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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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国選弁護人と私選弁護人

 弁護士というと、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。

 難しい司法試験をパスし、法廷で華々しい活躍をして、合間にテレビに出演……などというイメージが強いですね。私だけかも知れませんが。

 ニュースなど観ていると、ごくたまに「国選弁護人」「私選弁護人」という言葉が出てきます。言葉だけだと、なんか国選の方が凄そうな感じですよね。国から選ばれし弁護士、というイメージです。これまた私だけかもしれないですが。

 ものすごく大雑把に言うと、国選は「国がお金を出して雇う弁護士」であり、私選は「自腹を切って雇う弁護士」です。今回は、この二つについて語ります。なお、私が知っているのは刑事事件に関してだけです。民事に関しては、まるで無知ですので。




 まず知っておいてもらいたいのは、国選弁護人というのは何もやってくれないということです。何もやってくれない、というと語弊がありますが、映画やドラマに登場する弁護士のような働きをしてくれないのは間違いないようです。

 実際、窃盗や薬物のような小さな事件だと、被告と一~二回ほど接見して事件について話し合い「あんた執行猶予だから」「悪いけど、今回は実刑だね」などと、上から目線で軽く言ってくれるそうです。全ての国選弁護人がそうだとは限りませんが、やる気のない人間が多いのは間違いないとか。

 まあ、それも仕方ないんですよね。なにせ、国選弁護人はもらえる金が少ないです。正確な額は知らないですが、一回の裁判で数万円だとか。知人は「五万円て聞いたよ」と言っていましたが、これも本当かは不明です。正確な数値はともかくとして、安いのは間違いなさそうです。

 しかも国選の場合、どれだけ動こうが金額は変わりません。被告のためにあちこち駆けずり回り無罪の証拠集めをしようが、何もせず法廷にだけ顔を出そうが、一緒なんですよ。裁判の結果、被告が無罪になろうが有罪になろうが、これまた同じです。

 さらに、以前から何度も書いていますが……犯罪者には、嘘つきが多いです。味方である弁護士にも、平気で嘘をつく者もいます。

 これは、数年前にあったことなのですが……ある日、私のケータイに電話がかかって来ました。知らない番号なので放っておいたところ、メッセージが入っていました。すると、相手は弁護士だったのです。「赤井さんですね? 親戚の小池(仮名です)さんが、逮捕され〇〇警察署に拘留されています。面会に来て欲しいと言っています」などという内容でした。

 私は、唖然となりました。この小池という人物は知っています。が、親戚ではありません。それどころか、友人ですらありません。友人の友人という程度の関係でして、顔を合わせたのも二~三回くらいです。

 そんな小池が、なにゆえ私を親戚と言ったのかは不明です。しかし、このままにしておくわけにもいきません。仕方ないので弁護士に電話し「私は親戚ではありません。そもそも、小池氏とはほぼ無関係です」と伝えました。小池が何のためにこんな嘘をついたのかは、未だにわかりません。

 こんな風に、味方であるはずの弁護士にまで嘘をつくのが、犯罪者という人種です。そんな連中の弁護を、数万円で引き受けなくてはならない……私なら、完全にやる気をなくしますね。実際、裁判でもお決まりのやり取りをした挙げ句「寛大な処置をお願いします」で終わらせることが多いとか。

 以前ネットで「裁判で国選弁護人をへこませてやった」と自慢している人を見ましたが、もともと国選はやる気がない人がほとんどなので……全く自慢にならないかと思います。

 もっとも被告の立場からすれば、こちらの懐を痛めなくていい……という点は大きいですね。したがって、窃盗や覚醒剤のような小さな犯罪なら、国選弁護人で済ませるケースがほとんどだとか。

 ただ、殺人のような大きな事件の場合はどうなのかは不明です。もしかすると、同じ国選でももらえる金額が違ってくるのかもしれませんが……そのあたりは、私にはわかりません。




 一方、これが私選弁護人になると、話がまるで違うそうです。

 私選だと、当然ながら金はかかります。が、被告のところに何度も接見しに来てくれますし、呼べば現れます。何だそんなこと、と思うかもしれませんが……実際に留置場や拘置所にて拘留されている立場の人間からすると、呼べば来てくれるというのは、それだけでありがたいそうなんですよ。

 また、国選など比較にならないくらい動いてくれるそうです。裁判のことだけでなく、プライベートに関する様々なことをしてくれるそうです。さらに、罪に対する罰もまるで違うとか。聞いた話ですが、実刑と執行猶予のぎりぎりのラインだと、私選弁護人のアドバイスや働きがあるかどうかが大きいそうです。刑期も、私選弁護人が動いてくれるかどうかで、かなり違ってくるとか。

 実際、殺人が傷害致死になったり、強盗が恐喝になったりするケースもあったとか。どちらも刑期にかなりの差がありますが、弁護士が罪名変更のため動いたそうです。

 しょせん、この世は金のある者が得するように出来ているんですね。もっとも、本当の金持ちならば、そもそも逮捕すらされないのかもしれないですが。というわけですので、いざという時のために金を蓄え、優秀な弁護士を雇えるようにしておきましょう。






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― 新着の感想 ―
[一言] 最近、見ていて不愉快になった弁護士は何も関係無い少女を通り魔的に殺害した殺人犯(13歳)を無罪にしただけでなく、文句を言ってきた被害者の父親に犯人の境遇を理由に「相手の事情を考慮しろ」「彼も…
[一言] 味方であるはずの弁護士にまで嘘をつく〜、嘘のスタンダード化ですね。最後の最後、弱った時に素直に「助けて」と言えるのが、最低限の人間の強さだと思います。それがある人は何とか助かる、かも。
感想一覧
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