表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

174/270

セクハラと薬物

 数年前の話ですが、とある会社の交流会(?)に招かれたことがありました。実のところ、あまり参加したくはなかったのですが、お世話になっている人が絡んでいたので、顔を出さざるを得なかったのです。

 総勢、五十人から六十人くらいだったでしょうか。やがて、主催者である社長さん(年齢は三十代後半)が開始の挨拶をしました。まあ、よくある挨拶の言葉でしたが……最後に、とんでもない一言を放り込んでいったのです。


「では皆さん、ひとりずつ簡単な自己紹介と……好きな体位を言っていってください」


 念のため書きますと、参加者は男性だけではありません。半分近くは女性が占めていました。なのに、今時こんなセクハラ発言を堂々と言ってのけるとは……私は、開いた口がふさがりませんでした。

 やがて悪ノリしたおっさんたちが「好きな体位は、立ちバックです」などと言っていき、女性陣は表面的にはにこやかな表情だが冷ややかな雰囲気で名前だけ名乗り体位の話はスルーしていく……という嫌な空気の中、私の番が来たのです。仕方ないので「体位は、サイドポジションに押さえ込んで上から鉄槌てっついで削り、最後にアームロックで仕留めるのが好きです」と答えました。空気が変わるかと思ったのですが、皆さんドン引きしています。完全なる氷の世界へと変えてしまいました……。

 今でも、こういう時代錯誤なセクハラ親父はあちこちにいます。なので、気をつけてください。


 さて話は変わって、先日のことです。外出先から帰りテレビをつけると、橋下徹さんが出ていました。こんな発言をしたのです。


「厳罰化したおかげで、セクハラもパワハラも減ってきた。薬物犯罪も、厳罰化すれば必ず減る」


 セクハラと薬物とを同列に語るのは、完全に間違いなのですが……似たようなことを思っている方もいるかも知れません。また、以前に薬物をやる人間について触れましたが、説明が不足していたかもしれないですね。

 そこで今回は、セクハラやパワハラと薬物犯罪との違いと、薬物に手を染めるような若者たちの思考について語ります。これ、一緒くたにされると非常に困るんですよね。




 まず、セクハラやパワハラする人たちは、自分が悪いことをしているという自覚がないんですよ。より正確に言うなら「なかった」わけですね。今までは、悪いことという認識がなかったセクハラやパワハラ……しかし今は、訴えられる案件へと変わりました。誰だって、訴えられたくはありません。ですから減ってきた、だけなんですよね。とはいえ、未だに罪だという意識は薄いようですが。

 一方、薬物に手を出すような若者はといえば……基本的には「捕まる奴はバカ。捕まらなければ、どうということはない」という思想の持ち主です。彼らは、幼い頃から数々の悪さをしてきました。万引き、授業のバックレ、タバコ、バイクの暴走などなど……我々のような一般人よりも、犯罪に対するハードルは遥かに低いです。

 しかも、彼らはほとんどの場合、世の中の底辺に生きており誇れるようなものが何もありません。そんな若者たちにとって、唯一の自慢が他人のしていない「悪い」体験なんですよ。喧嘩や飲酒や万引き、バイクの暴走などなど……薬物もまた、そのひとつです。

 さらに、日本人はなんだかんだ言ってもヤンキー的なものに対する潜在的な憧れがあるんですよね。「大人たちの支配を拒絶し自由に生きろ」「壁をぶっこわせ」というような歌詞の歌は、いつの世も存在するわけです。ジャンプやマガジンといった少年漫画雑誌にも、必ずヤンキー漫画があります。そうしたものにかぶれた挙げ句、薬物を始める若者たちはなくならないでしょうね。

 ですから、薬物の厳罰化が抑止に繋がる……という考えは、私は間違っていると思います。が、昨今の御時世を見るに、この先は厳罰化する可能性の方が高いでしょうね。まあ、仮に厳罰化したとして、それが本当に抑止に繋がるのならば、むしろその方がありがたいですが。

 ここからは蛇足ですが、冒頭に登場した社長とは、それ以来会っていません。が、その部下の人と半年ほど前にちょっと話をしたのですが……社長は、またしてもやらかしてました。社内で、社員にTENGAをプレゼントしたそうです。しかも、女性の社員が数人いる前で堂々と渡していたとか。この行為も今の御時世を考えると、セクハラだと言われてもおかしくない案件です。そのあたりの認識が、ちょっと甘い気がしますね。

 もう一度書きますが、こういう人も日本には未だに存在しています。なので、くれぐれも気をつけてください。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  厳罰化して薬物使用者を死刑にしても、東南アジアでは未だに薬物とか流行ってますからね。  逆に合法化して、国の管理の下でやらせる方が良いかもしれませんね。  因みに、好きな体位と聞かれたら…
[良い点]  いやはや。下ネタ好きのセクハラジジイと致しましては耳の痛みを堪えつつ読み進めておりましたが…… 〉仕方ないので「体位は、サイドポジションに押さえ込んで上から鉄槌で削り、最後にアーム…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ