲ黒人が出ていた気がします。街で悪さをした挙げ句、ハリーに撃ち殺される……こんなシーンが、当時はかなりあった気がしますね。さすがに今は、こういった描写も叩かれるのかもしれないですが。
わからない方のために説明しますと、ダーティーハリーとはクリント・イーストウッド演じる刑事のハリー・キャラハンが、街の悪党をガンガン撃ち殺していく……乱暴すぎる要約ですが、だいたいそんな感じの話です。公開されるや大ヒットし、続編も作られました。一応、2では「俺は法を信じている」というセリフも吐いたりしていますが、法を無視して悪党を殺すことで事件を解決させるというイメージが強い気はしますね。
このダーティーハリーから生まれたのが「ダーティーハリー症候群」なる言葉です。緊張状態にある新人警察官が、自らを逞しく見せようとするあまり過度の暴力をふるってしまうことを指す俗語……と、ウィキペディアには書かれています。ハリー・キャラハンとは真逆の症状である気もしますが、そこはあえて触れずに進めます。
さらにウィキペディアには、正義を追及するあまりに、その行使に見境いがつかなくなり、時として暴走してしまう精神状態であり、警察組織に限らない(一般人の行動も含めた)、いわゆる「正義の暴走」全般を指す……という説もある、とも書かれていました。
友人に聞いた話ですが、新人の刑務官には、このダーティーハリー症候群に近い状態の者が多いそうです。肩をいからせ、睨むような目でこちらを見ながら「おめえよう、一度しか言わねえからよく聞けや」などという言葉遣いをする者が多いとか。傍から見れば、無理してイキってるのがバレバレなんだそうです。まあ職業柄、自らを逞しく見せないといけないのはわかりますが……。
などというようなことを、アメリカで起きた暴動のニュースを見ていて思い出してしまいました。それだけの話です。まとまりがなくて申し訳ありません。
ついでですが、冒頭に書いた「主人公が自警団になったけど最後に手榴弾で自爆する」映画のタイトルをご存知の方は、感想などで教えていただけると幸いです。ネットで調べてみたのですが、結局わかりませんでした。




