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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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シリンジと、検査キット

 それは、とある方のツイートがきっかけでした。


「シリンジでの餌やりをオススメします」


 このツイートの主は獣医さんでして、病気のウサギへの対処法などをアドバイスしていたのですが……これを見て、無知な私の中にこんな疑問が生じたのです。


「シリンジとは何ぞや?」


 で、さっそく調べてみたところ……シリンジとは、注射器のことでした。一口に注射器といっても、いろんな用途があるようです。機械の隙間の小さな部品にピンポイントで接着剤を注入する。あるいは病気により自力で餌を食べられない動物の口の中に、細かく砕いて液状になった餌を注入する……といった使用方法があるんですね。ちなみに、我々のような一般人が手に入れられるシリンジのほとんどが、針の先が丸くなっているものでして、注射することは出来ません。言うまでもなく、悪用を防ぐためでしょう。

 なるほど、シリンジとはこういうものだったのですね。めでたし、めでたし。




 と、ここで終われば良かったのですが……何気なく某大手通販サイトを見てみたところ、私は唖然となりました。

 そこには、堂々とシリンジが売られていたんですよ。それも、先の尖った針を装着できるものが……まあ、上にも書いた通り、シリンジには様々な用途があります。悪用する人のことばかりを考えて発売しない、というのは間違っているでしょう。

 ただ、人体にも注射できるシリンジが大手通販サイトで堂々と買えるというのは……私は、全く知りませんでした。昔、年季の入ったポン中(今はやめているようです)から聞いた話では「昔はネタそのものより、注射器を手に入れる方が難しいこともあった。売人によっては、一本五千円なんて吹っかけてくる奴もいた」とのことでした。ところが、今では通販サイトで十本千円程度で手に入る……これを、どう解釈していいのかわからないですね。

 ちなみに、ポン中たちは注射器を「ポンプ」「道具」「ペン」などという隠語で呼ぶそうです。ですから、あなたの身近にいる人が電話で「あ、ポンプも一本付けてください」「道具も一本追加で」などと言っていたら、注意した方がいいかもしれません……と、ここまで書いて気づいたのですが、ひょっとしたら今は、別の隠語を用いている可能性もありますね。まあ、昔の隠語も知っておいて損はないかと。




 もっとも、シリンジはまだ言い訳がききます。上にも書いたように、他にも多くの用途がありますから。しかし、これはどうなんでしょうか……。

 実は、このシリンジについて調べていた時、新たに浮上してきたものがあります。それが「覚醒剤検査キット」です。こんな説明がありました。


「五分で検査結果がでます。クリニックや病院や診療所などからの検査結果を待つ必要はありません。会社の人員のスクリーニングにも最適。会社の同僚や家族などの大切な人が薬の問題を抱えているかもしれないと心配している方におすすめです。セルフチェック、個人情報守ります。早くて安心」


 おいおい、と私は思いました。家族や社員の尿なんか、どうやって検査するのでしょうか。仮にオッサン社長が若い女子社員に向かい「覚醒剤の尿検査をするから、君の尿をコップに入れて提出してくれ」などと言ったら……変態のそしりを免れないですよね。セクハラやらパワハラやらで訴えられてもおかしくありません。

 ですから、こんなのはポン中の人たちが自身の尿をチェックするために用いる以外の用途がないんですよ。しかも、ご丁寧にもレビューを書いてる人までいます。恐らくは、自身の尿をチェックするのに使用したのでしょうね……なんか、カオスなものを感じます。

 ここからは完全に余談ですが、いずれは会社での薬物の尿検査が、社員の義務となる時代が来るのかもしれないですね。個人的に薬物の尿検査自体は、特に賛成も反対もしません。いい気分とは言えませんが、やれと言われればやります。が、それが義務となっているような社会は、ちょっと生きづらそうだな……とは思います。






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